とうめいな恋

春野 あかね

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4、友だちになろう

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   甘い、焦げたような、奇妙なにおいがする。外にはさっきまでの大雨が嘘のような、目が眩むほどの太陽が輝いていた。
 教室では、あと少しで昼休みに入るからか、みんなだらりとして授業を聞く人はほとんどいない。ただ、壊れかけた扇風機のブーンという音と、国語の先生のぼそぼそとした声だけが聞こえてくる。
「じゃあ、まるつけするから。近くの人とプリント交換して」
 先生の指示に何人かが反応して、まるつけてよ、と近くの寝ている人を起こす。それがどんどん続いていく。その光景は、なんだか見えない何かにみんなが連鎖的に反応してみるみたいで、気持ち悪い。
 僕は窓際に目をやった。
 四月からずっと、僕は森沢さんのことを目で追うようになった。窓の外を見るふりをして、彼女を見る。夏の日差しの中、森沢さんは透き通るように儚げに見えた。窓から入ってきた風が彼女の髪を揺らせば、僕は爽やかな風を感じた。
 日の光が反射して、彼女の白い五枚花弁の花の髪留めが光る。光が僕の目に吸い込まれた。
「まるつけ終わったぞ」
 隣の席の、龍人が、いつのまにか僕の解答のまるつけをしていた。うわの空で返事をすると、
「おまえ、大丈夫か」
 龍人は心配そうにこちらを見つめてきた。
「部活、まだきついか?」
 バスケ部には、もう、四月から顔を出していない。顧問には病気のことは伝えたが、体力が落ちて眠りが深くなるという説明しにくい病気のため、部員には何も言えないままでいた。
「うん、きついかな」
 申し訳なさでいっぱいだったが、龍人は、
「またバスケしような」
と笑って言ってくれた。
 その笑顔にほっとして、ふと窓際を見ると、森沢さんは、動かないままだった。まるつけを誰かに頼もうともしない。……頼んでも、おそらく言葉は返ってこないだろう。

 季節は巡り、七月になった。僕は、まだ生きている。眠いとかいう体のだるさは感じているが、それ以外のことは感じていない。
 森沢さんは、このクラスでもとうめい人間になっていた。ここにいる人たちはみんな、彼女を無いものとして扱う。
 四月はただ、一部の女子からの無視だけだった。でも今は、クラス全員から無視をされている。何があったのか、どうしてそんなことになったのか、そんな理由、僕は知らない。たぶん、森沢さんと同じ中学の人たちが何か言ったのだろう。
   だが、当の本人はそんなのおかまいなしに、学校生活を送っている。真面目に授業を受けて、昼休みになるとどこかへ行って食事を済ませ、帰りも一人で帰る。寂しいとか、無視しないでとか、そんな仕草は一切見せないし、感じられなかった。わざと物を落とされたり、上履きなどの持ち物を隠されることもあったらしいが、森沢さんは全く気にしない。何があっても、何をされても、学校に来た。彼女がいじめられていることを、先生はもちろん、気づいてる。でも、先生は何もしなかった。その顔はどこか、この子がいじめを気にするタイプじゃなくてよかった、という安堵の表情が浮かんでいるように見える。
   そんなことが続いて、いま、七月になった頃には、森沢さんがクラス全員から無視されているのか、逆に無視しているのか、よくわからない状態になっていた。
 と言っても、いじめはいじめだから、見ていていいものではない。でも、僕はそんなことをする人たちに流されることもなければ「とうめい人間」を抱きしめることもしなかった。
