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番外 《恋バナⅡ 》

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「お兄様ここですか? とっても可愛いですね。ナチュラルと、感じが違います。

 フリルやリボンを沢山使って、厚めのカーテンを飾っていますね? そのカーテンで窓を覆っているので、外からは中が全く見えませんよ? 何故ですか」


ラティラは興味深く一部屋一部屋開けて見て歩いた。


 「大きな部屋と小さな部屋が、多数ありますね。小さな部屋は部屋ごとに違った色で分けていて、中に置いてあるテーブルや家具や小物達も、同じ色で色分けされていて可愛いです。これは何をするお店ですか?」

「此処はね。まず入り口入って受付して、奥に進み小さな部屋で個々に着替えて、大きな部屋で運動するんだよ。

 小さな部屋は全て鍵がかかるから、腕につけておくようにすると貴重品等の管理に良いだろう?

うちのメイド数名は、君から教えられて運動しているよね。成果も得られているようだ。

 そこでだ、この場所で教えてはどうだろうかとね。教えて貰いに来て、ナチュラルで買い物をして帰るという事になるね。運動しての水分補給も、此方では冷やしたララ水や果物も販売しようと思ってるんだよ」


「多数来られた場合はどうされるのですか?」

「先ずは、日時が書かれた券を売り出す。その券を受付で出すと、決まった人数しか来ないだろう? ラティラは数日見本で出てくれ、それでメイド達に覚えさせるんだ。そうするとお前は辺境に騎士団達と帰れるぞ」 


ラティラは少し考えて。


「お兄様、一つ提案があります。運動中音楽を流しながらはどうですか? 合わせて動くと、単調にならないからきっと楽しいですよ」

「そうだな……音楽学校の学生達に頼むか。

 知り合いが校長をしててな、才能があっても学費が払えない生徒がいるらしいから、此処で演奏して貴族達に才能を見出して貰えば良い方に進むかも知れないな。

 お金があって暇を持て余した御婦人方は、才能もお好きだろう」 

「お兄様……言い方があるでしょうに」


ラティラの苦言にも何も思わないアルベルトは。


「お前、ラインハルトの誘いも断ってばかりだろう。あいついじけてたぞ。時間が出来たら少しは遊んでやれ。あいつ鬱陶しいから……ラティラに逢いたいんだと」

ラティラは一瞬で全身ボッと真っ赤に染まった。それをラティラの頭上から見下ろしたルラックが。

(おじょー 真っ赤っかだよ~)


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