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第二章 マルシカの町に入り宿に泊まる町を観光する
4、マルシカ商人達の災難と宿での観光案内の依頼
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☆☆☆コレクター公爵☆☆☆
その日、マルシカの町の武器店に、通称コレクター公爵と呼ばれている貴族がやって来た。
並みの貴族ではない。継承権を放棄しているとはいえ、この大陸を治めるアルファン聖王家、現聖王の弟君なのだ。
この今年35歳になる貴族は、コレクターとして大陸中の商人に知られ嫌われていた。
前聖王が死去した15歳の時、継承権を放棄する事で生き延びた。それ以来、名ばかりの公爵位と屋敷。そして、公的援助を糧にして永らえてきた。
立場上、何をする事もできず趣味に走しり様々な物を集めだした。
不遇の身とはいえ聖王家の血を引く貴族、母親の援助もあった。当初は、まっとうなコレクターとして、上得意として扱われていた。
十年前に母親が亡くなり、更には公的援助が減らされた。
そして、コレクションを続けるうちに、コレクションとしての資産は増えたが、金は無くなっていった。
しかし、それでも止まることなく、コレクションは増え続けた。
少ない資金を、聖王家の権威で補って……。
入ってくるなり公爵は、店主に言い放った。
「出せ! アンブロスの腕輪を手に入れた筈だ」
武器店の店主がハメられたと知ったのは、すでにアンブロスの腕輪を手に入れた後だった。やがて情報は流され、この男がやって来る事になった。
腐っても聖王家の一族、その権威に対抗できる買い手は、そうは見つからない。もはや、買い叩かれる運命しかないと思っていた。
「た、確かに仕入れさせて頂きましたが、もう……ございません」
「なにっ~!」
「売れたので、ございます」
「誰だ? 誰が買っていった!」
「ひっ、知りません。町の者では、ありませんでした。
……大きな荷物を背負っていましたので、……旅の者かと存じます」
「く~っ、いくらだ、いくらで売った?」
「……500万マールで、ございます」
「なんだと~っ! 貴様は500万マールで仕入れた物を、500万マールで売ったというのか!」
「……っ、そ、そのような大金を持っているとは思わず、500万マールと……。売れるとは、思っても……いませんでした……ので」
「……ハッチ?」
公爵は店主を睨み付けたまま、共の者の一人に声をかけた。
「うそは、言ってないでやす」
「そうか……売れてしまったのなら、仕方ないな」
コレクター公爵、アークライト・R・アールファン公爵は、何事も無かった様に言った。
だが、その声には暗く静かな怒気がこもっていた。
「カーク、分かっているな?」
店を出ると公爵が、ぼそりと呟いた。
当てが外れた公爵だが、他に珍しい物でもないかとマルシカの店を回り、機嫌を回復していた。
共の者は安堵するが、公爵による被害者は増えた。
「200万マールだと?貴様はそれをいくらで仕入れた?」
「……60万マールでございます」
「ほう、聖王家の者に対して、随分とふっかけたモノだ……」
「60万マールで……、お譲りします」
「貴様!、聖王家に対する感謝の念はあるのか?誰のおかげで、商売が出来ていると思っている」
「ヒッ、差し上げます、献上させて頂きます」
「ふむ、だが対価は、ちゃんと払うぞ?脅し取ったなどと、よからぬ事を言う輩が、おらぬとは限らん」
公爵は、そう言うと道具店の店主の前に一枚の小金貨を置いた。
数日後コレクター公爵は、日本で売られている一本のブランドボールペンを手に入れて、ご機嫌でマルシカの町を出た。
☆☆☆
ボクが泊まっている宿屋は、レベッカの宿という。メアリーちゃんのお母さんの名前だね。泊り客は、居ない事の方が多いみたいだ。
今も、ボク達以外の客はいないしね。
旦那さんが会計士ギルドの職員で、今は主張が多く留守勝ち。そこで、暇を持て余したレベッカさんが、家を大改装、趣味で宿屋を始めたらしい。
外出できる時間が少なく、安全なメインストリートくらいしか、回っていないボクは、もう少し行動範囲を広げようと思っていた。
「レベッカさん、少し相談があるのですが、よろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ、何でしょう?」
「誰か信用のできる人に、マルシカの町の観光案内を、お願いしたいのですが、誰か紹介して頂けないでしょうか?」
「はい、それなら……」
「はい、はい、はい!それ、わたしがやるーっ!」
レベッカさんが何か言い切る前に、メアリーちゃんが強烈に割り込んできた。
「う~ん、危ない所は、案内しなくて良いので、メアリーちゃんでも大丈夫、かな?」
「……それなら、大丈夫ですね」
メアリーちゃんを見て、ため息をつくとレベッカさんが言った。
観光案内の料金は一日1000マールで落ち着いた。安くない? と言ったら、それでも高すぎると言われた。
この異世界、子供は働き手で、悪い意味での子供料金があるのだ。
いや、前の世界でも先進国以外では、当たり前だったかもしれないね……。
『カイト~かんこー?』
『うん、もっと外を見て回るよ』
『そと、あそぶ?』
『うん、人目が無い場所で、バックの外に出られるかも」
『『『あそぶ~、外いく~』』』