 別に僕がいじめられるのが、怖いわけじゃない。それだけは、違う。でも、もうすぐ僕は死ぬんだ。宣告を受けたのが四月だから、もうそろそろ体に異変が起きるのだろう。そんないついなくなるかわからないのに、迂闊に人に関わるのはいけない気がした。僕が死んでも、時間は流れ続ける。きっと関わりを持ってしまえば、誰かを苦しめることになるんだ。だから、たとえそのいじめに心が痛んでも、僕は関わらない。そう決めていた。

 森沢さんは結局、まるつけをすることができないまま授業の終わりを迎えた。
 チャイムが鳴って授業が終わると、すっと立ち上がり、背筋をしゃんと伸ばして、彼女は何を悲しむわけでもなく、怒るわけでもなく、淡々と隣の男子に言った。
「まる、つけてくれない?」
 そっとプリントを渡す。解答欄はすべて埋め尽くされていた。ここからでは遠すぎて、何が書かれているかは、はっきりと分からない。でもそれらはきっと、真面目に出した答えだろう。授業中、居眠りせずにいつも先生の話を聞いていたから。
 隣の男子は、何も言わない。知らん顔で、昼飯なのか、サンドウィッチを頬張っていた。ほかの女子が来て彼に話しかける。彼は嬉しそうに笑いながら、女子と話し始めた。
 女好き。気持ち悪いな。
 そう僕が心の中でつぶやいたとき。
「女好き。女みてえ、キモチワル」
 森沢さんの声は、驚くほど鋭い響きを持って、教室は響いた。クラスの音が消える。女子のひそひそ声、男子の馬鹿笑い。お弁当を食べる音、鉛筆で何かを書く音、そんな煩雑な音が消えて、ただ森沢さんの声だけが聞こえた。
 そのとき、いままで薄い膜で隔てられていた僕の世界が、急速に色づき始めた。窓にさす光のみずみずしさに目を細める。薄い膜は、もう僕とこの世界を隔てることはしなかった。それほど、僕の心は森沢さんの声に動かされた。
 森沢さんは、じっとその男子を見つめている。失言したとか、そんなことは微塵にも思っていないようだ。
 男子の顔は固まり、周りの女子はものすごい顔で彼女を睨んでいる。それが、とてもおかしくて、あほらしく見えた。
「もういいよ。わたし、先生に聞いてくるから」
 はあ、面倒くさ。そうつぶやいて彼女はくるりと背を向ける。
 音が戻ってきた。彼女が口を閉じてしまうと、僕の見ている教室は、元の色のない世界に戻っていた。
 教室の音が、ぐにゃりと歪んで徐々に大きくなる。固まっていた男子の顔は、ぞっとするほどの笑顔になっていた。口元を歪ませ、ちらりと周りの女子たちを見る。嬉しそうに女子たちは笑い、そのうちの一人がキモチワル、と言われた男子の耳元で何かを囁いた。
   女子から何かを言われたそいつは、ニタリと笑って、森沢さんに声をかけた。
「ねえ、瑞穂。ごめんな?」
 やわらかい声なのに、僕はその声がねっとりとした何かが潜んでいるのに気付いた。
 あの男子が森沢さんに近づく。
 僕の中で、忘れていた何かが少しずつ大きくなっていく気がした。
「下の名前で呼ばないで、気持ち悪い」
 森沢さんは振り返らずにぴしゃりといった。二人は廊下へ出て見えなくなった。胸騒ぎがする。あいつの、あの男子の笑みを思い出す。その目は、黒く濁った何かが渦巻いており、それがなんなのか僕には分からないが、ひどく恐ろしいものに見えた。
   じっと二人が消えて行った廊下を見つめていると、きいきいと頭の痛むような高い声で、
「みんな、あいつ、とうめい人間だから。仲良くしたら、分かってるよね」
 さっきの男子の耳元で囁いていた女子がそう言った。背の高い、鼻の高い女子だった。でも黒い塊のような光を吸い込まない瞳が、彼女の心の中の汚さを教えてくれた。
 女子はもちろん、男子もこくこくとその言葉に頷く。本当に気持ち悪い。この教室の、空気が嫌いだ。一人の女王さまに従う、この空気が。ここに流れる空気を吸うと、僕は体の奥まで腐っていく感覚がした。
 教室のざわめきが再びいつものようになった頃、僕は教室から出た。廊下を走りながらふと、屋上へ行こう。そう思った。あそこなら、きっと爽やかな風が吹いて、僕の中に溜まった汚い空気を浄化してくれる。
