優しい鎮魂

天汐香弓

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落ち続ける男

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「そう言えばいつから幽霊が見えるようになったんだ?」
街中の道を車を走らせながら秋月さんが問いかけてきた。山を超えると突然都会になった。そんな感じだ。
「気づいたら見えてたよ。で親になんであそこに首のない人がいるの?って聞いたら、気持ち悪いって殴られて……それで、ああ、言っちゃダメなんだって。喋れるって気づいたのは、秋月さんの隣に住んでからだけど」
「生まれ持った力、って奴か」
ふぅんと頷きながらハンドルを握る秋月さんがそう言った。
「それにしてもここ、アツイ、クルシイって言ってる人が多いね」
車の中にまで響いてくる声に肩を竦めると、「ああ」と秋月さんが頷いた。
「このあたりは戦争の時、空襲で人が大勢亡くなったからな」
空襲という言葉は高校の授業で習った。
でも詳しいことは知らないからスマートフォンを開いて検索した。
「空襲ってウィキペディア見たけどよく意味が分かんないな」
「うーん、俺も学生ん時調べただけだから詳しくないが、ガソリンと爆弾をミックスしたものを落とすと激しく燃えるらしい。当時、木で出来た家が多かったからあっと言う間に燃えたらしい」
「秋月さんって、色んなこと知ってるよね」
「まあ、テレビで見たり、本を読んだりするからな」
そう言って秋月さんが苦笑する。
「テレビは高校の友達が見せてくれたのしか知らないから、夏の補習の時に見たオリンピックの野球の決勝ぐらいなんだよね……」
ヘヘっと笑ってそう言うと、秋月さんが肩を竦めた。
「まあ、テレビがいいものかどうか、ってのは議論の余地があるからな」
「秋月さんは色んなことを知ってるのに、どうして弁護士になったの?」
そう言えば俺のことはいっぱい秋月さんに知ってもらったのに、秋月さんのことは知らないな。って思った。
「んー、最初は裁判官になりたかったんだ。殺人事件とかあると、なんでこんな罪が軽いんだろうって。俺が犯人を懲らしめてやるって」
正義感が強いのはずっとだったらしい。理由も秋月さんらしくて口元が綻ぶ。
「司法試験に受かると、裁判官、検察官、弁護士の仕事をそれぞれ経験するんだ。その時にたまたま担当してくれた弁護士がすごい人で」
懐かしむように秋月さんが目を細める。
「些細なことでも話を聞いてやるんだ。普通弁護士は相談を受ける時は相談料取るんだけど、先生はそう云うの後回しでさ」
「それじゃ儲からないんじゃ」
驚いてそう言うと、秋月さんが笑いながら頷いた。
「ははっ、だろ?でも先生の姿を見た時に、裁判官になったとして、法律は裁けることに限界があるから、不完全燃焼しそうだし、弁護士なら自分が切り詰めれば、なんとか人の役に立てるんじゃってさ」
「思っちゃったんだ」
「まあ。だからお前を助けたわけだし、今もおせっかい焼いてるし」
笑いながらそう言う秋月さんが、眩しい。
俺に対する優しさや思いやりは、この人の持って生まれたもので、秋月さんだからこうして弱い立場の霊にも寄り添ってくれるのだろうと思った。
「俺は秋月さんがいるから、一郎さんの養子になろうって決心ついたし、今もここまで旅が出来るのも秋月さんが隣にいてくれるからだと思う。ありがとう、秋月さん」
「俺とお前は腐れ縁だろ?」
「はい」
そう言って頷くと「ヨシ」と秋月さんが呟いた。

