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愛しています
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乗り慣れた車の中。僕は動けないが安心感でいっぱいだった。助手席の椅子を限界まで下げて、ほとんど寝かされている状態の暗闇の中、対象車のライトで浮かび上がる隼人さんの運転姿を眺めていた。
「どうした気分悪いか?」
隼人さんが心配そうに横目で見ながら、頭を優しく撫でてくれた。いつもならただ嬉しい気持ちになるだけなのに、何故かざわざわおかしな気分になる。
少し時間が経つと感覚の変化に身体が勝手に震えてきだした。
「やばいな……楓……もう少し我慢しろ」
「ううう……ぅぅんぁぁあーぁぁあーああああ…………はゃあとあぁーくるしぃ……なぁんだあかぁへぇん……」
「楓……もう少しだからな!確かこの辺に」
僕はどんどんおかしくなり、身体中が熱くて皮膚がピリピリして、狭いシートの上で右へ左へ動いてしまい、ジッとできないのだ。苦しくてこの状態を助けて欲しくて無我夢中で手を伸ばした。
普段の僕なら運転中の人間に触るなんて危なくてできないのに、この時の僕は何も考えることができていなかった。どうにかして欲しくて、我慢できなくて隼人さんの腰に抱きついた。
少しだけ安心した。隼人さんの匂いと温もりに心が落ち着いた。が……辛い。
「すまない……もう少しで着くと……あっ!見えてきた。あったぞ!ほんの少しだけ待っててくれ直ぐ戻るから」
隼人さんの手が僕を隼人さんから遠ざける。嫌だよ!離れたくないんだ。僕は必死でしがみついた。すると大きな手が僕の頬を包んで上げさせた、目の前には大好きな顔が優しく微笑んでいて、そして唇を塞がれた。
頭の中…訳が分からなく真っ白になる程 濃厚なキス………………
「楓ほんの少しだけだ」
隼人さんは車から出て行った。置いていかれた僕はとても哀しくて哀しくて、涙がポロポロポロポロ落ちて止められなくて車のシートの上に溜まっていく。
身体もどんどんおかしくなってくるし、僕は……僕は…………
「わりい、時間くったな。行くぞ」
隼人さんが扉を開けて、僕を抱き上げ何処かに連れて行く。もう限界!
「できるだけ、振動の無い様には歩いてるが大丈夫か?もう着くからな…………くそっ!なんて薬を飲ましたんだ。彼奴ら許さねえ」
フワッとしたものの上に置かれた僕は、クラクラする頭を振りながら、辺りを見回すと何処かのログハウスの様な部屋の大きなベッドに寝かされていた。隼人さんは部屋の隅でゴソゴソ何かやっている。
「ここは……」
「この時期でも、夜は冷えるから暖炉に火を焚べてきたからな、もうじき暖かくなるだろう。楓、意識はハッキリしてるな」
僕の方に歩いて来た。
「うん」
「良かった。車の中はどうしても振動があるから身体が反応してたんだろう。今は、どうだ」
「大丈夫……では無いけど、さっきよりはマシかな」
「そうか……楓、俺はお前を愛してるんだ。楓と添い遂げたいと思ってるから養子縁組もした。
だが、楓が大人になるまではSEXはしないと決めてたんだよ。軽い味見はしてたがな、これでも必死に我慢してたんだぞ。褒めてくれよ楓」
隼人さんはそっとおでこにキスしてくれた。優しい優しいキス。
「少し前倒しにはなるが、楓の総てを俺のものにしてもいいか?きっと一度でも楓を抱いたら、我慢できなくなるからこれからもずっと抱き続けるが良いか」
「嬉しい……嬉しいです……僕も隼人さんのこと愛しています。僕を貰って下さい」
「大切にするよ」
隼人さんはゆっくりと僕の服を脱がしてくれた。偶に身体に隼人さんの指先が触れると僕の身体は薬のせいか、過剰に反応してしまい声が抑えられなくなる。
その状況がとても恥ずかしくて堪らなく、必死で声を抑えようと歯を食いしばって我慢していた時隼人さんが、僕の唇を指先で緩くなぞりながら。
「こんな時期のログハウスに誰も来ない、俺は楓の可愛い声や反応が見たいんだよ。総てをくれるんだろだったら隠すな。俺も楓には何も隠さない、出逢ってずっと我慢してきたんだ。俺の方がかなりやばいんだよ。もう既にはちきれそうだ」
総て脱ぎ捨てた隼人さんは、ベッドに僕を押し倒し、視線を合わせ見つめあったままゆっくりすべてが混じり合うようなキスをした。それだけで感じすぎて頭の中が霞んでくる僕の掌に、雄々しく立ち上がる熱い塊が押し当てられた。
これが僕の中に入って一つになれるんだと思ったら愛しさが爆発し、そこから先は無我夢中にお互い求めあった。薬のお陰で初めてでも野獣の様な隼人さんに最後迄ついていく事が出来て幸せだった。
