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第二話
第二話 パラダイム・シフト その4
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一方、ひとりで調査に赴いたガミオンは、飛行形態へと姿を変え、
周囲に気取られぬよう光学迷彩機能やステルス機能を用い、
飛行を続けながら日本の太平洋側、房総沖の海上へとやってきていた。
低空で周囲を暫く旋回した後、光学迷彩を解き人型に戻ると足から着水する。
重力制御能力で水面に立ったガミオンは、その姿勢のままセンサー機能を駆使し、水面下を伺うと、
すぐに何かの反応をキャッチし、重力制御機能を上げ、水面をかき分け海底目指して下りていった。
体の周囲にウェットスーツの様に張り巡らせたフィールドが、ガミオンの体に海水が直接触れることを防ぐ。
宇宙船での戦闘の際、ビルトンが使った機能阻害爆弾の影響で、未だに機能不全が残った体とはいえ
順調に水をかき分けながら潜っていくガミオン。
やがて海底を視界に捉えると、そこに巨大な金属の塊を発見した。
「あれか」
何らかの衝撃の影響を残した周囲の様子から、金属の塊は宇宙船の残骸の一部であるのは間違いないであろう。
海底に足を付いたガミオンが金属の塊に近づくと、その表面を撫でる。
すると鈍い駆動音を発し、亀裂の間から光が漏れ始めた。
「どうやら、積荷の一部らしい……まだ、生きてるようだ」
ガミオンは金属の塊の亀裂をこじ開け、内部を露出させる。
「見たことのない型だが、これは未登録の従者?」
複雑に絡み合った機械部品が丸まったような形状の物体、それはまさしくタイタンメイデンが『従者』と呼ぶ
起動前のサポート・ドロイドであった。
「やはり、まだ主人が登録されてない、だとしたら」
ガミオンはパネルに光る文様を確認すると、パネルを操作しロックを解除しようと試みる。
「私がコレを支配できれば……」
パネルを手早く操作すると計器に光が走り、紋章が浮かび上がる。
それに手を置くガミオン。
だが、従者は登録を受け付けず警告音を発するのみ。
「二重にロックが掛けられている?いや、私の波動パターンを受け付けないのか?」
「そいつはお前ごときに扱えるもんじゃないぜ!」
突如、発せられた声に振り向いたガミオンを、何者かの一撃が襲う。
だが、素早くそれを察知したガミオンはひらりと躱わし、飛び退いて離れた場所に着地する。
「チッ、素早いな」
ガミオンを襲おうとした者が右足をゆっくり振り下ろし、かまえて言った。
巨大な体に鋼の皮膚、女性的体型の表面に光のラインが輝くその姿は、
紛れもなくガミオンの同族『タイタン・メイデン』
「そうか、ブラブーバが地球を目指していたのは、お前達に積荷を届けるためか」
腰を落とし、かまえるガミオン。
「それを台無しにしてくれたのがお前ってわけだ、メガミオン」
ガミオンが敵対タイタンメイデンの言葉に反応する。
「どこでその名を知った?」
ガミオンは問いながらジリジリと間合いを詰める。
「答えると思うか?知りたきゃ力ずくで来な!」
敵対タイタンメイデンは大きく踏み込み、ガミオンに攻撃を仕掛けてきた。
「ソラソラソラソラ!!」
両足前面に設置された磨き上げられた装甲板が、刃物のように輝き、矢継ぎ早に繰り出される。
だが、ガミオンは冷静にそれを見切り、躱していく。
大きく派手なモーションで蹴りを繰出す敵に比べ、最小限の動きで的確に躱すガミオンの力量は
大きさでは勝る敵を技ではるかに上回っていることを示していた。
「ふん!」
敵対タイタンメイデンは、人間とは違う脚の構造をフルに使い、ガミオンの死角から切りつけるが
あえて敵の懐に飛び込んだガミオンが掌打の一撃を繰り出す。
ガミオンの体から光のラインを伝って波動エネルギーが流れこみ、敵の顔が苦痛に歪む。
「ぐおぉぉ?!」
さらにニ度、三度と拳を叩き込むと敵はバランスを崩し倒れこむ。
すかさずマウントを取るガミオン。
とどめの一撃とばかりに大きく構えたガミオンの体のラインがひときわ大きく輝くと