旅に出る前に、大野投手に目的と暫く帰れないことを告げていた。
そうしたら球場の近くを通る時教えて欲しいと言われていたから、昨日連絡をして、今日の昼、秋月さんと一緒に球場を訪問した。
「こんにちは」
「不破君、久しぶり」
「はじめまして。不破君の友人の秋月です」
「はじめまして」
握手をしていると、大野投手の後ろから顔色の悪い男性が現れた。
「大野君、弁護士がいるなんて聞いてないよ……」
「それで、話って」
俺が大野投手を見ると隣の男の人が食堂へ案内してくれた」
男の人がコーヒーを運んで来てくれ、座ると話を始めた。
「実は少し前から系列ホテルの方で幽霊が出ると噂に……」
「もしかして自殺のあった、あのホテルか?」
秋月さんの問いに男の人は渋々という顔で頷いた。
「ええ」
「自殺?そんなのがあったの?」
「ああ、ホテル勤務の三十代の男がホテル屋上から飛び降りた事件だ。それで、実際幽霊が出るのか?」
秋月さんが俺にそう説明しがてら、相手に問いかけると、男の人がうなずいた。
「お客様や従業員から話がありまして……」
「とにかくそのホテルに行ってみましょう」
俺がそう提案すると、男の人が俺たちを案内してくれることになった。
球場から少し離れたホテルに到着した。
到着したと同時に上から男の人の霊が落ちてきた。
「うわ、痛そう。大丈夫ですか」
慌てて俺が駆け寄ると、血塗れで頭が割れている男が驚いたように顔をあげた。
『お、俺が見えるのか!頼む!助けてくれ!気づいたら落ちてるんです!』
俺にしがみついてきた霊に手を伸ばし肩を掴むと消えかけていた男の体が元に戻った。
「繰り返し落ちてるって……どうしてホテルから落ちたの?」
『部長に……麻生部長に突き落とされたんです!』
「突き落とされたって……」
「おい、それ聞き捨てならない言葉だな」
俺の後ろにいた秋月さんが、腕を組んでこちらを見ていた。
「突き落とされたって、どういう……」
一緒に来ていた大野投手も困惑した顔をしていて、俺は男を見た。
「おじさん、名前を聞いていい?」
「あ、ああ……柏田雄吾だ」
「カシワダさん、ね。なんでアソウさんに突き落とされたの?」
「あ、麻生ですか!ちょ、ちょっとここでは……すみません、部屋を準備しますので、そこでお話しできませんか?」
大野投手の連れてきた男の人が慌てて俺に声をかけたから、俺は首を横に振った。
「ここを動いたら、この人また落ちた場所に行っちゃうと思うよ。今は俺がここに繋ぎとめておけるけど……」
もしかしたら、動けるかもしれない。だけど、なんだか移動している間にいろんなことを言ってうやむやにされるような気がした。
秋月さんをみると頷いてくれたので、そのままカシワダさんと話すことにした。
「カシワダさん、俺に全部話して。聞くことしか出来ないけど」
『は、はい……、実は麻生部長が毎月宿泊される、とある会社の社長夫人と逢引するために、シフトを替わるよう言われてたんです』
「毎月泊まる社長夫人との逢引の手伝いって、秋月さんどういう意味?」
「あーそれはな、結婚してるのに、自分の嫁さん以外と付き合うことで、倫理的にアウトってヤツだな」
聞いても意味が分からなかったけど、悪いことをしたんだなと分かったから、カシワダさんを見た。
「シフトを替わったりして、それから何かあったの?」
『シフトを替わった日、他のお客様からの電話を逢引のために放置し、クレームになったんです。それを、出勤していないのに書き換えていない私のシフトを盾に無断欠勤と職場放棄として処分したのです。それで私は、麻生部長の相手のご主人である社長にお話をしました……そのことであちらの社長が動いてくださり、私の無実は証明されましたが……』
「アソウさんに恨まれたんだ」
『はい……』
「おい、なんて?」
秋月さんにせかされて、カシワダさんの言ったことを伝えると、秋月さんが難しい顔をした。
