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国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?
小鳥達の話(レイファ)
しおりを挟む走って来られたのか、騎士の方は肩で息をしながらも、続けて叫ばれました。
「倒れた方々は女性が多く、皆様手に同じ内容物のグラスを持っておられたようで、中には果実酒が入っていた模様です。
只今、騎士団長の指示で検査中であります」
「医師は、会場の状態はどうなっているんだ」
ヴァント殿下が質問しました。
「直ぐに医師は呼び込まれ、只今その場で治療中ですが、未だ断言は出来ませんが、医師の言葉だと毒が原因の様でございます。
多数の方々が、手の施しようのない状態の様でございます」
「そうか……わかった」
「陛下、わたくしは会場に行って参ります。
陛下と母上は此方での待機を御願い致します」
「わかった。頼んだぞ」
「気を付けなさいヴァント」
「はい!」
ヴァント殿下とアルベルトさんとレオン様は、何かしら小声でお話をされている様です。
私も、会場へ行ったラティラさんが心配です。
倒れていらっしゃる方々も、無事だとよいのですが。
心配で、オロオロしていたら肩の小鳥さんが。
(ねえ!レイファこっちにきて、こっちよこっちレイファきてきて、おねがい)
服を、クチバシで引っ張りベランダへと連れて行こうとしている様です。
ベランダの方からも何やら呼ぶ声が…
「わかったわ」
ちょうど皆様これからの事を話されたり、計画を立てている様でお忙しくされていて、私の事に気が付いていない様なので、小鳥さん達の呼んでいるベランダへ、そっと出て行きました。
ベランダに出ると、鷹さんがベランダの手摺りの上にスッと立っていました。
「鷹さん…」
(おじょうさんまたあったのう、げんきそうであんしんしたわい)
「鷹さん今大変な事があって…」
(しっておる。どうぶつたちはどこにでもおるでのう、いろいろなはなしが、みみにはいるからな。
こんかいのはんにんは、おじょうさんのかぞくじゃぞ)
「えっ!何故そんな事……」
(しりたくなかったじゃろうな、すまんなぁ。わしはかえるわい、おじょうさんまたな)
「……はい………」
私はどうにか返事を返すだけで、いっぱいでした。私の家の人間が、他国の罪のない方々を殺そうとした………何故そんな事をする必要があるの?
(レイファだいじょうぶ?)
(ごめんねわたしもおんなのこが、ぽけっとからちいさなものをだして、みずにいれたのみたの)
(ぼくもみたよ、みずとお酒をまぜたのをのんだら、にんげんたちがたおれたんだよ)
(たおれたなかには、ソフィアちゃんもいたのよ)
(ほかにもたくさんのにんげんがくるしんでる、のんだひといがいもね)
「あ……………….」
私は…私は……この事をレオン様達に言わなければならない。
私はすぐさま室内に入って、部屋から出て会場へ行くであろうレオン様達を呼び止めた。
「レオン様待ってください!お話があります」
「悪いが、レイファはここで待っていてくれないか、会場は危険だから」
「レオン様犯人が判りました!」
「えっ!誰だ!何故知ってる」
ヴァント殿下が、こちらに走り寄って来て私の両肩を強く掴みました。痛みが顔に出たのでしょうか?
「殿下、レイファ嬢から手をお離しください。
さあ、レイファ嬢こちらへ」
アルベルトさんが、椅子を置いてくださったので、私はそちらに座り皆様も座っています。
「では、私から質問しても良ろしいですか?」
「はい」
アルベルトさんの言葉に私は頷きました。
「何故犯人が判ったのですか?」
「先程ベランダにて小鳥さん達から教えて貰いました」
「宰相、レイファは動物と話せるんだ。私が保証する」
「そうですか、判りました」
アルベルトさんは、冷静に頷き。
「それでは、誰が犯人なのでしょう?」
「それは…私の妹です。マーテェフェル国のサーザント公爵の双子のどちらかです。
小鳥さん達が言うには、女の子がポケットから小さな物を出して、水へ入れた事。
水とお酒を混ぜたのを飲んだら人々が倒れたという事です」
「そうですか……毒の種類が判れば、解毒薬もあるのですが、他国のだと難しいですね。
ここで話していても進みません、会場へ行きましょう。レイファ嬢も一緒に来て貰って宜しいですか?」
「はい!是非にでも」
「それでは参りましょう」
アルベルトさんの掛け声と共に、私達は動き出しました。
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