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籠の中
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「お兄様、結局全体の被害などはどうでした?」
ラティラは自身のベッドで、ルラックとゴロゴロしたり、毛繕いしながら聞く。椅子に座り、お茶を優美に飲んでいるアルベルトは、軽く微笑み。
「一般客に被害は無い。さっさと避難させたからな。
騎士団をある程度潜り込ませていたのが、良かったな。うちの傭兵も、少人数だが侵入させていたから、相手の動きは手に取るように分かってたんだ。
レオン殿下の傷は誤算だったが、結果的に意思疎通ができて、うまい具合に王族の地位の構成が、きちんと纏まった事で良しとしよう。
それに、ミネルヴァ妃と父親の大臣と関係者達の長年の汚職や不正を明確に出来たので、私としてはとてもすっきりしてる。全体的にも、首尾良く終わったのではないか」
ラティラは、不満そうに頬を膨らませルラックのホッペをグニグニ両手で伸び縮みさせつつ、文句を言う。
「私は、あれから三日たつのに身体も元気なのに、何故部屋に監禁されているのでしょうか? 外に出たいです。朝の訓練も禁止されてるし! 動きたいです。お兄様!」
アルベルトは大きな溜め息をつき。
「出してやりたいんだよ。朝もいつも通りの生活に、戻してやりたいのだがな。お前はやり過ぎたんだよ。
あの時、騎士団の連中や王宮の近衛兵達が居たんだが、お前とラインハルトの闘う姿を見て、辺境の軍に入隊希望者やお前自身に教えを請う者。
騎士団の連中も、ラティラを闘う女神だと崇めてるんだよ。もう少し落ち着くまで自宅待機だ。庭にも出てはダメだぞ。侵入する奴が出てくるからな。お前はとにかく、大人しくしててくれ……
私は、王宮の後始末もやらねばならないんだよ。あの宰相め….…私に厄介な仕事ばかり回して、自分の事務官にやらせれば良いものを」
その時、扉の外からメイドが来客を伝えて来た。アルベルトが入れる様伝えると、明るい声が部屋に響きわたった。
「ラティラどうだ? 辺境の馬車も今日到着して、いよいよ開店準備だな。これから忙しくなるんじゃないのか? 手伝う事が有れば手伝うぞ!
アルベルトは、宰相の手伝いだろ。今、王宮で次期皇帝は決まっただろ。皇帝と年齢の近い宰相も、次は誰になるかと噂になってるぞ。一番候補は、お前だろアルベルト。
今回の謀反も暗躍して解決したのは、次期辺境伯のアルベルト.デイビーズって、名前が独り歩きしてるぞ。多分、誰かさんが噂を流してお前を自分の後釜に、据えたいんじゃないのか? 実際暗躍してたがな。お前は宰相になりたいのか?」
「うーん? あまり考えてはなかったな。レオン殿下が皇帝になったら、辺境伯領を継いだかな。ヴァント殿下だと、宰相も興味があるかもな。
レオン殿下は何とか一人でもやりそうだし、私は合わないから一緒に居て、疲れそうだ。ヴァント殿下なら、手伝ってもいいかなって感じかなぁ。ミシェル殿下は、これからどう変化して行くのかを、見てみたいな。今まで母親の背後に隠れていたから、あの子の個性は興味がある」
「お兄様、辺境はどうなるの?」
ラティラは心配になり聞いてみた。
「大丈夫だろ。お前が婿を見つけて辺境を盛り立てて行けばいいことだ。実際、傭兵達はお前の指揮のもと、行動しているではないか?
父上もまだまだ元気で、品種改良してるしな。私は王宮で楽しく暗躍して、裏で皆を操るのも楽しいかもな」
ラティラは寂しそうに俯きながら
「お兄様……と離れるのは嫌です」
「何も変わらないぞ。私はお前の兄だし、辺境伯の息子なのも変わらない。ただ王宮に勤めるだけだ。お前もいつも通り、傭兵達との訓練と武器の開発にナチュラルの維持や改革が、増えただけだろう」
兄妹の話に、ラインハルトも加わった。ラティラの側にいき。ルラックを撫で回しながら。
「今回ここに来たのは、他にも用があってな。 今まで辺境の傭兵と騎士団は、全く繋がりが無かっただろ。
今回を機に、お互いに交流を深め様かと思ってな。ラティラが辺境に帰るなら、私達騎士団も辺境へ行き、合同演習などしてみないか?