「すまないが、突き落とされた時の状況を教えてくれないか?」
「はい。カシワダさん」
『はい。そちらの方の声は聞こえますので……麻生部長に処分が下りて、麻生部長も離婚の話が出たそうです。お相手はこのホテルの社長の娘さんだったこともあり、それはそれは恨まれました。そして、屋上に呼び出されて、死んで詫びろって……突き落とされたことまでは覚えているんですが、気づいたら、落ちてもまた屋上に戻って落ちてを繰り返しているんです……』
「アソウさんて人が処分されて、ホテルの社長の娘さんとも離婚して、それで恨まれて、死んで詫びろって言われて突き落とされたところで記憶が途切れて、落ちて、屋上に連れ戻されてまた落ちてを繰り返しているみたい」
秋月さんにカシワダさんの言葉を伝えると、秋月さんが唸った。
「ちょっと俺、向こうで話してくるから、お前そいつをどうにかしてやれ」
そう言って秋月さんが男の人のほうへと向かったのを見送って、俺はカシワダさんの方に振り替えった。
「う、うん……ね、カシワダさん。落ちた時痛いとか感じる?」
『そう言われれば……』
「カシワダさん、自分が死んだって分かる?」
『えっ、俺が死……』
「うん……。俺はニュースを見てないけど、さっきの弁護士さんが覚えてたから、そうだと思う」
『はは……そうなんだ。ね、俺の姿って君しか見えてないんだよね?』
「うん。でも、アソウさんに復讐するのはダメだよ。多分カシワダさんは俺が手を離したらまた屋上から落ちるよ」
『そ、そんな……じゃあ、俺はどうしたら……』
「カシワダさんは、気持ちを落ち着けることが大事なんだよ」
『気持ちって……私にはまだ小さな子どもがいて……』
「子ども……それは会いたいね……」
『なあ、せめて子どもに合わせてくれ!』
カシワダさんが俺にしがみつく。
「うん、ちょっと待って。秋月さーん!」
うしろを振り返り秋月さんを呼ぶと、片手をあげて戻ってきた。
「カシワダさん、子どもに会いたいって……カシワダさんが突然いなくなって家族の人も困ってると思うんだ」
「なるほどな……正しいことをしたのに、理不尽な目にあっているのは見過ごせないな。ちょっと待ってろ。もう少し話をしてくるから。そのあとで連れえて行ってやるよ」
秋月さんがそう言ってまた戻っていく。
「秋月さん、困ってる人を放っておけない人だから、多分大丈夫だと思うよ。俺も秋月さんに助けられているから、安心して」
そう言って笑顔を向けると、カシワダさんがホッとした顔をした。
「ね、俺さ、親や兄と一緒にご飯食べたことないし、毎日みんなが寝た後にカップラーメン探してそれを食べてたから、子どもに会いたいって言うカシワダさんの気持ちがよく分からないんだけど、カシワダさんってどんな家なの?」
『えっ?そんな親いるの?子どもってどんなものより可愛いよ。今は五歳と七歳だけど、幼稚園の制服姿も可愛いし、毎日学校に着ていくものを選んで悩むのも可愛いし、本当に何をしても可愛いよ』
「そうなんだ。子どもさんは幸せだね……」
なんか理解がうまく出来なくて、違和感というか、ザラザラした感じが逆にしてしまった。
地面に胡坐をかき、カシワダさんと手を繋ぎながらそんな話をしていると、「あ、パパ」と女の子の声が聞こえた。
姫来良きららるな!』
るな!どこに行くの!」
小さな女の子の方がお母さんらしい女性の手を振りほどくと、こちらに走ってきた。
るな!会いたかった……』
だけどカシワダさんの手はすり抜けてしまう。
「パパ、お空に行ったんじゃなかったんだ」
『ああ、るな姫来良きららに会ったらお空にいくよ』
ぽろぽろと泣き出したカシワダさんに、俺はそっと背中を撫でた。
「カシワダさん……なんか、娘さんの顔見たら、すごく好かれてるんだなって分かりました」
「あの、主人はそこにいるんですか?」
不意に声をかけられて振り返ると、女の子の手を引いた女性がいた。
『友恵!』
「トモエさんですか?ここにカシワダさんいます。自分が死んだことを知らなくて、ずっとこの建物で落ち続けていたんです」
「まあ……そんな……」
ハンカチを取り出し目頭を押さえたトモエさんにキララちゃんがぎゅっとお母さんにしがみついた。
「キララちゃんだよね。お父さんがね、会いたかったって」
「うん」
『友恵、ごめん……苦労かけるけど、子どもたちをよろしく……』
「トモエさん。苦労かけるけど子どもをよろしくって、そう言ってます」
トモエさんにそう言うと、トモエさんがうなずいた。
「ああ、奥さんですね。私、こちらにいる嘆受神社の跡取りの不破君の知人で弁護士の秋月と言います」
近づいてきた秋月さんが、名刺を差し出した。
「弁護士さん、まあ……」
秋月さんの後ろにはこのホテルに連れてきた男の人と大野投手がいた。
「実はご主人、上司の不正を告発し、そのことで恨まれて突き落とされたと話しています。ホテルの方ではそのことは把握していなくて、これから調査をするそうです。それでも、不正をただしたご主人になんらかの報酬を与えるべきだと思うのです」
「突き落とされたって……そんな……」
「そのことについては調査をするそうです。警察も調べていなかったそうですし」
秋月さんの言葉にトモエさんが涙を流した。
「ママ?」
涙を流すお母さんをキララちゃんとルナちゃんが心配そうに見上げている。
「カシワダさんのために泣いてくれるなんて、トモエさん優しいし、子どもさんも優しいね」
『うん、うん……』
カシワダさんが涙を流して、正座をしている。
「カシワダさん。仕返しして、悪霊になっちゃうより、天国で家族を待ってあげる方がいいんじゃないかな」
『ああ、そうだな……もう落ちるのも飽きましたし、子どもにも会えたし……』
「キララちゃん、ルナちゃん。お父さんがお空に帰るって」
「おねえちゃん行こう」
ルナちゃんがそう言ってキララちゃんの手を引いてこっちに来た。
『ふたりとも、仲良くな』
「ふたりとも仲良くしてって」
『ママのお手伝いしてあげるんだよ』
「ママのお手伝いをしてあげてって」
「もう、パパってば、言われなくてもするよ」
キララちゃんがそう言うと、カシワダさんが頷いた。
『愛してるよ……』
「あいしてるって」
ゆっくりカシワダさんが消えていく。
「パパ、お空に行ったよ。天国でみんが来るまで待ってるって」
「多分パパ、天国でも仕事してそう」
クスクスとキララちゃんが笑ってトモエさんを振り返った。
「ママ、パパに言われなくてもお手伝いするからね」
そう言ってトモエさんの手を繋いだ。

その後、大野投手と男の人にカシワダさんが天に行ったことを話した。
「もう、幽霊騒ぎはないと思いますよ」
そう言うと、秋月さんがポンと俺の背中を叩いた。

話し合いの場所を移して、話し合いをした。
アソウさんに話を聞くこと、防犯カメラで、屋上にふたりがいた可能性がないか確認すること。そして、告発をしたカシワダさんのために見舞金を払うこと。それを決めて、秋月さんが自分のお世話になっている弁護士がいるから、とトモエさんに伝えてホテルに一泊させてもらった。

「しかし、何度も落ちるって言うのはしんどいだろうな」
ホテルのレストランで食事をしながら、秋月さんが久しぶりのビールに目を細めながら呟いた。
「そうですね。死んだことにも気づいてなくて、ただ繰り返すのって辛いですよね。その間きっと子どもさんのことを考えてたんだろうな」
「そうだな……ちょっとは一郎さんの愛情を理解できただろう」
「うん……後で一郎さんにメールするよ」
そう言いながら、俺もホテルが用意してくれたはじめての寿司に幸せをかみしめていた。
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