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第九章 ダンジョンを攻略して女神様に会おう2
4、女神のダンジョン地下100階へ☆シナリオ破綻?!
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地下95階の先へ進む。対人戦闘が続くようだが、乱戦状態ではなかった。太陽の紋章を掲げた兵士達が、下へ降りる階段付近を守っている。
頭の切り替えは速やかに出来た。もはや迷いはない。
仕掛けながら動いて、敵を散らして優位になるように戦う。誘導して、テレポートで逃げる。囲まれないように敵の薄い場所を潰して、戦場を移していく。
走りながら敵を投げ飛ばすと、飛んでくる敵を何も出来ないうちにブランカさんや和也くんが切り捨てる。
念話のリンクで、スムーズに連携をつなげて次々と敵を倒していく。
いつの間にかボクのステータス数値は、ブランカさんマリアさんを抜いていた。三匹のステータスがプラスされて、やっとなのだが……。
強さの底が見えなかった二人の強さが感じられる。
地下96階に下りると、遠距離攻撃が解禁されている事を感じた。
どうやら、対人近接戦闘の試験は合格したようだ。
「ぽち、たま、うさ子! 派手にくぞ!」
異常なほどの対魔法結界はないが、ダンジョン90階層の敵は相応に手練れ揃いである。
『『『た~ま~ヤーッ!』』』
コントロールされたサンダーブリットが、空中で絡まって溶け合って突き進む。敵に当たると一撃で、相手を倒した。
「おお~、新技でた~! いつのまに?」
『強くしたかったの~』『頑張ったの~』
『つおい~?』
『うん、強いぞ。頑張ったな、えらいぞ。今度一緒に合体技やろうな』
『『『ラジャ~!』』』
圧縮された雷は、着弾と共に爆発力を持つ。純粋な魔法防御だけでは、防ぎきれずダメージを負わせる。
水の槍が敵を貫き、弓矢が変化して絡みつく。
やはり、遠距離魔法が使えると、攻撃の幅が広がる。
囲まれる心配もなくなった。
念話のリンクによる位置把握も万全で、ブランカさん和也くんが着弾点を奇跡の様に避けて駆けていく。
地下99階の建物に入る。階下へ続く階段を見て、聞いてみる。
「これで、クリアなんですかね」
「いえ、この下で最後の試練がある筈です」
マリアさんの言葉に頷くブランカさん。やはり、この二人は以前に女神のダンジョンをクリアしていたか……。
念話のリンクを強め、お互いを感じながら小休止をする。いよいよ最後の階へ進む。期待と不安。この先に待ち受ける試練に、みんなドキドキしていた。
経験者のブランカさんマリアさんも例外ではない。
「では、いきましょう」
「「「「「「「はい!」」」」」」『『『らじゃ~!』』』
階段を下りていく。女神のダンジョン地下100階、最後の試練が待っている。
いつの間にか、ボクは一人きりになっている事に気が付いた。
光に包まれると、体が回復していく……心の疲労までも消える。奇跡にたぐいする回復だった。
周りには、何もない。
何処までも続く、薄い水色の空。地面は象牙色で凹凸もなく、これも地平線まで続いている。
不意にそいつが現れた。
全体に、薄くシャドーが掛かっている。
「僕が女神のダンジョン最後の試練の相手です。よろしくお願いしますね」
もうひとりの僕が、そう挨拶をして来た。
女神様の作ったボクは、ちょっと違う気がする。
「よろしく、ボクはもう少しくだけてますよ? 特に、自分が相手なら」
「僕に会うなんて、初めての事だからね。緊張してるだけさ」
ニコリと笑う。だけど、その目の奥に不敵さを潜ませていて、とてもボクとは思えない。
「……中身は、違う人だよね?」
「は~っ、感がいいな。バレちゃったか~」
オーバーアクションで、感情たっぷりに嘆いてみせる。これが地だろうか、演技なのだろうか?
「んっ……だが、安心してくれ。
オレは、今現在の山本海斗の能力と動きを完コピしてるから」
「問題なく、自分自身を超えていけ……が出来るわけですね。
ちょっと、ベタじゃないですか?」
「まあ、一応シナリオだからさ。同郷のよしみで付き合ってくれ」
「……えっ、あなたも転移して来たんですか?」
「おぅ。オレの本当の名前は、源 義経って言うんだ。よろしくな」
ビックリした。ビックネームじゃないか。いやいや、同姓同名って事もある。確かめてみよう。
「あの、武蔵坊弁慶さんって、お仲間だったりします?」
「……よく知ってるな。弁慶は、いまブランカって冒険者の相手してるぞ」
そして、気を取り直すように深呼吸して、ボクの姿をしているビックネームが演技を始めた。
「ふっふふふ、勝負に勝った方が、本物の山本海斗になるのです。
貴方には、消えてもらいますよ」
棒読みだった……。え~と、義経さん? ボクがジト目で見ていると。
「……ちゃんと、やらないと拗ねて飯が不味くなるんだよ。仕方ないだろ?
