人間は敵ですか?うさぎ転生 

亜々流

文字の大きさ
7 / 15
第一章 ウサギは強くなれるのか?

7、うさぎゲリラは復讐のために冒険者を追いかけます そして冒険者の事情

しおりを挟む
 数時間わたり嗅覚と体に強化をかけ、全力で走り続ける。と、暗闇の中で足がもつれて、転がっていた。
 そのまま、草と土の臭いに包まれ、荒い息を少しずつ整えていく……。

 バカか、オレは。このまま闇雲に、人間に追いついていたら、何も出来ずに死んでいた。
 アイテムボックスから、お土産になるはずだった果物を出す。かじり付くと、すっぱくて涙が出た。
 甘く熟した○○○が、今のオレにはとてもすっぱかった。

 少し休みを取ると、完全に体力を回復するためにビバークする場所を探す。

 目を覚ましたオレは怒りに燃えながら、冷めていた。嗅覚と聴覚を強化して、気付かれる事がないよう、静かに人間の痕跡を追い始めた。

 夜明け近く、闇の中を進む。空が薄明かりに包まれる頃、野営している人間の物音を、聴覚に捉えた。
 偽装+隠行で赤目の有効範囲に入り、敵のステータスを確認する。


名前 ブラッド ランス 種族 人間 26歳 Lv39
HP 308 MP 176
攻撃力 79
防御力 75
魔法力 72
魔防力 70
スキル 槍術Lv8 剣術Lv5 体術Lv5 投擲術Lv5 
魔法 身体強化魔法Lv17 
欄外 アイリス神の加護:武術の才能 


名前 ブルース グランド 種族 人間 24歳 Lv33
HP 246 MP 158
攻撃力 72
防御力 71
魔法力 67
魔防力 66
スキル 剣術Lv8 体術Lv7 投擲術Lv3
魔法 身体強化魔法Lv16 
欄外 アイリス神の加護:武術の才能


名前 ニック ブリーチ 種族 人間 25歳 Lv36
HP 286 MP 161
攻撃力 76
防御力 72
魔法力 66
魔防力 64
スキル 斧術Lv8 槍術Lv5 体術Lv3
魔法 身体強化魔法Lv16 
欄外 アイリス神の加護:武術の才能


名前 ニコル フラン 種族 人間 22歳 Lv29
HP 206 MP 288
攻撃力 57
防御力 55
魔法力 78
魔防力 74
スキル 杖術Lv2   
魔法 身体強化魔法Lv16 治癒魔法Lv8 水魔法Lv8 火魔法Lv9
欄外 アイリス神の加護:魔術の才能


 やはり、人間は強い。これに武器の補正がかかる。
 それでも1対1なら、勝てると思う。しかし、連携されたら負けるだろう。出来れば1人ずつ相手にしたいが、簡単に釣られてくれるとは思えない。

 気になるのが、アイリス神の加護の武術の才能と魔術の才能。

武術の才能:武術スキルが覚えやすくなる。戦闘に恩恵。
魔術の才能:魔法スキルが覚えやすくなる。魔法に恩恵。

 うん、前から思っていたが、説明が大雑把だ。剣術とかも「剣による戦いが上手くなる」と、あっただけ……。
 説明無くても良いんじゃないか、とも思う。……見るけど。

 数値や説明に無い部分が怖い。オレの場合、隠行に「存在を隠す」としかない。
 しかし、見破られれば分かるし、感覚を研ぎ澄ませば、隠行が通じなくなる距離を、なんとく感じ取れる。

 スキルで、戦いが上手い。加護で、戦闘に恩恵がある相手に。偽装+隠行は、どこまで通じるだろうか?
 接近しての不意打ちが通じるのなら、簡単なのだが……?

