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溜息ひとつ
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ラティラが哀しそうに微笑み、頭を下げている。
暫くするとラインハルトがラティラの頭を、そのままガシガシ撫でていた。レオン殿下は皆を一通り眺めて。
「謝罪が要らないなら、私は帰らせてもらう。後は貴女が乗り越える事なのだろう? 私も私で先に進まないといけないんだ。貴女とヴァントの事が気になってはいたが、大丈夫そうなら忘れさせてもらうよ。では、失礼する」
レオン殿下はそのまま部屋を後にした。
「ハァー」
アルベルトが重い重い溜息を、ひとつ……
ヴァント殿下がラティラの近くに近づき。
「ラティラ嬢。私も謝罪も言い訳もしない。私は君を大事なものを護るために切り捨ててしまったのは事実だから。こんな事言えた義理では無いが、私にこれからのチャンスを貰えないだろうか? 友を見捨てて置いて……といわれるだろうが。もう一度、君とやり直したい! 頼む! 友として初めからやり直してください。お願いします」
頭を下げるヴァント殿下に対しラティラは、俯いていた頭を上げて。
「ヴァント殿下……貴方とはそうですね。あー 私、舞踏会が終わったら辺境の地に帰るんです。王宮にも来ないと思いますし、王都には昔はともかく今は興味無くて、友達になったとしてもほとんど会えませんよ? それでも良いのなら……友達になります?」
ヴァント殿下はすかさず近寄り、ラティラの空いているもう片方の手を握り締め、小さく振り回しながら。
「宜しくお願いする! 辺境だろうが何処だろうが、どんなに遠くても逢いに行くから! 友達になってくれ」
「はい。宜しくお願いしますね」
笑顔の二人と顰めっ面のラインハルトをみて、アルベルトは深い深い溜息をひとつ……
暫くするとラインハルトがラティラの頭を、そのままガシガシ撫でていた。レオン殿下は皆を一通り眺めて。
「謝罪が要らないなら、私は帰らせてもらう。後は貴女が乗り越える事なのだろう? 私も私で先に進まないといけないんだ。貴女とヴァントの事が気になってはいたが、大丈夫そうなら忘れさせてもらうよ。では、失礼する」
レオン殿下はそのまま部屋を後にした。
「ハァー」
アルベルトが重い重い溜息を、ひとつ……
ヴァント殿下がラティラの近くに近づき。
「ラティラ嬢。私も謝罪も言い訳もしない。私は君を大事なものを護るために切り捨ててしまったのは事実だから。こんな事言えた義理では無いが、私にこれからのチャンスを貰えないだろうか? 友を見捨てて置いて……といわれるだろうが。もう一度、君とやり直したい! 頼む! 友として初めからやり直してください。お願いします」
頭を下げるヴァント殿下に対しラティラは、俯いていた頭を上げて。
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ヴァント殿下はすかさず近寄り、ラティラの空いているもう片方の手を握り締め、小さく振り回しながら。
「宜しくお願いする! 辺境だろうが何処だろうが、どんなに遠くても逢いに行くから! 友達になってくれ」
「はい。宜しくお願いしますね」
笑顔の二人と顰めっ面のラインハルトをみて、アルベルトは深い深い溜息をひとつ……
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