《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!

皇子(みこ)

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国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?

護るもの(レイファ)

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私は部屋の端から、憎しみの心で充満しているお父様を悲しく感じていた。何故かお父様の視線が私の方へ向き、驚きの表情へと変わった。

 視線が合った瞬間恐怖が湧き上がり、一歩後ろへ下がった。お父様の中に怒りが充満された様に見えたからだ。


「お前! 何でこんな場所にそんな姿で居るんだ!!!! お前が産まれたせいで私の人生台無しだ!! 総てがお前が産まれたせいだ! お前さえ産まれなければこんな事にはならなかったんだ!!死ね」

「やめろ!」

呆然と立ち尽くす私の目に、アンソニー王子がお父様に殴りかかっているのが見えている。何かお父様に言いながら殴っているのですが、私の目には音が聞こえてこない? 目には見えているのに。レオン様や騎士団長様達がアンソニー王子を止めています。

 何故そんな事になっているのか理解できない、何故なの? 私はもう聞きたくないし見たくもない。私は居なくなりたい消えてしまいたい……

 お父様に言われた言葉は、以前はよく言われていた言葉の数々だった。父親から心を込めてのこの言葉には、今までにない程の痛みが襲ってきた。……キツイツライカナシイサミシイドウシテアイシテホシイノニナゼミテイシキシテ………私は産まれてはいけなかったのかもしれない…………

 立っている事ができなくて、崩れる様に倒れ、目を瞑り耳を塞いだ。

 すると……あたたかい………塞ぎ込んだ私を何かが、包み込んでくれている。羽根みたいにとてもあたたかいの……優しさを与えてくれている希望と言うものも流れ込んでくる。私は目を開けた……すると。


「鷹さん……鷹さん……鷹さん…………」

「おじょうさん、どうだいげんきかのう? さむそうだったから、ちとあっためたんじゃが、どうだい」

「鷹さんありがとう。何だが元気出たわ」

「そりゃあよかったのう。みなしんぱいしての、わしはくうかんをとおりぬけれるから、いちはやくきたんじゃぞ」


バサッと、音をたてて鷹さんが羽根を広げると包まれていた視界が開けた。部屋には唯一の小さな窓があり、そこには小鳥さん達が沢山沢山飛んでいた。ラティラさんが、窓を開けるといっせいに小鳥さん達が飛んできて私の周りを囲んでくれた。

(だいじょうぶ?)
(かなしいの?)
(わたしレイファだいすきよ)
(だいじょうぶだぼくたちがいるから)
(あいつがわるいやつ?わたしやっつけてやるからみてて)
(わたしもいくよ)
(わたししってる! あのこもわるいのよ)
(そうそうそう!)
(みんなでやっつけようよ)
(そうしようそうしよう)

「皆大丈夫だから、そんな事しないで。ねっ!」

(しかたないなぁがまんする)
(うーん。まっいっか)
(レイファだいじょうぶそうだね。よかったわ)


「何なんだ! こいつらは!ピーピーピーピー話してるみたいで気持ち悪い!」

「やはり、黒色は駄目だ……罪悪なんだ!魔女だ!魔女!!」

「私達は正しかった! 黒は要らない排除すべきだ」

「レイファおまえ!生きてたんだね。いきなり消えて何処かで、のたれ死にしてるのか、殺されたのかと思っていたよ。そんなドレス着て……何処で盗んできたんだい」

「お母様、すべてあの子が悪いのよ! そうよ! すべてあの子のせいなのよ! アンソニー様、あの子! あの子がすべての元凶です。あの子を殺して下さい。そうすれば、シルフィだって元の優しい子に戻るんです。すべてあの子が悪いのです。アンソニー様」

「貴方達は、何を言っているのだ! 長い間、何も悪くない彼女を悪者にして、マーテェフェル国の黒色に対する考えは間違っている。

 この状態を見て、魔女だのと言う貴方達がおかしいのだと、何故気づかない! 鳥達は愛情深く彼女に接している。切ない程のお互いへの想いが貴方達には判らないのか。

 それに、彼女を護っている鷹を知らないのか? それでも、貴方達はマーテェフェル国の貴族なのか?我が国を守護し加護を与えてくださる方を忘れたのか!」


アンソニー皇子は厳しい目でお父様達を見た後、ヴァント殿下に向き直り頭を下げた後、発言されました。


「ヴァント王太子殿下、此度の件マーテェフェル国の不手際で起きた事柄です。この者達の処分はサーフウィカ王国にお任せ致します。

 私は急ぎマーテェフェルへ帰国し政権を貴族から、王族へ変革いたします。落ち着きましたら、貿易の件のお話を致しましょう」

「了承した。健闘を祈っている」

「はい」


その後直ぐに騎士の方達に、お父様達はどこかに連れて行かれている様でした。私への罵詈雑言は聞こえていましたが、鷹さんや小鳥さん達が私の姿を隠してくれていたので、向こうからもこちらからも壁になって何も見えなかったのです。
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