 廊下の隅の階段までたどり着いた。ここは廊下の一番奥で、周りは倉庫になっている教室ばかりだ。だから人はめったに来ない。ほっと身体の力が抜けた。
 薄暗い屋上へと続く階段を駆け上り、ドアノブを回す。ふわっと風が吹いた。青葉の香りのする風だ。
 しゃあしゃあとうるさいセミの声に苦笑しながら、目を閉じた。そうすると、さっきまでの気持ち悪さが嘘のように無くなった。
 ぐっと伸びをして目を開けると、小さく僕は声を上げた。
 先客がいた。
 コンクリートに寝転がり、手を太陽にかざす森沢さんの姿があった。
 また、忘れていた何かがゆっくりと起き上がるような感覚がした。心臓が嫌なほど高鳴る。頬は高揚し始め、汗が出てきた。
 人に関わらない。それを僕はもう、忘れていた。
 僕には明るい日の下で、寝ころぶ君の姿しか見えなかったんだ。
「ねえ」
 初めて口を聞こうとした。君は、答えない。目も合わせてくれない。ごろんと寝返りをして、僕に背を向ける。髪が彼女の顔を隠してしまう。
「森沢さん」
 初めて呼んだ君の名は、思っていたよりずっと、軽やかに僕の口から滑り出た。名前を呼ぶだけで、とくり、心臓がはねる。
 固まっていた僕の心の奥に、熱い風呂に入ったときのようなじんわりとした温もりが、痛みを伴って広がる。
 怖いくらいの青空に真っ白な雲が流れていく。時間が流れるのが、この場所だけ、ゆっくりのような気がした。
「ふふっ」
 ふいに、彼女の肩が震えだした。くつくつと体が震え、どうしたのかと手を伸ばすと、彼女はぱっとこちらを見た。
 その瞳は、涙がにじんでいて潤んでいた。おかしそうに整った顔をゆがめ、ちょっと照れたように、上目づかいにこちらを見つめている。さっきの男子に向けていた顔が、嘘のように可愛らしい顔だ。いつも、そうやって笑えばいいのに。
「わたしは、とうめい人間でーす。とうめい人間に言葉は通じませーん」
 熱いのか、白い頬は紅くて、りんごのようだった。
 そして自分をとうめい人間と揶揄する森沢さんに僕は哀しみと愛おしさを覚えた。森沢さんはふざけたように言った。
「あなた、わたしが見えるの?」
 僕は頷く。見えるよ、よく見える。僕の世界で君だけが色を持っていたんだ。でも、その気持ちは胸の奥に隠しておいた。
 寝転んで腕を頭の後ろに組みながら、すごいねーと、馬鹿にするように彼女は笑う。
「起こして。見えるんでしょ」
 きらめく瞳は不安そうにゆらゆら揺れた。手を握り引っ張ると、その手は僕の手にすっぽり収まるほど小さく、体は驚くほど軽かった。
 起こしてもらった森沢さんは礼を言うわけでも文句を言うわけでもなく、じっとこちらを見ていた。
 気づいたら言葉が滑り落ちていた。
「ちゃんと、見えてる。手も握れた」
 驚いたように森沢さんは肩を震わした。
 日差しの下、コンクリートには僕と君、二人の影がある。それ以外、この屋上には何もない。それが、僕の頭をぼうっとさせた。
「言葉通じないならさ、何言っても、いいよね」
 ちょっとこの日は暑すぎて、青空のもとの君の姿が眩しくて。今にも泣きそうな、潤んだ瞳とその不安気な君の姿が、愛おしくて。
 あの日から、すっかり冷たくなった僕の心に、君は花びらみたいに舞い込んだんだ。
「僕と、友だちになってくれませんか」
 もう、笑っちゃうくらいに、花びらは僕の世界を乱した。
 決めたはずだった思いとは裏腹に、僕の心はこんなにも、君への思いでいっぱいだった。
「ふーん」
 ふふっと笑う。ぞっとするほど冷たい笑みを森沢さんは浮かべた。
「誰に言われたの? クラスの人?」
 首を傾げて、森沢さんが聞いた。僕は首を振った。
「言われてない。僕、そういうこと、興味ないから」
 おそらく森沢さんは、クラスの誰かに言われて僕が話しかけたと思っていたのだろう。
「ふうん」
