18 / 37
第一章 ボクと彼女の××××!?
18、ボクと彼女の王国脱出作戦6 合法ショタかよ!
しおりを挟む
「早いですね、この馬車? 流石は勇者様です」
後部座席で落ち着かない様子で、話しかけてくる少年。
「これは私じゃなくて、拓真の力だけどね」
「拓真様の力ですか……」
「あっ、一緒に召喚されてるから、拓真も勇者様か」
二人で仲良く話しすぎて、好きになられてはたまらない。ボクも話に加わらなければ……。
「……で、どこから少年は出て来たのかな?」
「拓真が選んだ仕事でモンスター退治に行った時に、近くの村で助けたんだよ」
「その村の子供かい? ん……なら、連れてこないか」
「村の子供に虐められてたのさ。よそ者だって……」
「よそ者か~。で、どこから来たよそ者?」
「それが分からないんだよね~。……記憶が無いんだって」
おいおい、思いっきり怪しいじゃあないか。まあ、彼女の人を見る目は確かだと思うが、相手が美少年となると、どうなんだろうか……。
「ところで、明日香がいない間に毒殺され掛けてさ。
それで、城を出た訳なんだ」
彼女から、物凄い怒気があふれ出る。ヒッ、後部座席で小さく悲鳴が漏れた。ボクは、ボクのために怒ってくれる彼女を見て嬉しくてしかたなくなる。
「悪魔の実って、リンゴみたいな果物なんだけど。明日香でも、危ない呪いと毒の効果があるから気を付けてね」
「……城に向けて爆裂魔法、打ち込んで良いかな?」
「ちょっと待ってね。いま、城の宝物庫を空にするから………………ん、慰謝料の徴収完了!
でも、慰謝料取って仕返しするのは二重取りみたいなものか……? 勝手に潰しあうだろうから、ほって置こうか」
真っ直ぐな道で交通標識も無いが、念のためスピードを落とす。
危なげなく物品引き寄せで、城の宝物庫を空にする事ができた。お宝は全部アイテムボックスの中に直接放り込んだ。
不確定要素が多いが、一応は反目の元を仕込んである。彼女に面倒をかける必要もないだろう。
彼女からの怒気が、柔らかいものに変わっていく。後部座席からは、やっと恐怖から解放されたのか息をつく気配がする。
うん、彼女は君には荷が勝ちすぎるのだよ……。
「……ぷっふふふふっ。流石は、拓真だな~」
国境と言っても、荒野の中の道を走り続けると、いつの間にか王国の版図を抜けていた。
ボク達の世界の様に国の境は、しっかり管理されている訳ではない。この世界の最強生物は人間ではないので、人間の版図自体から外れる地域も多いのだ。
「もう、王国は出た筈だよ。今日はこの辺で泊まりだね……。
そうだ、明日香。
明日香のステータスを見せてもらってもいいかな?」
ボクは車を止めて彼女に聞いてみる。彼女の中に溜められた経験値が、何かのスキルを覚醒させているかも知れないからね。
「いいよ、こんな感じ。
鑑定とアイテムボックスのスキルが使えるようになってるよ」
やっぱり彼女は天才だね。ボクは彼女のステータスを覗き込む。鑑定とアイテムボックスの横にハートマークがついている。
「あると便利だと思ってたら、使えるようになってたんだけど……使えないねぇ」
「使えるようにしても良いかな?」
彼女の了解を得ると、彼女のステータスに触れて、心の中で唱える。
『天使ルイジアナにお願いします』
鑑定をレベル99の限界まで上げる。これで誰も彼女をだまして毒を飲ます事はできないだろう。アイテムボックスはレベル60まで上げられた。
流石の彼女も経験値が底をついた様だった。
「そうだ、その少年を鑑定すれば、生まれ故郷が分かるかも知れないね。
そうすれば、両親の元に返せるんじゃないかな?」
パジェロの後部座席で、少年がビクリとした。どうやら、焦っているようだ。
「じゃあ、鑑定するね」
否やも無く、彼女は少年を鑑定していた。
「すごいね、色々分かって使えるようになってる!
