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国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?
断罪(レイファ)
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その扉の前には数人の騎士の方達が守りを固めていて、私達が目の前に来ると何も言わずに扉を開いてくれた。
中からは怒号が飛び交うのが聞こえてきた。私は、聞き覚えのある声が聞こえて来たので、足がすくんで前に進めなくなってしまったの。止まってしまった私にラティラさんが優しく肩に手を添えて言葉をかけてくれました。
「さあ、行きましょう。レイファちゃん」
「はい」
エドウィン様を先頭に、ラティラさんが手を繋いで引っ張ってくれました。ルラック君は表に出るのはダメだと言うことで、ラティラさんのスカートの裾に上手く隠れています。度々シッポの先が見え隠れしているのが、私の緊張を解してくれるアイテムになっています。
奥にもう一つ扉があり、そちらの部屋に皆様いらっしゃるみたいです。扉を騎士の方が開けてくれたので、入って行くと声もクリアに聞こえてきて、お父様達とお義母と妹達が縄に繋がれて直に座っているのが、見えました。
お父様達の目の前には、ヴァント殿下・宰相様・レオン様・アンソニー王子、他にも見た事のない貴族の方々もいらっしゃいます。冷たくピリピリした空気感が部屋中漂っています。
「アンソニー様わたくし達は何もしておりません。何も知らないのです! 何故この様になされるのですか?わたくしは、アンソニー様の御心のままに生きております。反逆等考えた事もございません」
「そうですわ。お母様のおっしゃる通りです。わたくしミルフィ・カヴァールはアンソニー様を幼き頃から一途に思っておりますの、アンソニー様もわたくしのお気持ち判っておいででしたよね。いつもわたくしに向けて微笑んでくれていましたでしょう」
「私は皆、平等に接していました。誰一人として特別に思った事も扱った事もない。それにカヴァール公爵、貴方は自身の娘であるシルフィ・カヴァール嬢を使ってサーフウィカ王国の民を無差別に毒殺しようとしたであろう。
シルフィ・カヴァール嬢が水の中に毒を混入させた事、此方は把握している。どうだ?シルフィ・カヴァール嬢」
「何ですって!! シルフィ本当なの? そんな恐ろしい事を! なんて事!!」
「旦那様が、我が娘に……あり得ませんわ。何故シルフィに……」
お義母様とミルフィは、それ以上何も言う事ができなくて、項垂れている。シルフィは、真っ白な顔をして震えていた。自身の父親に助けを乞おうと縋るように見ているが、お父様は視線を向けようとはしない。
「カヴァール公爵貴方は、昨夜私を襲わせましたね。私の配下の者の中に密偵を忍ばせて、私を暗殺する様に指図しましたね。その者も捕まえて、貴方の名前や其方にいらっしゃる貴族の方々の名前も白状しました。証拠は上がっております。詳しくはマーテェフェル国に帰り、貴方達を断罪したいと思います」
「待て! アンソニー王子、その者達は我が国の者を毒殺しようと毒薬を飲ませたのだ。断罪はサーフウィカ王国でさせて戴く。アンソニー王子には、有効な解毒薬を持参してくれた事、有難く思っている。この者達を我が国で処罰させて貰えるなら、マーテェフェル国とはこれから様々な面で有効な貿易を次期皇帝である私が御約束致しましょう」
「私からも一つ良いですか」
「宰相のデイビーズ殿ですね。何ですか」
「マーテェフェル国内には、未だ貴方様の御味方は多くはないですよね。その中にその者達を連れ帰って、断罪できますか?
貴方様が国を変革されようとしているのは存じておりますし、御味方も増えておいでなのも理解してますが、此処に居る罪人達が主となりマーテェフェル国を牛耳っていましたよね。
今回主となる者達に他国を見せて、快心等無理だったのです。現に貴方は命を狙われた。そして、サーフウィカ王国の民にまで危害を加えました。
とても自分本意の考えしかできない者達なのです。他国の民に毒を盛るなど、本来ならその時点で開戦となりますが、今回は私共も貴方様の御心を考慮して舞踏会にお呼びしましたので、そこまでは致しません。その者達を残しアンソニー王子は、お帰りになり自国を変革される事が良いと思います。
今でしたら、邪魔者は大概居ませんからできるのでは?私共と致しましてもマーテェフェル国の資源はとても興味がありますから、お互いの国益の為にも国民の為にも此処は譲っては貰えないでしょうか?お願い致します」
アンソニー王子は、とても苦しそうです。力関係は断然にサーフウィカ王国の方が強く、マーテェフェル国の方が状況的にも不利ですから受け入れなければならないのでしょうが、自国の罪人を他国に裁かれるのは王族として受け入れがたいのでしょう。苦しい心が私に伝わってきます。
宰相様もそれをわかっていて、下げなくても良い頭を下げていらっしゃるのでしょう。お二人の其々のお心がとても伝わってきます。
