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王宮にお泊まり
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「お兄様、一緒に帰りたいです」
「駄目だ」
「でも、私もう平気ですよ? ほーら元気元気」
ラティラは豪華なベッドの中で、横になりながらもブンブン両腕を振り回した。
「無理だ。王宮の専属医師の判断を、無視して帰れはしない。大人しく明日迄此処に居ろ」
「えー お兄様、じゃあさっきの医務室が良いです。こんな高そうな物がいっぱいある部屋は嫌ですよ。もし、もしもですが壊したら弁償ですか?」
アルベルトは呆れた目でラティラをみた。
「ハァー お前。馬鹿だろ……知ってたよ。お前が馬鹿なのは。だが、どうしたらこんな端にある備品を、壊すとか言う考えになるんだ?」
「えー だってお兄様。部屋でのストレッチができません。ベッドの上はフカフカ過ぎて力が入らないですから、床の上になるでしょ。色々動いたら、そこにある壺やら花瓶や机や訳の判らない、高そうな物体に足や腕が当たりますよ。確実です」
「王宮の客間で、ストレッチしなければ良いんじゃないか?」
「毎日の日課なんですよ。やらないと気持ち悪いです」
「私はお前の考えが気持ち悪いぞ。とにかく此処で、ストレッチはやるなよ。1日位我慢しろ、ジッとしてれば直ぐに明日になるから。もう暗くなるから私は帰るな、扉の向こうにアランとシャペルが居るから、安心して寝てろ。わかったか?」
「お兄様も、泊まりませんか? 此処広いから大丈夫ですよ」
「お前その歳で、1人でお泊まりも出来ないのか? ソフィア嬢はこの前お泊り出来てたぞ。」
「ソフィアちゃんは……わかりました。大人しく寝てます。眠くないけど……」
「よし。じゃあ私は帰るな、明日迎えに来るから大人しく待ってろよ。わかったか?」
「はい…お兄様」
ベッドの中からしょんぼり返事を返すラティラに、アルベルトは近づき、頭を優しく撫でて帰っていった。
「あーあーする事ない~ さっきいっぱい寝たから、眠くもないし。そうだ! コッソリ探検なんてどうかなぁ? 王宮苦手だけど舞踏会の後はもう来ないし、最後だと思うと探検も、少し楽しそうじゃない? よし! 行ってみよう」
ラティラはお風呂もさっき済ませて、王宮が用意してくれた寝衣を着ていたので、荷物から身軽な服に着替えベランダの扉をそっと開けてみました。
「おー 凄い。下は薔薇庭園になってるのね。良い香りが風に乗って漂ってくるわ」
ラティラは暫くベランダに立ち、赤やピンクや白のグラデーションが素晴らしい薔薇に見惚れていました。
「たまには豪華な薔薇も良いわね。辺境にも薔薇はあるけれど野生の薔薇だから、こんなに整然と計算された美しさとは、違った美しさなのよね」
ラティラは薔薇を見ながらも、下に降りられる場所はあるのかチェックしていた。良い足場を見つけたのか、ウンウン頷きながらベランダ横に足を掛けて微かな出っ張りに、つま先を引っ掛け軽やかに下に降りて行った。高さ的には三階程の高さは軽くある。ラティラは地面に足を,,トン,,と着くと。
「着地成功ね」
ニッコリ笑った。
「さぁ此れからどうしましょうか? 庭園綺麗だから、少しだけ回ってみようかな」
夕闇の中歩きながら、綺麗に薔薇を灯して足元も程よく照らすような効果的演出をしている、庭園灯に感心してしまったラティラです。
「凄いわ、この計算しつくされている庭。いかに薔薇を一番綺麗に観せるかを心得ているわね」
「ありがとう。一番嬉しい褒め言葉ですわね。皆の前で白々しいのは沢山ですわ」
後ろを振り返ると、神々しい美しさの女性がいた。ピンクゴールドのストレートの髪とゴールドの瞳、何と豪奢なのだろう。ラティラは見惚れた。
「あら? 貴女、大丈夫かしら? わたくしを観た事ないのですか? 珍しいのね?」
「えっ? あの……私、辺境伯令嬢ディビーズ・ラティラと申します」
厳かにカーテシーをした。
「貴女がラティラ嬢ね。わたくしのメイド達が噂をしていたわ。ラインハルト殿が珍しく女性を相手にしていると、そう貴女なの。それに貴女はわたくしの息子レオンとも色々あるみたいね」
「皇后様……」
「そんなに固まらなくてもよろしくてよ。此処はわたくしの薔薇園ですから、ゆったりした気持ちで観て欲しいわ」
慈愛のこもった瞳で見られて、ラティラも笑顔になった。
「この先に、今一番綺麗な薔薇が咲いている場所があるのよ。一緒に観て下さらない?」
「はい。私で良ければ、喜んで」
