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レヴェント編
49.視線、痛い痛い
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自己紹介を終えた後、座学の授業が始まった。
先の自己紹介で判明したのはこのクラスにいる異世界人の数。異界人は俺を含めて八人、俺を除けばみな魔光石を容量限界で破壊した者達である。
つまりこのアブノーマルクラスとはそれに匹敵する、あるいはそれに近しい実力を持った者が集められているクラスなのだろう。無論、俺を除いてね。
まあ、いま見ている限りでそんな奴は数える程しかいない。おそらく十数人はただの埋め合わせ、有象無象の中での上澄みが選ばれているのだろう。だが、そうだとしてもこの世界ではトップの才覚を持つ優秀な生徒達なのだろう、ただ基本的な方針としては優秀な異界人、四勇者の育成をメインにしたクラスなのだろう。
座学の授業――
座学と言っても今回のはこれからの授業の説明、学園生活における諸注意、等々、特に大した話はなかった。強いて言えばレナが異様にちゃんとしているのが気になった。まだ数回ほどの付き合いであるが、彼女は真面な授業をしないと思っていたのだが、今のところは普通だ。
でも、あの体格で先生をやっているのは見ていてとても面白い。真面目な話をしているのは分かるが、その姿を見る度に急に幼稚に感じてしまう。
幼女が頑張って授業をしている光景、ロリコンの趣味は一切ないのだが、見ている側としてはとても微笑ましい気分になる。やはり大人っぽい態度や仕草に比べ、見た目が伴っていないと背伸びした子供感が凄い。
うん! 視線、痛ってッ……!
そんな考えに感づいたのか、先ほどからレナの目線が異様なほど俺の方に向いており、その視線の鋭さと言ったら刃の如し、マジで刺殺されそうな勢いだ。
怖い、見た目に反して殺気の飛びようが異常、俺に向けている筈の殺気でクラス全体が震えている。
まあ、数人は俺と同じことを考えていたのだろうが……
クラスがレナの殺気で包まれる中、座学の授業が終わった。
「なあ、ケイヤ。お前、レナ先生を怒らせることしたのか?」
「思考内を含むならな」
「なるほど……」
納得したという感じに頷くのは金髪イケメンのアルバート、愛称はアル。
この男は何故だか知らないが、俺の友人になりたいと言ってきた奴だ。座学中も関係なしに話しかけてくる、しかも話の内容は本当に下らない世間話、有用性は感じない。
今のところ意図が全く読めない、本当にただの友人のように接してきている。
まあ、それだければ何の問題もない。ああ、問題ない。だが――
一番は周囲からの目線が痛いことだッ! レナもそうだが、それ以上に多方向から殺気にも似た異様な視線を向けられている。
背後に軽く目線を向けた時、合ってはいけない目が合った時はスッと視線を戻して恐怖したよ。
渚さんの目が怖い! な、なに、あの目、人を見下すような、蔑むような目は!?
「どうした、ケイヤ? 体調でも悪いのか?」
アルが顔を青くして恐怖する俺を見てそう声を掛けた。
「い、いいや、なんでもない……」
「…………」
なんでもない様には見えないという表情をするアル。だが、それをあえて口にしないのは何となく察しがついたからなのだろう。
「諸君、準備が整った者から実技訓練場五棟に向ってくれ」
そういうとレナは教室から去り一足先に訓練場へ向かった。
「さて、俺たちも着替えて行こうか」
「そうだな」
俺とアルは事前に説明された更衣室へ向かうことにした。後ろから、少々冷やかな視線を感じながら……
先の自己紹介で判明したのはこのクラスにいる異世界人の数。異界人は俺を含めて八人、俺を除けばみな魔光石を容量限界で破壊した者達である。
つまりこのアブノーマルクラスとはそれに匹敵する、あるいはそれに近しい実力を持った者が集められているクラスなのだろう。無論、俺を除いてね。
まあ、いま見ている限りでそんな奴は数える程しかいない。おそらく十数人はただの埋め合わせ、有象無象の中での上澄みが選ばれているのだろう。だが、そうだとしてもこの世界ではトップの才覚を持つ優秀な生徒達なのだろう、ただ基本的な方針としては優秀な異界人、四勇者の育成をメインにしたクラスなのだろう。
座学の授業――
座学と言っても今回のはこれからの授業の説明、学園生活における諸注意、等々、特に大した話はなかった。強いて言えばレナが異様にちゃんとしているのが気になった。まだ数回ほどの付き合いであるが、彼女は真面な授業をしないと思っていたのだが、今のところは普通だ。
でも、あの体格で先生をやっているのは見ていてとても面白い。真面目な話をしているのは分かるが、その姿を見る度に急に幼稚に感じてしまう。
幼女が頑張って授業をしている光景、ロリコンの趣味は一切ないのだが、見ている側としてはとても微笑ましい気分になる。やはり大人っぽい態度や仕草に比べ、見た目が伴っていないと背伸びした子供感が凄い。
うん! 視線、痛ってッ……!
そんな考えに感づいたのか、先ほどからレナの目線が異様なほど俺の方に向いており、その視線の鋭さと言ったら刃の如し、マジで刺殺されそうな勢いだ。
怖い、見た目に反して殺気の飛びようが異常、俺に向けている筈の殺気でクラス全体が震えている。
まあ、数人は俺と同じことを考えていたのだろうが……
クラスがレナの殺気で包まれる中、座学の授業が終わった。
「なあ、ケイヤ。お前、レナ先生を怒らせることしたのか?」
「思考内を含むならな」
「なるほど……」
納得したという感じに頷くのは金髪イケメンのアルバート、愛称はアル。
この男は何故だか知らないが、俺の友人になりたいと言ってきた奴だ。座学中も関係なしに話しかけてくる、しかも話の内容は本当に下らない世間話、有用性は感じない。
今のところ意図が全く読めない、本当にただの友人のように接してきている。
まあ、それだければ何の問題もない。ああ、問題ない。だが――
一番は周囲からの目線が痛いことだッ! レナもそうだが、それ以上に多方向から殺気にも似た異様な視線を向けられている。
背後に軽く目線を向けた時、合ってはいけない目が合った時はスッと視線を戻して恐怖したよ。
渚さんの目が怖い! な、なに、あの目、人を見下すような、蔑むような目は!?
「どうした、ケイヤ? 体調でも悪いのか?」
アルが顔を青くして恐怖する俺を見てそう声を掛けた。
「い、いいや、なんでもない……」
「…………」
なんでもない様には見えないという表情をするアル。だが、それをあえて口にしないのは何となく察しがついたからなのだろう。
「諸君、準備が整った者から実技訓練場五棟に向ってくれ」
そういうとレナは教室から去り一足先に訓練場へ向かった。
「さて、俺たちも着替えて行こうか」
「そうだな」
俺とアルは事前に説明された更衣室へ向かうことにした。後ろから、少々冷やかな視線を感じながら……
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