隼人さんは、僕の総てを貰ってくれて隼人さんの総てを僕にくれました。
全てを棄てた筈の僕にとても綺麗でとても大切なものができました。
end
「どうした気分悪いか?」
隼人さんが心配そうに横目で見ながら、頭を優しく撫でてくれた。いつもならただ嬉しい気持ちになるだけなのに、何故かざわざわおかしな気分になる。
少し時間が経つと感覚の変化に身体が勝手に震えてきだした。
「やばいな……楓……もう少し我慢しろ」
「ううう……ぅぅんぁぁあーぁぁあーああああ…………はゃあとあぁーくるしぃ……なぁんだあかぁへぇん……」
「楓……もう少しだからな!確かこの辺に」
僕はどんどんおかしくなり、身体中が熱くて皮膚がピリピリして、狭いシートの上で右へ左へ動いてしまい、ジッとできないのだ。苦しくてこの状態を助けて欲しくて無我夢中で手を伸ばした。
普段の僕なら運転中の人間に触るなんて危なくてできないのに、この時の僕は何も考えることができていなかった。どうにかして欲しくて、我慢できなくて隼人さんの腰に抱きついた。
少しだけ安心した。隼人さんの匂いと温もりに心が落ち着いた。が……辛い。
「すまない……もう少しで着くと……あっ!見えてきた。あったぞ!ほんの少しだけ待っててくれ直ぐ戻るから」
隼人さんの手が僕を隼人さんから遠ざける。嫌だよ!離れたくないんだ。僕は必死でしがみついた。すると大きな手が僕の頬を包んで上げさせた、目の前には大好きな顔が優しく微笑んでいて、そして唇を塞がれた。
頭の中…訳が分からなく真っ白になる程 濃厚なキス………………
「楓ほんの少しだけだ」
隼人さんは車から出て行った。置いていかれた僕はとても哀しくて哀しくて、涙がポロポロポロポロ落ちて止められなくて車のシートの上に溜まっていく。
身体もどんどんおかしくなってくるし、僕は……僕は…………
「わりい、時間くったな。行くぞ」
隼人さんが扉を開けて、僕を抱き上げ何処かに連れて行く。もう限界!
「できるだけ、振動の無い様には歩いてるが大丈夫か?もう着くからな…………くそっ!なんて薬を飲ましたんだ。彼奴ら許さねえ」
フワッとしたものの上に置かれた僕は、クラクラする頭を振りながら、辺りを見回すと何処かのログハウスの様な部屋の大きなベッドに寝かされていた。隼人さんは部屋の隅でゴソゴソ何かやっている。
「ここは……」
「この時期でも、夜は冷えるから暖炉に火を焚べてきたからな、もうじき暖かくなるだろう。楓、意識はハッキリしてるな」
僕の方に歩いて来た。
「うん」
「良かった。車の中はどうしても振動があるから身体が反応してたんだろう。今は、どうだ」
「大丈夫……では無いけど、さっきよりはマシかな」
「そうか……楓、俺はお前を愛してるんだ。楓と添い遂げたいと思ってるから養子縁組もした。
だが、楓が大人になるまではSEXはしないと決めてたんだよ。軽い味見はしてたがな、これでも必死に我慢してたんだぞ。褒めてくれよ楓」
隼人さんはそっとおでこにキスしてくれた。優しい優しいキス。
「少し前倒しにはなるが、楓の総てを俺のものにしてもいいか?きっと一度でも楓を抱いたら、我慢できなくなるからこれからもずっと抱き続けるが良いか」
「嬉しい……嬉しいです……僕も隼人さんのこと愛しています。僕を貰って下さい」
「大切にするよ」
隼人さんはゆっくりと僕の服を脱がしてくれた。偶に身体に隼人さんの指先が触れると僕の身体は薬のせいか、過剰に反応してしまい声が抑えられなくなる。
その状況がとても恥ずかしくて堪らなく、必死で声を抑えようと歯を食いしばって我慢していた時隼人さんが、僕の唇を指先で緩くなぞりながら。
「こんな時期のログハウスに誰も来ない、俺は楓の可愛い声や反応が見たいんだよ。総てをくれるんだろだったら隠すな。俺も楓には何も隠さない、出逢ってずっと我慢してきたんだ。俺の方がかなりやばいんだよ。もう既にはちきれそうだ」
総て脱ぎ捨てた隼人さんは、ベッドに僕を押し倒し、視線を合わせ見つめあったままゆっくりすべてが混じり合うようなキスをした。それだけで感じすぎて頭の中が霞んでくる僕の掌に、雄々しく立ち上がる熱い塊が押し当てられた。
これが僕の中に入って一つになれるんだと思ったら愛しさが爆発し、そこから先は無我夢中にお互い求めあった。薬のお陰で初めてでも野獣の様な隼人さんに最後迄ついていく事が出来て幸せだった。
隼人さんは、僕の総てを貰ってくれて隼人さんの総てを僕にくれました。
全てを棄てた筈の僕にとても綺麗でとても大切なものができました。
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