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第二章 マルシカの町に入り宿に泊まる町を観光する
1、身分証明書は、神様サポートで、ちゃんとあります
しおりを挟む町の周りは、壁に守られている。よそ者は門の所で区別され、犯罪行為をしていないかチェックされる。
当たり前の事で差別ではない。こちらとしても町中で、より安全が保障される事になる。文句を言うのは犯罪者くらいじゃないだろうか。
そのチェックをどうやって、やるかというと、審判官のジョブを持つ者が真偽のスキルで行っている。
歩くスーパー嘘発見器である。魔法やスキルの在るこの世界は、地球の最新技術を超えている事があるのだ。
ボクは、この世界の身分証明書を持っている。神様サポートの一環である。
名前と年齢はそのまま、流れ者の冒険者の息子として、メガシカの街で登録され発行されたモノだ。
これは神の力により、真偽のスキルにかけても、真実として証明される。
門の手前で、メディック家一同と別れる。強盗犯たちの事を報告するのに、けっこう時間がかかるらしい。
ボクは、門番に身分証明書を見せて、簡単な質問に答える。門番の後ろにいる審判官がOKを出した。これで簡単だが厳重なチェックになる。
ブライアンさんが門番に声をかけていた。
「盗賊に襲われた。返り討ちにして、所持品と身分証を持っている。」
「……では、中でお話をお願いします」
その声を聞きながら、ボクは門の中、マルシカの町へ入っていった。
強盗犯の所持品の権利は、思いっ切り拒否したよ。
あの後、死体に触るとか嫌だったので……。吐かなかった自分を褒めてあげたい。
まずは、ブライアンさんに聞いておいた宿屋に行こう。
マルシカの町は外の門を入り、その先の道を真っ直ぐに1キロほど行くと、もう一つ内門がある。
内門の中は、町を治める貴族とその親族の邸宅、それを守る騎士などの家や兵舎になっている。
外門と内門その間が、メインストリートとして、左右に武器防具店や高級品店、大手ギルドなどが立ち並ぶ。
宿屋は、その通りにも在るのだが、ブライアンさんの紹介してくれた宿屋とは違う。
300メートルほど進むと、武器防具店の角を右に曲がる。その先400メートル左手に、客室わずか二部屋の小さな宿屋が見えてくる。
出来るだけ人目に付かず、ぽち、たま、うさ子の事を、みだりに口外しない。しばらく、ボク達の安全を保障してくれる場所だ。
宿屋のドアを開けると、ドアに付いた鐘が「カラン、カラーン」と鳴り。
「いらっしゃいませ~」
10歳くらいの少女が出迎えてくれた。メディック家のアリスちゃんと、同じ歳くらいかな。
「ブライアンさんに聞いて、来たんだけど、部屋は空いてるかな?」
「はい、空いてます」
「この子達も一緒だけど、大丈夫かな?」
キャリーバックのチャックを開いて、ぽち、たま、うさ子を見せる。キャリーバックの中で揺られウトウトしていた、ぽち達が目を覚ました。
『ごはん?』『ついた~やど?』「ごは~ん?』
可愛らしく問いかけるモフモフ姿の破壊力に、少女がしばし呆然とする。
「うわ~」「うふふふふ……」
至福の表情に変わった。そして‥‥帰ってこない。完全に仕事を忘れてしまっている。‥‥もふもふだもの、しかたないか。
「……アリスちゃんと、同じ歳くらいかなぁ」
もふもふと、それに顔を輝かせる少女……、二重に癒されボクは思った事を、そのまま呟いていた。
「はい、ア、アリスちゃん?アリスちゃんは、お友達です」
「……ブライアンさん、あっ、アリスちゃんのお父さん!」
カランカラーン、扉が開いて、買い物カゴを持った30代半ばくらいの女の人が入ってきた。
「あっ、お母さーん」
「アリスちゃんの、お父さんの知り合いの人だって」
「……で、メアリー?」
メアリーちゃんか。メアリーちゃん、再起動に成功したようだが、仕事モードにまでは復帰できなかったようだ。
「……いらっしゃいませ、まで? かな?」
「……」
「今日のお駄賃は、なし。……かな?」
「……」
二つ目の問いにコクリと頷くと、落ち込むメアリーちゃんを置き去りに、メアリーちゃんのお母さんが仕事を始める。
朝と晩の二食付きで、一泊5000マール。ぽち達の食事の心配は要らないというと、追加料金も無かった。
お風呂は、別料金で一回用意するごとに、1000マール。3時間前には言っておいて欲しいそうだ。毎日入りたいと言ったら、驚いていた。
おつりとか面倒なので、キリが良いところで決める。小金貨1枚10万で、20泊。と、お風呂の分は2万だから、大銀貨2枚か。
「取りあえず20泊で、お願いします」
小金貨1枚と大銀貨2枚、合わせて12万マールを払っておく。
ビックリしてるね。長逗留すぎるかな。でも、安全な場所で出来るだけ、ぽち、たま、うさ子を成長させたいんだ。
トラブルが無ければ、もっと長居するつもりだよ。
「この子達の事は、出来るだけ内緒でお願いします」
「はい、後で良く言い聞かせておきます」
メアリーちゃんを見て、ボクにそう返事を返す。と、メアリーちゃんに声をかけた。
「メアリー、お部屋に御案内して」
階段を上がると、廊下に面して部屋が二つ並んでいる。どちらでも良いようなので、奥の部屋にしてもらう。
そうだ、お駄賃の補填をしてあげよう。子供にはやっぱり、アメちゃんだね。個装パックを切って手の中に落としてあげる。
「はい、これ、アメちゃん。口の中で、ゆっくり溶かして食べる、お菓子だよ」
「あ、ありがとう…ございます」
部屋に入りドアを閉める。
‥‥うん? 食べたかな? ドアの向こうで、なにやら狂喜乱舞している様子。
流石はアリスちゃんのお友達と、思わずニヤリとしてしまう。
ぽち、たま、うさ子は食事を終えると、じゃれあい始めた。ずっと狭いキャリーバックの中だったからね。
今日は色々あった。強盗犯との戦いでレベルアップしてる筈だ。
ステータスを見ると、ボクはレベル3になっていた。
◇
名前:山本 海斗 Lv3 ジョブ:守護者(限定) 種族:人族
HP 72 MP 75
筋力 55 (ステータス+:7、6、5)
速さ 54 (ステータス+:6、7、6)
防御 55 (ステータス+:7、6、5)
魔力 57 (ステータス+:8,8,7)
スキル:亜空間収納アイテムボックス+魔力変換
(スキル+:身体強化Lv1 雷魔法Lv2 治癒魔法Lv1)
◇
雷魔法のレベルも上がっていた。
ステータス+の数値がアップしているので、ぽち、たま、うさ子も見てみるがレベルアップはしてなかった。
成長で上がった分なのだろう。このままスクスクと育って欲しい。
少しも使っていない、たまの雷魔法が、ボクと同じレベル2になっていた。スキル+は成長が、フィードバックされるのかな?
逆もあるのなら、この子達もスキルを使うようになったら、スキルの成長が、早くなるのかもしれない。
じゃれあい、駆け回るモフモフ達は、ますますボクに幸せを運んでくれそうな予感がした。
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