あ……、メアリーちゃんが期待に満ちた目をしている。
明日に備えて……、
お菓子の生成を多めにしておきましょう。
その日、マルシカの町の武器店に、通称コレクター公爵と呼ばれている貴族がやって来た。
並みの貴族ではない。継承権を放棄しているとはいえ、この大陸を治めるアルファン聖王家、現聖王の弟君なのだ。
この今年35歳になる貴族は、コレクターとして大陸中の商人に知られ嫌われていた。
前聖王が死去した15歳の時、継承権を放棄する事で生き延びた。それ以来、名ばかりの公爵位と屋敷。そして、公的援助を糧にして永らえてきた。
立場上、何をする事もできず趣味に走しり様々な物を集めだした。
不遇の身とはいえ聖王家の血を引く貴族、母親の援助もあった。当初は、まっとうなコレクターとして、上得意として扱われていた。
十年前に母親が亡くなり、更には公的援助が減らされた。
そして、コレクションを続けるうちに、コレクションとしての資産は増えたが、金は無くなっていった。
しかし、それでも止まることなく、コレクションは増え続けた。
少ない資金を、聖王家の権威で補って……。
入ってくるなり公爵は、店主に言い放った。
「出せ! アンブロスの腕輪を手に入れた筈だ」
武器店の店主がハメられたと知ったのは、すでにアンブロスの腕輪を手に入れた後だった。やがて情報は流され、この男がやって来る事になった。
腐っても聖王家の一族、その権威に対抗できる買い手は、そうは見つからない。もはや、買い叩かれる運命しかないと思っていた。
「た、確かに仕入れさせて頂きましたが、もう……ございません」
「なにっ~!」
「売れたので、ございます」
「誰だ? 誰が買っていった!」
「ひっ、知りません。町の者では、ありませんでした。
……大きな荷物を背負っていましたので、……旅の者かと存じます」
「く~っ、いくらだ、いくらで売った?」
「……500万マールで、ございます」
「なんだと~っ! 貴様は500万マールで仕入れた物を、500万マールで売ったというのか!」
「……っ、そ、そのような大金を持っているとは思わず、500万マールと……。売れるとは、思っても……いませんでした……ので」
「……ハッチ?」
公爵は店主を睨み付けたまま、共の者の一人に声をかけた。
「うそは、言ってないでやす」
「そうか……売れてしまったのなら、仕方ないな」
コレクター公爵、アークライト・R・アールファン公爵は、何事も無かった様に言った。
だが、その声には暗く静かな怒気がこもっていた。
「カーク、分かっているな?」
店を出ると公爵が、ぼそりと呟いた。
当てが外れた公爵だが、他に珍しい物でもないかとマルシカの店を回り、機嫌を回復していた。
共の者は安堵するが、公爵による被害者は増えた。
「200万マールだと?貴様はそれをいくらで仕入れた?」
「……60万マールでございます」
「ほう、聖王家の者に対して、随分とふっかけたモノだ……」
「60万マールで……、お譲りします」
「貴様!、聖王家に対する感謝の念はあるのか?誰のおかげで、商売が出来ていると思っている」
「ヒッ、差し上げます、献上させて頂きます」
「ふむ、だが対価は、ちゃんと払うぞ?脅し取ったなどと、よからぬ事を言う輩が、おらぬとは限らん」
公爵は、そう言うと道具店の店主の前に一枚の小金貨を置いた。
数日後コレクター公爵は、日本で売られている一本のブランドボールペンを手に入れて、ご機嫌でマルシカの町を出た。
☆☆☆
ボクが泊まっている宿屋は、レベッカの宿という。メアリーちゃんのお母さんの名前だね。泊り客は、居ない事の方が多いみたいだ。
今も、ボク達以外の客はいないしね。
旦那さんが会計士ギルドの職員で、今は主張が多く留守勝ち。そこで、暇を持て余したレベッカさんが、家を大改装、趣味で宿屋を始めたらしい。
外出できる時間が少なく、安全なメインストリートくらいしか、回っていないボクは、もう少し行動範囲を広げようと思っていた。
「レベッカさん、少し相談があるのですが、よろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ、何でしょう?」
「誰か信用のできる人に、マルシカの町の観光案内を、お願いしたいのですが、誰か紹介して頂けないでしょうか?」
「はい、それなら……」
「はい、はい、はい!それ、わたしがやるーっ!」
レベッカさんが何か言い切る前に、メアリーちゃんが強烈に割り込んできた。
「う~ん、危ない所は、案内しなくて良いので、メアリーちゃんでも大丈夫、かな?」
「……それなら、大丈夫ですね」
メアリーちゃんを見て、ため息をつくとレベッカさんが言った。
観光案内の料金は一日1000マールで落ち着いた。安くない? と言ったら、それでも高すぎると言われた。
この異世界、子供は働き手で、悪い意味での子供料金があるのだ。
いや、前の世界でも先進国以外では、当たり前だったかもしれないね……。
『カイト~かんこー?』
『うん、もっと外を見て回るよ』
『そと、あそぶ?』
『うん、人目が無い場所で、バックの外に出られるかも」
『『『あそぶ~、外いく~』』』
あ……、メアリーちゃんが期待に満ちた目をしている。
明日に備えて……、
お菓子の生成を多めにしておきましょう。
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