皇后とラティラは薔薇を眺め話をしながら、その場迄ゆったりと歩いていた。
「こちらよ。いかが?綺麗でしょ?今、一番見頃の薔薇…貴女のようね。どうぞ、お座りになって」
皇后は置いてある椅子に座りながら話しかけ、ラティラに椅子を進めた。
「では、失礼して」
隣に座って夜風にあたりながら、静かに薔薇を眺める。
「貴女……ラティラ嬢と、もう少し早く知り合いたかったですわ。わたくし舞踏会の始まる前に、王宮を出てラティラ嬢の辺境とは反対の場所にある、離宮に移り住みますのよ。建て前は病気療養ですわ。陛下と宰相殿しかまだ知らない事です」
「え? 私に話して大丈夫ですか?」
ラティラはびっくりして、皇后をみた。
「わたくし人を見る眼は確かなのよ。長年色々な人達を見てきましたからね。宜しければ、わたくしの独り言を聞いて頂けないかしら?立ち去る前に誰かに話しておきたくなったのですが、王宮には信頼できる方がわたくしには居ませんのよ」
「私で良ければ」
皇后は綺麗に、ニッコリ笑い。
「ありがとうラティラ嬢。わたくしがラティラ嬢の歳の頃は、夢ばかり見るおバカさんだったのよ。皇后になるという煌びやかな響きしか知らないお嬢様だったわね。いざ皇后になると、陛下は別の方を愛していましたの、わたくしは名前だけの皇后でしたのよ。
けれどねレオンも産まれて幸せも感じましたが、でもダメね……
わたくし王宮で、好きな方ができてしまったのよ。その方も同じように愛情を返してくださったの。その方は真面目な方だったから、使命感や罪悪感等堪え切れずに、自ら志願して僻地へ旅立ってしまわれたわ。
わたくし何かに縋りたくて、レオンに重圧をかけてしまったの……レオンには、とても可哀想な事をしたと思っていますのよ。此度の離宮にもレオンを連れて行き、ゆっくりした日々を過ごして行きたいと思っているのですけれども、強制しないであの子の意思に任せました。
陛下にも了承済みですのよ。ラティラ嬢もレオンには、思う所は沢山あると思います。レオンはあの様な子だから、ラティラ嬢から見てもあまり良い気はしないでしょうけれども。去り行くわたくしに免じて許してもらえないかしら?あらあら…こんな事言うつもりも無かったのですけれど…ラティラ嬢は話しやすく、ついつい駄目な事まで話してしまったわね」
「これから皇后様が、離宮において緩やかな日々を過ごしていけます様に、お祈りしていますわ」
「ありがとうラティラ嬢」
それから少しの間二人は、静かに薔薇を眺め緩やかに楽しい時間を過ごした。
「駄目だ」
「でも、私もう平気ですよ? ほーら元気元気」
ラティラは豪華なベッドの中で、横になりながらもブンブン両腕を振り回した。
「無理だ。王宮の専属医師の判断を、無視して帰れはしない。大人しく明日迄此処に居ろ」
「えー お兄様、じゃあさっきの医務室が良いです。こんな高そうな物がいっぱいある部屋は嫌ですよ。もし、もしもですが壊したら弁償ですか?」
アルベルトは呆れた目でラティラをみた。
「ハァー お前。馬鹿だろ……知ってたよ。お前が馬鹿なのは。だが、どうしたらこんな端にある備品を、壊すとか言う考えになるんだ?」
「えー だってお兄様。部屋でのストレッチができません。ベッドの上はフカフカ過ぎて力が入らないですから、床の上になるでしょ。色々動いたら、そこにある壺やら花瓶や机や訳の判らない、高そうな物体に足や腕が当たりますよ。確実です」
「王宮の客間で、ストレッチしなければ良いんじゃないか?」
「毎日の日課なんですよ。やらないと気持ち悪いです」
「私はお前の考えが気持ち悪いぞ。とにかく此処で、ストレッチはやるなよ。1日位我慢しろ、ジッとしてれば直ぐに明日になるから。もう暗くなるから私は帰るな、扉の向こうにアランとシャペルが居るから、安心して寝てろ。わかったか?」
「お兄様も、泊まりませんか? 此処広いから大丈夫ですよ」
「お前その歳で、1人でお泊まりも出来ないのか? ソフィア嬢はこの前お泊り出来てたぞ。」
「ソフィアちゃんは……わかりました。大人しく寝てます。眠くないけど……」
「よし。じゃあ私は帰るな、明日迎えに来るから大人しく待ってろよ。わかったか?」
「はい…お兄様」
ベッドの中からしょんぼり返事を返すラティラに、アルベルトは近づき、頭を優しく撫でて帰っていった。
「あーあーする事ない~ さっきいっぱい寝たから、眠くもないし。そうだ! コッソリ探検なんてどうかなぁ? 王宮苦手だけど舞踏会の後はもう来ないし、最後だと思うと探検も、少し楽しそうじゃない? よし! 行ってみよう」