 大きく森沢さんが頷いたそのとき、首元に引っかかれたような跡が見えた。赤い線がピッと入っている。彼女は僕の訝しげな視線に気づいたのか、少し笑いながら言った。
「階段から落ちたんだよね。ごろごろって。痛かった」
「階段でこんな傷できるの? 自分で落ちたの?」
 楽しそうに笑う森沢さんに僕は訊きかえす。でも、本当は聞きたくない。怖くて聞きたくない。自分で落ちたと言ってほしい。
「うん」
 森沢さんが哀しげに笑う。でもそれは一瞬のことだった。森沢さんは再びふざけた調子で言った。
「とうめい人間に、友だちなんていませーん。とうめい人間って知ってる? みえないんだよ」
 どうしてそんなことを言うんだろう。君はこんなに綺麗なのに。とうめいなんかじゃないのに。どうしたら、僕のこの言葉を受け取ってくれるのだろう。
 何も言えずにいる僕を、勝ち誇ったように笑う森沢さんは、泣いているように見えた。
 だから、僕は言った。
「友だちが、ほしい。僕もとうめいだから」
 正確にはとうめいになる、だけど。
 さすがにこれには森沢さんも目を丸くした。
「瑞穂、森沢瑞穂さん」
 僕の震える心はまっすぐに、不器用に声を上げる。
 セミの声も、風の香りも、焼けるような夏の暑さも、すべて遠ざかる。
「僕と友だちになって」
「……意味わかんない。ばかなの?」
 森沢さんは再び寝転ぶと、こちらに背を向けてしまう。僕も隣に寝転んだ。コンクリートの冷たさが、背中に広がって気持ちいい。
「あの空に、吸い込まれて、溶けちゃいたい。空、綺麗すぎるんだもん」
 森沢さんは囁くようにそう言った。僕は何も言わなかった。ただその彼女の気持ちに寄り添いたかった。
「もう、見えなくなるよ、わたし。あんたにも、みんなにも」
 森沢さんは声の震えを隠すように、少し声量を上げたようだった。
 そんなことを言う森沢さんを、抱きしめたいと思った。暑さのせいではなく、僕はずっと前から、彼女に惹かれていた。気づかないふりをしていただけだった。
 森沢さんは、顔を傾けて僕を見つめながらきっぱりと言った。
「もう、わたしは消えてなくなるから。あんたとは友だちになれない」
 風が吹いて、森沢さんの香りが鼻をくすぐる。五感で彼女をかんじられるほど、近くにいるのに、森沢さんの心に触れればシャボン玉のように弾けて、消えてしまいそうだ。
「僕もだよ。僕ももうすぐいなくなる」
 森沢さんの答えに、僕は答えた。青い、目の覚めるような鮮やかな空を見つめながら。そうしないと声が震えてしまうんだ。僕は続けた。
「言ったじゃん。僕もとうめい人間だって」
 だって死んじゃうんだから。
「一週間だけ。友だちになってくれないか?」
 僕がとうめいになる、それはまだ秘密のままで。あと一週間で、あの余命宣告の日から三か月になる。
 最期のとき、僕は誰かへの思いを感じていたいと思ったのかもしれない。森沢さんは少し眉をひそめてこちらを見ていた。この人、おかしなこと言ってる、そう思ったのかもしれない。でも、
「いいよ、一週間だけね」
 面倒くさそうに、森沢さんは言った。
「でも、教室じゃ話さないから」
 寂しそうに笑って、森沢さん続ける。
「あながち、嘘じゃないんだよ。わたし、本当に存在してないもん。……昼になったら、ここにきて。いつでもいるから」
 森沢さんはすっと起き上がると、こちらを覗き込むようにして座った。
「名前、なんていうの?」
 黒い髪が風に吹かれてベールのように揺れる。シャンプーの香りがした。
「青木爽太」
 ふうん、青木爽太か、森沢さんは、何度も僕の名前をつぶやくと嬉しそうに笑った。
「いい名前だね。よろしく、青木」
 明るい日のもとで微笑む彼女は楽しそうで哀しそうで、何より綺麗だった。
 友だちになって一日目。僕たちは初めて言葉を交わした。
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