手足の装甲が数カ所開き、吹き出す熱が周囲の海水を泡立たせる。
「ハイヤ!!」
ガミオンが雄叫びと共に敵を打ち砕こうとした時、
「待てぃ!!」
死角から現れた新たな敵の体躯がガミオンに踊りかかり弾き飛ばす。
もんどりうって倒れたガミオンの体が海底を削り堆積物を巻き上げる。
「ダイン!ニュートゥ!おせーぞ!」
「すまんな、タオ、後は私に任せて貴殿は後ろに下がっていただこう」
倒れたタオをかばう様に現れ出たのは、新たなるタイタンメイデン『ダイン』
ガミオンやタオよりも巨大な体には、その内にひめた戦闘力の高さを示す様に、
発達したエネルギー・ラインが輝く。
さらにその後ろには小柄で細身のタイタンメイデン『ニュートゥ』を付き従えていた。
新たに現れた二体のタイタンメイデンのうち、
ニュートゥと呼ばれたタイタンメイデンがタオを助け起こし後ろに下がる。
代わりにタオやニュートゥよりも巨大な体躯のタイタンメイデン、ダインがさらに前へと進み出た。
「見れば此奴、波動法に長けている様子。久しぶりに良い戦いが望めそうだ」
もうもうと上がった土砂によって濁った場に向かって叫ぶダイン。
「他の者は手出し無用!メガミオンとやら!貴公はこのダインが相手になろう!」
舞い上がる土砂の中からガミオンが姿を現し、ダインの申し出を受けるように改めて構える。
ダインはガミオンより大型の「闘士」と呼ばれるクラスのタイタンメイデンだ。
闘士とは体格に恵まれ、格闘技術に優れた者が受ける称号。
変形機能を捨てた代わりに強固な体とパワーを手に入れた者。
対してガミオンは、平均的な体格である「戦士」クラスのタイタンメイデン。
その中でもひときわ小さい個体である。
通常ならば闘士の決闘を受けるのは無謀な行為だろう。
だがガミオンは、タイタンメイデンの格闘技術「波動法」に長けていた。
ダインは先程のタオとガミオンの戦いでそれを見抜き、
闘士としての誇りをかけ、勝負を挑んできたのだ。
ガミオンとしてもその申し出を拒否する意思は毛頭なかった。
ニュートゥが叫ぶ。
「ダイン!我らの目的を忘れるなよ!」
「承知!いくぞ!メガミオン!!」
声を合図にガミオンとダインの決闘の火蓋が切って落とされた。
周囲に気取られぬよう光学迷彩機能やステルス機能を用い、
飛行を続けながら日本の太平洋側、房総沖の海上へとやってきていた。
低空で周囲を暫く旋回した後、光学迷彩を解き人型に戻ると足から着水する。
重力制御能力で水面に立ったガミオンは、その姿勢のままセンサー機能を駆使し、水面下を伺うと、
すぐに何かの反応をキャッチし、重力制御機能を上げ、水面をかき分け海底目指して下りていった。
体の周囲にウェットスーツの様に張り巡らせたフィールドが、ガミオンの体に海水が直接触れることを防ぐ。
宇宙船での戦闘の際、ビルトンが使った機能阻害爆弾の影響で、未だに機能不全が残った体とはいえ
順調に水をかき分けながら潜っていくガミオン。
やがて海底を視界に捉えると、そこに巨大な金属の塊を発見した。
「あれか」
何らかの衝撃の影響を残した周囲の様子から、金属の塊は宇宙船の残骸の一部であるのは間違いないであろう。
海底に足を付いたガミオンが金属の塊に近づくと、その表面を撫でる。
すると鈍い駆動音を発し、亀裂の間から光が漏れ始めた。
「どうやら、積荷の一部らしい……まだ、生きてるようだ」
ガミオンは金属の塊の亀裂をこじ開け、内部を露出させる。
「見たことのない型だが、これは未登録の従者?」
複雑に絡み合った機械部品が丸まったような形状の物体、それはまさしくタイタンメイデンが『従者』と呼ぶ
起動前のサポート・ドロイドであった。
「やはり、まだ主人が登録されてない、だとしたら」
ガミオンはパネルに光る文様を確認すると、パネルを操作しロックを解除しようと試みる。
「私がコレを支配できれば……」
パネルを手早く操作すると計器に光が走り、紋章が浮かび上がる。
それに手を置くガミオン。
だが、従者は登録を受け付けず警告音を発するのみ。
「二重にロックが掛けられている?いや、私の波動パターンを受け付けないのか?」
「そいつはお前ごときに扱えるもんじゃないぜ!」