ラティラはお風呂もさっき済ませて、王宮が用意してくれた寝衣を着ていたので、荷物から身軽な服に着替えベランダの扉をそっと開けてみました。
「おー 凄い。下は薔薇庭園になってるのね。良い香りが風に乗って漂ってくるわ」
ラティラは暫くベランダに立ち、赤やピンクや白のグラデーションが素晴らしい薔薇に見惚れていました。
「たまには豪華な薔薇も良いわね。辺境にも薔薇はあるけれど野生の薔薇だから、こんなに整然と計算された美しさとは、違った美しさなのよね」
ラティラは薔薇を見ながらも、下に降りられる場所はあるのかチェックしていた。良い足場を見つけたのか、ウンウン頷きながらベランダ横に足を掛けて微かな出っ張りに、つま先を引っ掛け軽やかに下に降りて行った。高さ的には三階程の高さは軽くある。ラティラは地面に足を,,トン,,と着くと。
「着地成功ね」
ニッコリ笑った。
「さぁ此れからどうしましょうか? 庭園綺麗だから、少しだけ回ってみようかな」
夕闇の中歩きながら、綺麗に薔薇を灯して足元も程よく照らすような効果的演出をしている、庭園灯に感心してしまったラティラです。
「凄いわ、この計算しつくされている庭。いかに薔薇を一番綺麗に観せるかを心得ているわね」
「ありがとう。一番嬉しい褒め言葉ですわね。皆の前で白々しいのは沢山ですわ」
後ろを振り返ると、神々しい美しさの女性がいた。ピンクゴールドのストレートの髪とゴールドの瞳、何と豪奢なのだろう。ラティラは見惚れた。
「あら? 貴女、大丈夫かしら? わたくしを観た事ないのですか? 珍しいのね?」
「えっ? あの……私、辺境伯令嬢ディビーズ・ラティラと申します」
厳かにカーテシーをした。
「貴女がラティラ嬢ね。わたくしのメイド達が噂をしていたわ。ラインハルト殿が珍しく女性を相手にしていると、そう貴女なの。それに貴女はわたくしの息子レオンとも色々あるみたいね」
「皇后様……」
「そんなに固まらなくてもよろしくてよ。此処はわたくしの薔薇園ですから、ゆったりした気持ちで観て欲しいわ」
慈愛のこもった瞳で見られて、ラティラも笑顔になった。
「この先に、今一番綺麗な薔薇が咲いている場所があるのよ。一緒に観て下さらない?」
「はい。私で良ければ、喜んで」
皇后とラティラは薔薇を眺め話をしながら、その場迄ゆったりと歩いていた。
「こちらよ。いかが?綺麗でしょ?今、一番見頃の薔薇…貴女のようね。どうぞ、お座りになって」
皇后は置いてある椅子に座りながら話しかけ、ラティラに椅子を進めた。
「では、失礼して」
隣に座って夜風にあたりながら、静かに薔薇を眺める。
「貴女……ラティラ嬢と、もう少し早く知り合いたかったですわ。わたくし舞踏会の始まる前に、王宮を出てラティラ嬢の辺境とは反対の場所にある、離宮に移り住みますのよ。建て前は病気療養ですわ。陛下と宰相殿しかまだ知らない事です」
「え? 私に話して大丈夫ですか?」
ラティラはびっくりして、皇后をみた。
「わたくし人を見る眼は確かなのよ。長年色々な人達を見てきましたからね。宜しければ、わたくしの独り言を聞いて頂けないかしら?立ち去る前に誰かに話しておきたくなったのですが、王宮には信頼できる方がわたくしには居ませんのよ」
「私で良ければ」
皇后は綺麗に、ニッコリ笑い。
「ありがとうラティラ嬢。わたくしがラティラ嬢の歳の頃は、夢ばかり見るおバカさんだったのよ。皇后になるという煌びやかな響きしか知らないお嬢様だったわね。いざ皇后になると、陛下は別の方を愛していましたの、わたくしは名前だけの皇后でしたのよ。
けれどねレオンも産まれて幸せも感じましたが、でもダメね……
わたくし王宮で、好きな方ができてしまったのよ。その方も同じように愛情を返してくださったの。その方は真面目な方だったから、使命感や罪悪感等堪え切れずに、自ら志願して僻地へ旅立ってしまわれたわ。
わたくし何かに縋りたくて、レオンに重圧をかけてしまったの……レオンには、とても可哀想な事をしたと思っていますのよ。此度の離宮にもレオンを連れて行き、ゆっくりした日々を過ごして行きたいと思っているのですけれども、強制しないであの子の意思に任せました。
陛下にも了承済みですのよ。ラティラ嬢もレオンには、思う所は沢山あると思います。レオンはあの様な子だから、ラティラ嬢から見てもあまり良い気はしないでしょうけれども。去り行くわたくしに免じて許してもらえないかしら?あらあら…こんな事言うつもりも無かったのですけれど…ラティラ嬢は話しやすく、ついつい駄目な事まで話してしまったわね」
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