女神さんには、悪気は無いんだろうけどよ」
それもう、手遅れだと思います……。
頭の切り替えは速やかに出来た。もはや迷いはない。
仕掛けながら動いて、敵を散らして優位になるように戦う。誘導して、テレポートで逃げる。囲まれないように敵の薄い場所を潰して、戦場を移していく。
走りながら敵を投げ飛ばすと、飛んでくる敵を何も出来ないうちにブランカさんや和也くんが切り捨てる。
念話のリンクで、スムーズに連携をつなげて次々と敵を倒していく。
いつの間にかボクのステータス数値は、ブランカさんマリアさんを抜いていた。三匹のステータスがプラスされて、やっとなのだが……。
強さの底が見えなかった二人の強さが感じられる。
地下96階に下りると、遠距離攻撃が解禁されている事を感じた。
どうやら、対人近接戦闘の試験は合格したようだ。
「ぽち、たま、うさ子! 派手にくぞ!」
異常なほどの対魔法結界はないが、ダンジョン90階層の敵は相応に手練れ揃いである。
『『『た~ま~ヤーッ!』』』
コントロールされたサンダーブリットが、空中で絡まって溶け合って突き進む。敵に当たると一撃で、相手を倒した。
「おお~、新技でた~! いつのまに?」
『強くしたかったの~』『頑張ったの~』
『つおい~?』
『うん、強いぞ。頑張ったな、えらいぞ。今度一緒に合体技やろうな』
『『『ラジャ~!』』』
圧縮された雷は、着弾と共に爆発力を持つ。純粋な魔法防御だけでは、防ぎきれずダメージを負わせる。
水の槍が敵を貫き、弓矢が変化して絡みつく。
やはり、遠距離魔法が使えると、攻撃の幅が広がる。
囲まれる心配もなくなった。
念話のリンクによる位置把握も万全で、ブランカさん和也くんが着弾点を奇跡の様に避けて駆けていく。
地下99階の建物に入る。階下へ続く階段を見て、聞いてみる。
「これで、クリアなんですかね」
「いえ、この下で最後の試練がある筈です」
マリアさんの言葉に頷くブランカさん。やはり、この二人は以前に女神のダンジョンをクリアしていたか……。
念話のリンクを強め、お互いを感じながら小休止をする。いよいよ最後の階へ進む。期待と不安。この先に待ち受ける試練に、みんなドキドキしていた。
経験者のブランカさんマリアさんも例外ではない。
「では、いきましょう」
「「「「「「「はい!」」」」」」『『『らじゃ~!』』』
階段を下りていく。女神のダンジョン地下100階、最後の試練が待っている。
いつの間にか、ボクは一人きりになっている事に気が付いた。
光に包まれると、体が回復していく……心の疲労までも消える。奇跡にたぐいする回復だった。
周りには、何もない。
何処までも続く、薄い水色の空。地面は象牙色で凹凸もなく、これも地平線まで続いている。
不意にそいつが現れた。
全体に、薄くシャドーが掛かっている。
「僕が女神のダンジョン最後の試練の相手です。よろしくお願いしますね」
もうひとりの僕が、そう挨拶をして来た。
女神様の作ったボクは、ちょっと違う気がする。
「よろしく、ボクはもう少しくだけてますよ? 特に、自分が相手なら」
「僕に会うなんて、初めての事だからね。緊張してるだけさ」
ニコリと笑う。だけど、その目の奥に不敵さを潜ませていて、とてもボクとは思えない。
「……中身は、違う人だよね?」
「は~っ、感がいいな。バレちゃったか~」
オーバーアクションで、感情たっぷりに嘆いてみせる。これが地だろうか、演技なのだろうか?
「んっ……だが、安心してくれ。
オレは、今現在の山本海斗の能力と動きを完コピしてるから」
「問題なく、自分自身を超えていけ……が出来るわけですね。
ちょっと、ベタじゃないですか?」
「まあ、一応シナリオだからさ。同郷のよしみで付き合ってくれ」
「……えっ、あなたも転移して来たんですか?」
「おぅ。オレの本当の名前は、源 義経って言うんだ。よろしくな」
ビックリした。ビックネームじゃないか。いやいや、同姓同名って事もある。確かめてみよう。
「あの、武蔵坊弁慶さんって、お仲間だったりします?」
「……よく知ってるな。弁慶は、いまブランカって冒険者の相手してるぞ」
そして、気を取り直すように深呼吸して、ボクの姿をしているビックネームが演技を始めた。
「ふっふふふ、勝負に勝った方が、本物の山本海斗になるのです。
貴方には、消えてもらいますよ」
棒読みだった……。え~と、義経さん? ボクがジト目で見ていると。
「……ちゃんと、やらないと拗ねて飯が不味くなるんだよ。仕方ないだろ?
女神さんには、悪気は無いんだろうけどよ」
それもう、手遅れだと思います……。
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