私達も旅の途中、盗賊退治や地方の害獣被害など、今まで出来なかったことを進めても行きたいんだよ。
色々要請も実際あるんだよな。訓練よりも実践的に動いていかないと、何のための騎士団なのか、判らないしな。
反対に王宮の騎士団に来て、合同演習しても良いぞ。それはそれで皆も喜ぶと思う。どうだ? お互いに悪いことではないだろう? 今まで交流が、全く無かった事の方がおかしな話なんだよ」
ラインハルトの話を聞いて、ラティラは目を輝かせ。
「凄い凄い。楽しそう! 合同演習って何するの? 辺境の絶壁登る? 森にいる害獣の仕留めた数競う?その後食べようね~ 美味しいんだよ。それから……」
「待て待て、ラティラ。落ち着け! 今は企画の段階だ。近く現実にはするが、落ち着いて色々考えような」
「はい! ラインハルト様」
二人と一匹は若干引き気味で、元気に良い子の返事で答えるラティラをみている。
「おい。アルベルト、思ったより凄い食い付きなんだが……」
「大丈夫だ正常な状態だ」
「まあ、そういう所も好きだが」
嬉しそうにルラックと遊ぶラティラを横目に、2人はボソボソ話していた。
ラティラは自身のベッドで、ルラックとゴロゴロしたり、毛繕いしながら聞く。椅子に座り、お茶を優美に飲んでいるアルベルトは、軽く微笑み。
「一般客に被害は無い。さっさと避難させたからな。
騎士団をある程度潜り込ませていたのが、良かったな。うちの傭兵も、少人数だが侵入させていたから、相手の動きは手に取るように分かってたんだ。
レオン殿下の傷は誤算だったが、結果的に意思疎通ができて、うまい具合に王族の地位の構成が、きちんと纏まった事で良しとしよう。
それに、ミネルヴァ妃と父親の大臣と関係者達の長年の汚職や不正を明確に出来たので、私としてはとてもすっきりしてる。全体的にも、首尾良く終わったのではないか」
ラティラは、不満そうに頬を膨らませルラックのホッペをグニグニ両手で伸び縮みさせつつ、文句を言う。
「私は、あれから三日たつのに身体も元気なのに、何故部屋に監禁されているのでしょうか? 外に出たいです。朝の訓練も禁止されてるし! 動きたいです。お兄様!」
アルベルトは大きな溜め息をつき。
「出してやりたいんだよ。朝もいつも通りの生活に、戻してやりたいのだがな。お前はやり過ぎたんだよ。
あの時、騎士団の連中や王宮の近衛兵達が居たんだが、お前とラインハルトの闘う姿を見て、辺境の軍に入隊希望者やお前自身に教えを請う者。
騎士団の連中も、ラティラを闘う女神だと崇めてるんだよ。もう少し落ち着くまで自宅待機だ。庭にも出てはダメだぞ。侵入する奴が出てくるからな。お前はとにかく、大人しくしててくれ……
私は、王宮の後始末もやらねばならないんだよ。あの宰相め….…私に厄介な仕事ばかり回して、自分の事務官にやらせれば良いものを」
その時、扉の外からメイドが来客を伝えて来た。アルベルトが入れる様伝えると、明るい声が部屋に響きわたった。
「ラティラどうだ? 辺境の馬車も今日到着して、いよいよ開店準備だな。これから忙しくなるんじゃないのか? 手伝う事が有れば手伝うぞ!
アルベルトは、宰相の手伝いだろ。今、王宮で次期皇帝は決まっただろ。皇帝と年齢の近い宰相も、次は誰になるかと噂になってるぞ。一番候補は、お前だろアルベルト。
今回の謀反も暗躍して解決したのは、次期辺境伯のアルベルト.デイビーズって、名前が独り歩きしてるぞ。多分、誰かさんが噂を流してお前を自分の後釜に、据えたいんじゃないのか? 実際暗躍してたがな。お前は宰相になりたいのか?」
「うーん? あまり考えてはなかったな。レオン殿下が皇帝になったら、辺境伯領を継いだかな。ヴァント殿下だと、宰相も興味があるかもな。
レオン殿下は何とか一人でもやりそうだし、私は合わないから一緒に居て、疲れそうだ。ヴァント殿下なら、手伝ってもいいかなって感じかなぁ。ミシェル殿下は、これからどう変化して行くのかを、見てみたいな。今まで母親の背後に隠れていたから、あの子の個性は興味がある」
「お兄様、辺境はどうなるの?」
ラティラは心配になり聞いてみた。
「大丈夫だろ。お前が婿を見つけて辺境を盛り立てて行けばいいことだ。実際、傭兵達はお前の指揮のもと、行動しているではないか?
父上もまだまだ元気で、品種改良してるしな。私は王宮で楽しく暗躍して、裏で皆を操るのも楽しいかもな」
ラティラは寂しそうに俯きながら
「お兄様……と離れるのは嫌です」
「何も変わらないぞ。私はお前の兄だし、辺境伯の息子なのも変わらない。ただ王宮に勤めるだけだ。お前もいつも通り、傭兵達との訓練と武器の開発にナチュラルの維持や改革が、増えただけだろう」
兄妹の話に、ラインハルトも加わった。ラティラの側にいき。ルラックを撫で回しながら。
「今回ここに来たのは、他にも用があってな。 今まで辺境の傭兵と騎士団は、全く繋がりが無かっただろ。
今回を機に、お互いに交流を深め様かと思ってな。ラティラが辺境に帰るなら、私達騎士団も辺境へ行き、合同演習などしてみないか?
私達も旅の途中、盗賊退治や地方の害獣被害など、今まで出来なかったことを進めても行きたいんだよ。
色々要請も実際あるんだよな。訓練よりも実践的に動いていかないと、何のための騎士団なのか、判らないしな。
反対に王宮の騎士団に来て、合同演習しても良いぞ。それはそれで皆も喜ぶと思う。どうだ? お互いに悪いことではないだろう? 今まで交流が、全く無かった事の方がおかしな話なんだよ」
ラインハルトの話を聞いて、ラティラは目を輝かせ。
「凄い凄い。楽しそう! 合同演習って何するの? 辺境の絶壁登る? 森にいる害獣の仕留めた数競う?その後食べようね~ 美味しいんだよ。それから……」
「待て待て、ラティラ。落ち着け! 今は企画の段階だ。近く現実にはするが、落ち着いて色々考えような」
「はい! ラインハルト様」
二人と一匹は若干引き気味で、元気に良い子の返事で答えるラティラをみている。
「おい。アルベルト、思ったより凄い食い付きなんだが……」
「大丈夫だ正常な状態だ」
「まあ、そういう所も好きだが」
嬉しそうにルラックと遊ぶラティラを横目に、2人はボソボソ話していた。
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