突如、発せられた声に振り向いたガミオンを、何者かの一撃が襲う。
だが、素早くそれを察知したガミオンはひらりと躱わし、飛び退いて離れた場所に着地する。
「チッ、素早いな」
ガミオンを襲おうとした者が右足をゆっくり振り下ろし、かまえて言った。
巨大な体に鋼の皮膚、女性的体型の表面に光のラインが輝くその姿は、
紛れもなくガミオンの同族『タイタン・メイデン』
「そうか、ブラブーバが地球を目指していたのは、お前達に積荷を届けるためか」
腰を落とし、かまえるガミオン。
「それを台無しにしてくれたのがお前ってわけだ、メガミオン」
ガミオンが敵対タイタンメイデンの言葉に反応する。
「どこでその名を知った?」
ガミオンは問いながらジリジリと間合いを詰める。
「答えると思うか?知りたきゃ力ずくで来な!」
敵対タイタンメイデンは大きく踏み込み、ガミオンに攻撃を仕掛けてきた。
「ソラソラソラソラ!!」
両足前面に設置された磨き上げられた装甲板が、刃物のように輝き、矢継ぎ早に繰り出される。
だが、ガミオンは冷静にそれを見切り、躱していく。
大きく派手なモーションで蹴りを繰出す敵に比べ、最小限の動きで的確に躱すガミオンの力量は
大きさでは勝る敵を技ではるかに上回っていることを示していた。
「ふん!」
敵対タイタンメイデンは、人間とは違う脚の構造をフルに使い、ガミオンの死角から切りつけるが
あえて敵の懐に飛び込んだガミオンが掌打の一撃を繰り出す。
ガミオンの体から光のラインを伝って波動エネルギーが流れこみ、敵の顔が苦痛に歪む。
「ぐおぉぉ?!」
さらにニ度、三度と拳を叩き込むと敵はバランスを崩し倒れこむ。
すかさずマウントを取るガミオン。
とどめの一撃とばかりに大きく構えたガミオンの体のラインがひときわ大きく輝くと
手足の装甲が数カ所開き、吹き出す熱が周囲の海水を泡立たせる。
「ハイヤ!!」
ガミオンが雄叫びと共に敵を打ち砕こうとした時、
「待てぃ!!」
死角から現れた新たな敵の体躯がガミオンに踊りかかり弾き飛ばす。
もんどりうって倒れたガミオンの体が海底を削り堆積物を巻き上げる。
「ダイン!ニュートゥ!おせーぞ!」
「すまんな、タオ、後は私に任せて貴殿は後ろに下がっていただこう」
倒れたタオをかばう様に現れ出たのは、新たなるタイタンメイデン『ダイン』
ガミオンやタオよりも巨大な体には、その内にひめた戦闘力の高さを示す様に、
発達したエネルギー・ラインが輝く。
さらにその後ろには小柄で細身のタイタンメイデン『ニュートゥ』を付き従えていた。
新たに現れた二体のタイタンメイデンのうち、
ニュートゥと呼ばれたタイタンメイデンがタオを助け起こし後ろに下がる。
代わりにタオやニュートゥよりも巨大な体躯のタイタンメイデン、ダインがさらに前へと進み出た。
「見れば此奴、波動法に長けている様子。久しぶりに良い戦いが望めそうだ」
もうもうと上がった土砂によって濁った場に向かって叫ぶダイン。
「他の者は手出し無用!メガミオンとやら!貴公はこのダインが相手になろう!」
舞い上がる土砂の中からガミオンが姿を現し、ダインの申し出を受けるように改めて構える。
ダインはガミオンより大型の「闘士」と呼ばれるクラスのタイタンメイデンだ。
闘士とは体格に恵まれ、格闘技術に優れた者が受ける称号。
変形機能を捨てた代わりに強固な体とパワーを手に入れた者。
対してガミオンは、平均的な体格である「戦士」クラスのタイタンメイデン。
その中でもひときわ小さい個体である。
通常ならば闘士の決闘を受けるのは無謀な行為だろう。
だがガミオンは、タイタンメイデンの格闘技術「波動法」に長けていた。
ダインは先程のタオとガミオンの戦いでそれを見抜き、
闘士としての誇りをかけ、勝負を挑んできたのだ。
ガミオンとしてもその申し出を拒否する意思は毛頭なかった。
ニュートゥが叫ぶ。
「ダイン!我らの目的を忘れるなよ!」
「承知!いくぞ!メガミオン!!」
声を合図にガミオンとダインの決闘の火蓋が切って落とされた。
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