 近づいていくと、首筋がチリチリとする……。約6メートル。

 距離を取り直し、様子を見る事にする。

 
◇===◇

 夜が明け半時ほど経つと、ニックは鍋を火にかけ朝食の準備を始める。すぐに、仲間が起き出して来る。

「ニックさん、おはよう~」「う~ん、いい匂い」「はらへった~」

「おう、またウサギ肉だけどな」

「ちょっと、あきたっすね」そう言って、ニコルがすわりこむ。

「まあ、腹いっぱい食えるだけ、マシってもんさ」

 ブラッドがそう言うと、皆うなずきながら食事を始めた。
 4人は、同じ村の出身だった。ブラッドのパーティが解散したとき、冒険者支援学校を出たばかりだったブルースとニックが頼ってきた。
 その数年後、同村のよしみでニコルが入った。

 田舎の村で、親戚みたいな物。結束の固い、仲の良いパーティとして知られている。

「……鍛冶屋の息子。5歳の洗礼で、加護持ちだったって」

「マークの?」「うん」「で、どんなん?」

「う~ん、そこまで聞いてない」「加護って云っても、色々だからね」

「アイリス神の七色の加護ってね」「……加護の強さもね」

「…………」 

「自分が加護持ちだって分かったときは、うれしかったよね。もう、未来は薔薇色だって……」 

「化け物ぞろいだったな……。上には上がいる。思い知らされたよ」

「うん、英雄には、なれない」「ふっははは」「ムリ、ムリムリッ……」

 食べ終わると、後片付けをしていく。ニコルが水魔法で洗うと、ブルースがまとめてアイテムボックスに放り込んでいく。
 
「今日もウサギ狩り?」ニコルが聞く。

「いや、時間が無い。緊急依頼のウサギの角は、十分に集まっている」

「帰るの? 虹色角のウサギは? あきらめるの?」

「んな訳あるか! だが、ウサギ角は、インフル流行熱の特効薬の材料らしい」

「う~ん…」

「緊急依頼の期日を遅らせる訳には、行かないか……」

「く~、一億ゴールド!」

「すぐ、戻ってくるぞ」

「ああ……。この辺りに、住処があるのは、間違いないからね」

「おーっ」

 ふつう虹色角が手に入るなら、緊急依頼の期限を多少オーバーしてのペナルティを選択しただろう。今回の依頼料が、ゼロになってもよい。……それほどの獲物だった。

 だが、インフル流行熱と聞くと、みんな依頼を優先する事に賛成した。
 医者もいない田舎の村、流行熱で死んだ知り合いは多い。家族や親戚を探せば、何人かいるだろう。


 評判の良いパーティだった……。

 

◇===◇

 草むらに潜んで、オレは聞いていた。
 虹色の角……? オレも家族も角は白かった筈だが……。一億ゴールド?

 このままでは、逃げられる。

 もう1度、ここに来るつもりのようだが……。どうする。

 やってみる。

 やってみせる。

 集中するとイメージする、虹色を……。

 角の色が虹色に変わり、オレは人間の欲望にかける事にした。

しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

前世は厳しい家族とお茶を極めたから、今世は優しい家族とお茶魔法極めます

初昔 茶ノ介
ファンタジー
 代々続くお茶の名家、香坂家。そこに生まれ、小さな時から名家にふさわしくなるように厳しく指導を受けてきた香坂千景。  常にお茶のことを優先し、名家に恥じぬ実力を身につけた彼女は齢六十で人間国宝とまで言われる茶人となった。  しかし、身体は病魔に侵され、家族もおらず、また家の定める人にしか茶を入れてはならない生活に嫌気がさしていた。  そして、ある要人を持て成す席で、病状が悪化し命を落としてしまう。  そのまま消えるのかと思った千景は、目が覚めた時、自分の小さくなった手や見たことのない部屋、見たことのない人たちに囲まれて驚きを隠せなかった。  そこで周りの人達から公爵家の次女リーリフィアと呼ばれて……。  これは、前世で名家として厳しく指導を受けお茶を極めた千景が、異世界で公爵家次女リーリフィアとしてお茶魔法を極め優しい家族と幸せになるお話……。   ーーーーーーーー  のんびりと書いていきます。  よかったら楽しんでいただけると嬉しいです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...