ん……この子、エルフだって~。年齢18歳……私たちと同じくらいの年だったんだ」
エルフだと? 18歳って、合法ショタかよ! やはり、危ない奴だった。
こんな奴は生まれ故郷に、さっさと送り返す事にしよう。
ボクは、そう決意した。
◇============================◇
応援よろしくお願いします。
次回「ボクと彼女と魔王の森1」へ。
後部座席で落ち着かない様子で、話しかけてくる少年。
「これは私じゃなくて、拓真の力だけどね」
「拓真様の力ですか……」
「あっ、一緒に召喚されてるから、拓真も勇者様か」
二人で仲良く話しすぎて、好きになられてはたまらない。ボクも話に加わらなければ……。
「……で、どこから少年は出て来たのかな?」
「拓真が選んだ仕事でモンスター退治に行った時に、近くの村で助けたんだよ」
「その村の子供かい? ん……なら、連れてこないか」
「村の子供に虐められてたのさ。よそ者だって……」
「よそ者か~。で、どこから来たよそ者?」
「それが分からないんだよね~。……記憶が無いんだって」
おいおい、思いっきり怪しいじゃあないか。まあ、彼女の人を見る目は確かだと思うが、相手が美少年となると、どうなんだろうか……。
「ところで、明日香がいない間に毒殺され掛けてさ。
それで、城を出た訳なんだ」
彼女から、物凄い怒気があふれ出る。ヒッ、後部座席で小さく悲鳴が漏れた。ボクは、ボクのために怒ってくれる彼女を見て嬉しくてしかたなくなる。
「悪魔の実って、リンゴみたいな果物なんだけど。明日香でも、危ない呪いと毒の効果があるから気を付けてね」
「……城に向けて爆裂魔法、打ち込んで良いかな?」
「ちょっと待ってね。いま、城の宝物庫を空にするから………………ん、慰謝料の徴収完了!
でも、慰謝料取って仕返しするのは二重取りみたいなものか……? 勝手に潰しあうだろうから、ほって置こうか」
真っ直ぐな道で交通標識も無いが、念のためスピードを落とす。
危なげなく物品引き寄せで、城の宝物庫を空にする事ができた。お宝は全部アイテムボックスの中に直接放り込んだ。
不確定要素が多いが、一応は反目の元を仕込んである。彼女に面倒をかける必要もないだろう。
彼女からの怒気が、柔らかいものに変わっていく。後部座席からは、やっと恐怖から解放されたのか息をつく気配がする。
うん、彼女は君には荷が勝ちすぎるのだよ……。
「……ぷっふふふふっ。流石は、拓真だな~」
国境と言っても、荒野の中の道を走り続けると、いつの間にか王国の版図を抜けていた。
ボク達の世界の様に国の境は、しっかり管理されている訳ではない。この世界の最強生物は人間ではないので、人間の版図自体から外れる地域も多いのだ。
「もう、王国は出た筈だよ。今日はこの辺で泊まりだね……。
そうだ、明日香。
明日香のステータスを見せてもらってもいいかな?」
ボクは車を止めて彼女に聞いてみる。彼女の中に溜められた経験値が、何かのスキルを覚醒させているかも知れないからね。
「いいよ、こんな感じ。
鑑定とアイテムボックスのスキルが使えるようになってるよ」
やっぱり彼女は天才だね。ボクは彼女のステータスを覗き込む。鑑定とアイテムボックスの横にハートマークがついている。
「あると便利だと思ってたら、使えるようになってたんだけど……使えないねぇ」
「使えるようにしても良いかな?」
彼女の了解を得ると、彼女のステータスに触れて、心の中で唱える。
『天使ルイジアナにお願いします』
鑑定をレベル99の限界まで上げる。これで誰も彼女をだまして毒を飲ます事はできないだろう。アイテムボックスはレベル60まで上げられた。
流石の彼女も経験値が底をついた様だった。
「そうだ、その少年を鑑定すれば、生まれ故郷が分かるかも知れないね。
そうすれば、両親の元に返せるんじゃないかな?」
パジェロの後部座席で、少年がビクリとした。どうやら、焦っているようだ。
「じゃあ、鑑定するね」
否やも無く、彼女は少年を鑑定していた。
「すごいね、色々分かって使えるようになってる!
ん……この子、エルフだって~。年齢18歳……私たちと同じくらいの年だったんだ」
エルフだと? 18歳って、合法ショタかよ! やはり、危ない奴だった。
こんな奴は生まれ故郷に、さっさと送り返す事にしよう。
ボクは、そう決意した。
◇============================◇
応援よろしくお願いします。
次回「ボクと彼女と魔王の森1」へ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
183
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる