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お出掛け
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僕達のその日は、隼人さんが仕事を休んでくれたみたいで、のんびりした空気の中、家の中を色々案内してもらった。
最上階全てが、隼人さんの部屋なので、一室一室がとても広く使ってない部屋もあり、とても驚く事の連続だった。
一通り見終わり、昨夜の残りを温めて食べ終えた後、隼人さんはコーヒーを飲み、僕はミルクと砂糖を入れてカフェオレにして貰って飲んだ。
僕は実はカフェオレも初めてなんだ。その味は、甘くてほのかに苦くて美味しいかった。
「楓、飲み終えたら外に出るぞ。楓の必要な物など観に行こうな」
「もう殆どありますよ? 服やパジャマに着替えも沢山。
けど、調理器具や食材は欲しいです。冷蔵庫の中やキッチンには、飲み物やお酒類とかしか無くて、僕……大したものできないけど、普通のご飯なら作れますから作りたいです」
「それは嬉しいな。毎日の楽しみが増える。外食も仕出しの弁当なども飽きちまってな。味付けが全て同じに感じるんだよ。
透が言ってた様に、この家を出入りする奴は、皆料理ができないときてるしな。普通の飯が食いたい。そうと決まれば、炊飯器や鍋を観に行こうか」
隼人さんは満面の笑みを浮かべて、子供の様に楽しそうだ。僕のご飯を楽しみにしてくれるなんて、僕も人に食べて貰うのは初めてで、心配だったけど、なんだか楽しみになってきた。
隼人さんと一緒居ると総てが楽しく輝いて見える。楽しいなんて思った事がない僕には夢の様な時間だ。
「さあ行くぞ楓、服はこのままで可愛いから良いだろう」
隼人さんが朝決めてくれた服は、白のパンツに綺麗なグリーンのパーカーだった。
これも良い品なのだろう、とても肌触りが良い。
隼人さんも、ラフな感じのデニムパンツに薄手のジャケットを合わせていて
とてもお洒落だ。
本当に、スタイルの良い人は何を着ても、カッコいいんだなぁ……っと、見惚れていると、隼人さんは待ちきれなかったのか、僕の手を引いて部屋から出た。
エレベーターに乗り、開いた場所は駐車場? 駐車場も綺麗で、ライトアップされている。僕は、隼人さんに手を引かれたまま、綺麗なブルーの車の前に連れていかれた。
「カッコいいですね。スポーツカーですか? 僕あまり車とか詳しくなくて」
「乗れよ出るぞ」
隼人さんは、ドアを開けてくれて僕に乗る様に言ったので、助手席に乗り込んだ。
座席は2つしかないけれど、乗り心地が良くゆったりできる。スポーツカーは狭いイメージが何故かあったが、隼人さんの部屋と同様の配色で隼人さんの匂いがあり、僕は落ち着けた。
運転席に隼人さんが乗り込むと、以外に距離が近くて、車を運転する準備を進める隼人さんに、ドキドキしてしまった。
「先ずは電気屋に行くぞ」
「よろしくお願いします」
チラリと僕を見て、僕の方に覆い被さる隼人さんに、心臓がドクンと鳴った。
「は、隼人さん……な、なにを……」
「シートベルト締めないと危ないだろ」
「あっごめんなさい! 車……乗った事が無くて…よくわからないです……」
僕がしょんぼりした時、カチャッと鳴ったのと同時に、唇に暖かい感触が……
「あ……………………
「ほら行くぞ、少しエンジン音がうるさいかも知れないが気にすんなよ」
隼人さんもシートベルを締めて何やらカチャカチャし始めた時、凄い振動と重低音が身体に響いた。
何だろう? これがエンジン音? 凄い……
あっでもだんだん慣れてきて、あまり気にならなくなったかも。
それよりも、スピードと外の景色が流れていくのが新鮮で楽しかった。周りの人達が振り返り車を見てくる? この車はやっぱり目立つのかな。
「どうだ? 乗り心地は、音とか大丈夫か」
「はい大丈夫です。周りを見てるのが面白くて、速いですね。やっぱり車って」
「それなら良かった。そろそろ着くからな」
僕はその後、家電屋さんでの隼人さんの爆買いというものを、側で震えながら観ていた。
最上階全てが、隼人さんの部屋なので、一室一室がとても広く使ってない部屋もあり、とても驚く事の連続だった。
一通り見終わり、昨夜の残りを温めて食べ終えた後、隼人さんはコーヒーを飲み、僕はミルクと砂糖を入れてカフェオレにして貰って飲んだ。
僕は実はカフェオレも初めてなんだ。その味は、甘くてほのかに苦くて美味しいかった。
「楓、飲み終えたら外に出るぞ。楓の必要な物など観に行こうな」
「もう殆どありますよ? 服やパジャマに着替えも沢山。
けど、調理器具や食材は欲しいです。冷蔵庫の中やキッチンには、飲み物やお酒類とかしか無くて、僕……大したものできないけど、普通のご飯なら作れますから作りたいです」
「それは嬉しいな。毎日の楽しみが増える。外食も仕出しの弁当なども飽きちまってな。味付けが全て同じに感じるんだよ。
透が言ってた様に、この家を出入りする奴は、皆料理ができないときてるしな。普通の飯が食いたい。そうと決まれば、炊飯器や鍋を観に行こうか」
隼人さんは満面の笑みを浮かべて、子供の様に楽しそうだ。僕のご飯を楽しみにしてくれるなんて、僕も人に食べて貰うのは初めてで、心配だったけど、なんだか楽しみになってきた。
隼人さんと一緒居ると総てが楽しく輝いて見える。楽しいなんて思った事がない僕には夢の様な時間だ。
「さあ行くぞ楓、服はこのままで可愛いから良いだろう」
隼人さんが朝決めてくれた服は、白のパンツに綺麗なグリーンのパーカーだった。
これも良い品なのだろう、とても肌触りが良い。
隼人さんも、ラフな感じのデニムパンツに薄手のジャケットを合わせていて
とてもお洒落だ。
本当に、スタイルの良い人は何を着ても、カッコいいんだなぁ……っと、見惚れていると、隼人さんは待ちきれなかったのか、僕の手を引いて部屋から出た。
エレベーターに乗り、開いた場所は駐車場? 駐車場も綺麗で、ライトアップされている。僕は、隼人さんに手を引かれたまま、綺麗なブルーの車の前に連れていかれた。
「カッコいいですね。スポーツカーですか? 僕あまり車とか詳しくなくて」
「乗れよ出るぞ」
隼人さんは、ドアを開けてくれて僕に乗る様に言ったので、助手席に乗り込んだ。
座席は2つしかないけれど、乗り心地が良くゆったりできる。スポーツカーは狭いイメージが何故かあったが、隼人さんの部屋と同様の配色で隼人さんの匂いがあり、僕は落ち着けた。
運転席に隼人さんが乗り込むと、以外に距離が近くて、車を運転する準備を進める隼人さんに、ドキドキしてしまった。
「先ずは電気屋に行くぞ」
「よろしくお願いします」
チラリと僕を見て、僕の方に覆い被さる隼人さんに、心臓がドクンと鳴った。
「は、隼人さん……な、なにを……」
「シートベルト締めないと危ないだろ」
「あっごめんなさい! 車……乗った事が無くて…よくわからないです……」
僕がしょんぼりした時、カチャッと鳴ったのと同時に、唇に暖かい感触が……
「あ……………………
「ほら行くぞ、少しエンジン音がうるさいかも知れないが気にすんなよ」
隼人さんもシートベルを締めて何やらカチャカチャし始めた時、凄い振動と重低音が身体に響いた。
何だろう? これがエンジン音? 凄い……
あっでもだんだん慣れてきて、あまり気にならなくなったかも。
それよりも、スピードと外の景色が流れていくのが新鮮で楽しかった。周りの人達が振り返り車を見てくる? この車はやっぱり目立つのかな。
「どうだ? 乗り心地は、音とか大丈夫か」
「はい大丈夫です。周りを見てるのが面白くて、速いですね。やっぱり車って」
「それなら良かった。そろそろ着くからな」
僕はその後、家電屋さんでの隼人さんの爆買いというものを、側で震えながら観ていた。
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