私は離宮において数々の教師の方に他国の歴史や思想、文化等教えていただき少しは理解できていると思っていますし、皆様の心の動きが解ってしまうので、なんとも心苦しいです。
罪人が、お父様と妹だという事もかなりのショックですし心の中に反省がない事も理解できません。恨み言しか伝わってこない事が悲しいです。
中からは怒号が飛び交うのが聞こえてきた。私は、聞き覚えのある声が聞こえて来たので、足がすくんで前に進めなくなってしまったの。止まってしまった私にラティラさんが優しく肩に手を添えて言葉をかけてくれました。
「さあ、行きましょう。レイファちゃん」
「はい」
エドウィン様を先頭に、ラティラさんが手を繋いで引っ張ってくれました。ルラック君は表に出るのはダメだと言うことで、ラティラさんのスカートの裾に上手く隠れています。度々シッポの先が見え隠れしているのが、私の緊張を解してくれるアイテムになっています。
奥にもう一つ扉があり、そちらの部屋に皆様いらっしゃるみたいです。扉を騎士の方が開けてくれたので、入って行くと声もクリアに聞こえてきて、お父様達とお義母と妹達が縄に繋がれて直に座っているのが、見えました。
お父様達の目の前には、ヴァント殿下・宰相様・レオン様・アンソニー王子、他にも見た事のない貴族の方々もいらっしゃいます。冷たくピリピリした空気感が部屋中漂っています。
「アンソニー様わたくし達は何もしておりません。何も知らないのです! 何故この様になされるのですか?わたくしは、アンソニー様の御心のままに生きております。反逆等考えた事もございません」
「そうですわ。お母様のおっしゃる通りです。わたくしミルフィ・カヴァールはアンソニー様を幼き頃から一途に思っておりますの、アンソニー様もわたくしのお気持ち判っておいででしたよね。いつもわたくしに向けて微笑んでくれていましたでしょう」
「私は皆、平等に接していました。誰一人として特別に思った事も扱った事もない。それにカヴァール公爵、貴方は自身の娘であるシルフィ・カヴァール嬢を使ってサーフウィカ王国の民を無差別に毒殺しようとしたであろう。
シルフィ・カヴァール嬢が水の中に毒を混入させた事、此方は把握している。どうだ?シルフィ・カヴァール嬢」
「何ですって!! シルフィ本当なの? そんな恐ろしい事を! なんて事!!」
「旦那様が、我が娘に……あり得ませんわ。何故シルフィに……」
お義母様とミルフィは、それ以上何も言う事ができなくて、項垂れている。シルフィは、真っ白な顔をして震えていた。自身の父親に助けを乞おうと縋るように見ているが、お父様は視線を向けようとはしない。
「カヴァール公爵貴方は、昨夜私を襲わせましたね。私の配下の者の中に密偵を忍ばせて、私を暗殺する様に指図しましたね。その者も捕まえて、貴方の名前や其方にいらっしゃる貴族の方々の名前も白状しました。証拠は上がっております。詳しくはマーテェフェル国に帰り、貴方達を断罪したいと思います」
「待て! アンソニー王子、その者達は我が国の者を毒殺しようと毒薬を飲ませたのだ。断罪はサーフウィカ王国でさせて戴く。アンソニー王子には、有効な解毒薬を持参してくれた事、有難く思っている。この者達を我が国で処罰させて貰えるなら、マーテェフェル国とはこれから様々な面で有効な貿易を次期皇帝である私が御約束致しましょう」
「私からも一つ良いですか」
「宰相のデイビーズ殿ですね。何ですか」
「マーテェフェル国内には、未だ貴方様の御味方は多くはないですよね。その中にその者達を連れ帰って、断罪できますか?
貴方様が国を変革されようとしているのは存じておりますし、御味方も増えておいでなのも理解してますが、此処に居る罪人達が主となりマーテェフェル国を牛耳っていましたよね。
今回主となる者達に他国を見せて、快心等無理だったのです。現に貴方は命を狙われた。そして、サーフウィカ王国の民にまで危害を加えました。
とても自分本意の考えしかできない者達なのです。他国の民に毒を盛るなど、本来ならその時点で開戦となりますが、今回は私共も貴方様の御心を考慮して舞踏会にお呼びしましたので、そこまでは致しません。その者達を残しアンソニー王子は、お帰りになり自国を変革される事が良いと思います。
今でしたら、邪魔者は大概居ませんからできるのでは?私共と致しましてもマーテェフェル国の資源はとても興味がありますから、お互いの国益の為にも国民の為にも此処は譲っては貰えないでしょうか?お願い致します」
アンソニー王子は、とても苦しそうです。力関係は断然にサーフウィカ王国の方が強く、マーテェフェル国の方が状況的にも不利ですから受け入れなければならないのでしょうが、自国の罪人を他国に裁かれるのは王族として受け入れがたいのでしょう。苦しい心が私に伝わってきます。
宰相様もそれをわかっていて、下げなくても良い頭を下げていらっしゃるのでしょう。お二人の其々のお心がとても伝わってきます。
私は離宮において数々の教師の方に他国の歴史や思想、文化等教えていただき少しは理解できていると思っていますし、皆様の心の動きが解ってしまうので、なんとも心苦しいです。
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