《完結》ラブ・ライフ

皇子(みこ)

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幼馴染み

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私には幼い頃からずーーーーぅっと好きな男の子がいるの。

 隣の御屋敷の同い年のとっても可愛い子。性格が優しくて、いつもニコニコ笑っているのよ。癒されるわ~

 昔は、何時も私の背後をくっついて歩いていたのを思い出すわね。一緒に庭を駆け回ったり冒険したり、嫌だけど勉強したりと仲良くしてたのに、なのに……

 いつの頃からか、距離を置かれる様になったのよ。遊びに誘っても断られるし、本を読もうと言っても、逃げられる。

 私はお母様に連れられて仕方なく、お嬢様の仮面を被りお茶会に参加させられて、ウフフエヘヘホホホと楽しくも無いのに品よく微笑んでいるの。その甲斐あって私の評判はとても良いのよ。頑張っているのですもの、上出来だわ。ホホホホホ。

 それなのに、幼馴染みの私を差し置いて、なんなのよ! あの隣で笑ってる色気のある美人は! 



「お嬢様何をされているのですか? はしたない事を」
 

メイド頭から、注意されても聞こえないフリよ。

 私は隣から女性の笑い声が聞こえてきたから、気になって背丈よりも高い壁をよじ登り、覗き見ている。

 幸い向こうからは、木が丁度邪魔になり私は見えないから、安心安心。



「あっ何よあの女……わざとつまづいて彼にしなだれ掛かるなんて! ありえないわよ。私も未だあんな事した事無いのに」

「お嬢様いい加減にされませんか? 今日お隣は、次男様のご婚約者様がお越しだと言う事です。お邪魔されてはなりませんよ。危のうございますし、お下りください」


私は手の力が抜けて、ずるずる塀を落ちていった。地面に足が着いて、メイド頭が近寄って来てドレスをはたいてくれている。


「えっ? 婚約者……私、知らないわよ。そんな話始めて聞いたわ。私達は来月から学園への入学が決まっているわよね。学園前に婚約者って……」

「お嬢様にも、先程婚約者が決定したようです。

 騎士団長様の甥っ子様だと言う事でございますよ。その事で旦那様がお話があると言う事ですので、お部屋へご案内させていただきますね」

「嘘」

「本当でございます。騎士団長様の甥っ子様は、文武両道の凛とした方だと言う事ですわ。おめでとうございますお嬢様」

 
私は何も言葉が出なかった。お父様とお母様が揃って私におめでとうと言ってくれるの。

 私も伯爵家の一人娘、結婚相手が思いのまま決まるなんて事は、現実的には不可能だとは思っていたのよ。わかっていたわ。

 けど……現実になると、これ程……キツイなんて。

 私はこの伯爵家を守る為に、それなりの血筋の方を婿に取らないとならない事は、きっちり理解しているのよ。

 でも、感情が……初恋を諦めないといけない事が悲しいのよ。

 彼の事を忘れないといけないのよね。彼の隣には先程の美人がいるわ。私にも、見た事無いけど誰かいるみたいだし……

 仕方ないわよね……

 その夜、私は一晩中ベッドの中で泣き明かした。

 次の日は目が腫れ上がり、見せれたものではないから体調が悪いと嘘をついて、ベッドに潜り込んで断固として出なかった。

 屋敷の者達は心配していたみたいだけど、来月から学園の寮に入寮だし、婚約の話もしたから、そっとして置いてやれと言うお父様のお言葉で静かになったみたい。

 そのおかげで、私はゆっくり落ち込む事ができた。

 もともと前向きな私は、落ち込む事にも飽きて、とにかく学園へ行き楽しい事を探そうと頑張る事に決めたの。

 初恋を諦めるのは今は無理だし、忘れられないし悔しいし悲しいけれど前に進もうと思って、ベッドから飛び起きたら、目の前に彼が居たの。



「えっ何? どうしてここに? ええええ」

「元気そうで良かった。

 体調崩したって聞いて、塀の上では元気そうだったからどうしたのかと心配だったんだ。

 ……婚約おめでとう僕は、君が……元気で可愛い君が好きだったんだ。君に釣り合う様に頑張ってみたけど、伯爵様は違う方を婿に選んだみたいだね。

 僕は、君の幼馴染みとして友人として、側に居ることにするよ。

 これから学園へ入学したら、君とは話せる機会も少なくなるから、僕のこの気持ちを伝えておきたかったんだ。いきなりごめんね。それじゃあおやすみ」



私はベランダから出て行こうとする彼を呼び止めた。


「待って! ずっーと貴方が好きだった。初恋よ! 私の初恋を奪ったんだから、光栄に思いなさいよ」

「うん! ありがとう。おやすみ」

「おやすみなさい」


彼は軽やかに消えていったわ。


「さあ! もっともっと魅力的ないい女になってやるわよ。私の人生だもの、私次第でなんとでもなるわ。頑張る‼︎ 」









20年後の私は、伯爵家を継ぎ。先程元気な我が子を産んだの。幸せよ……

旦那様が誰かは……内緒よ。うふっ







the end
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