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レヴェント編
41.正欠・再
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後方でキレ散かす不良少年がいる中、自席に着席した。そして、そんな俺のすぐ隣で細糸のような美しい金色の髪が靡いているのが見えた。
「「…………」」
そしてそんな隣に顔を向けるとその金髪の人物と目が合った。
『エメラルドの如き美しい黄緑の瞳』と『死んだ魚の如き濁った黒色の瞳』が互いを見つめ合い停止する。その間、実に数秒だったが、本人達はそれ以上に長く感じていた。
金髪の人物は驚きの出来事に思わず停止、一方の少年は柄にもなく視界に映った瞳の美しさに見惚れていた。
少しして活動を再開させた金髪の人物が声を上げた。
「け、ケイヤさん、ですよね?」
その声でボケーッとしていた意識が一気に蘇り、ハッと目が覚める。が、瞬間的に顔を背ける。
「あ、ホントだ。カミヅカ君だ!」
「…………」
「え、なんでこの人無視してるの?」
「…………」
無視する理由、それは実のところ特に何もないが、声を掛けてきた二人の少女がめんどくさい者達であることは事前に知っている、そのため反応するのがめんどくさいというだけの話だ。
「おーい、カミヅカ君聞いてる?」
「ケイヤさん?」
「…………」
明らかに聞こえている距離にいて先程、マジマジと見つめ合ったのにも関わらず無視を続ける。すると、赤髪の少女が不穏なセリフを言い放った。
「オリビア、こんなに言ってるのに聞こえてないってことはカミヅカ君じゃないのかも。じゃあ、数日前にカミヅカ君が起こした事件についてみんなに話も反応しないよね?」
「え、ケイヤさんは何もしてなくない?」
「いや、したわ! そう彼は――」
赤髪の少女の不穏なセリフに思わず耳を傾ける。
まさか、あれのは話か?
思い当たる事件を思い出し、無意識に彼女の話に耳を凝らしていた。
「幼女誘拐事件を起こして――」
「ねぇよ! おい、そこの君、その嘘は洒落にならんだろ! お兄さんガチめに怒っちゃうぞ?」
さっきまで不良少年君と話していた時の丁寧な口調から一転、素の口調とごっちゃになった少々おかしな口調で声を上げた。
「あ、やっと反応した」
「いや、反応した、じゃない! ナチュラルに最低な嘘吐くな!」
「聞こえてるのに反応しないカミヅカ君が悪いのよ。ね、オリビア?」
赤髪の少女の言葉に苦笑いで答える金髪少女。その後、二人はお互いにこちらに顔を向けニッコリと笑みを作って言った。
「数日振りですね、ケイヤさん」
「数日振り、カミヅカ君」
元気のいい二人のその言葉を聞いた俺は、何だか馬鹿らしくなって普通に返答することにした。
「はぁ……ああ、そうだな。数日振りだ、二人とも」
ため息の後、微笑を浮かべそう言った。
俺は数日前に出会った少女二人、オリビアとエヴァに再会したのだった。
そして同時に、俺はもう一人の少女に目線を向けた。
あれは……
目線を向けた先には銀色の髪を持った少女が腕を組んで、さもつまらなさそうに椅子に座っていた。
「「…………」」
そしてそんな隣に顔を向けるとその金髪の人物と目が合った。
『エメラルドの如き美しい黄緑の瞳』と『死んだ魚の如き濁った黒色の瞳』が互いを見つめ合い停止する。その間、実に数秒だったが、本人達はそれ以上に長く感じていた。
金髪の人物は驚きの出来事に思わず停止、一方の少年は柄にもなく視界に映った瞳の美しさに見惚れていた。
少しして活動を再開させた金髪の人物が声を上げた。
「け、ケイヤさん、ですよね?」
その声でボケーッとしていた意識が一気に蘇り、ハッと目が覚める。が、瞬間的に顔を背ける。
「あ、ホントだ。カミヅカ君だ!」
「…………」
「え、なんでこの人無視してるの?」
「…………」
無視する理由、それは実のところ特に何もないが、声を掛けてきた二人の少女がめんどくさい者達であることは事前に知っている、そのため反応するのがめんどくさいというだけの話だ。
「おーい、カミヅカ君聞いてる?」
「ケイヤさん?」
「…………」
明らかに聞こえている距離にいて先程、マジマジと見つめ合ったのにも関わらず無視を続ける。すると、赤髪の少女が不穏なセリフを言い放った。
「オリビア、こんなに言ってるのに聞こえてないってことはカミヅカ君じゃないのかも。じゃあ、数日前にカミヅカ君が起こした事件についてみんなに話も反応しないよね?」
「え、ケイヤさんは何もしてなくない?」
「いや、したわ! そう彼は――」
赤髪の少女の不穏なセリフに思わず耳を傾ける。
まさか、あれのは話か?
思い当たる事件を思い出し、無意識に彼女の話に耳を凝らしていた。
「幼女誘拐事件を起こして――」
「ねぇよ! おい、そこの君、その嘘は洒落にならんだろ! お兄さんガチめに怒っちゃうぞ?」
さっきまで不良少年君と話していた時の丁寧な口調から一転、素の口調とごっちゃになった少々おかしな口調で声を上げた。
「あ、やっと反応した」
「いや、反応した、じゃない! ナチュラルに最低な嘘吐くな!」
「聞こえてるのに反応しないカミヅカ君が悪いのよ。ね、オリビア?」
赤髪の少女の言葉に苦笑いで答える金髪少女。その後、二人はお互いにこちらに顔を向けニッコリと笑みを作って言った。
「数日振りですね、ケイヤさん」
「数日振り、カミヅカ君」
元気のいい二人のその言葉を聞いた俺は、何だか馬鹿らしくなって普通に返答することにした。
「はぁ……ああ、そうだな。数日振りだ、二人とも」
ため息の後、微笑を浮かべそう言った。
俺は数日前に出会った少女二人、オリビアとエヴァに再会したのだった。
そして同時に、俺はもう一人の少女に目線を向けた。
あれは……
目線を向けた先には銀色の髪を持った少女が腕を組んで、さもつまらなさそうに椅子に座っていた。
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