《完結》ラブ・ライフ

皇子(みこ)

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学園

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「どうしてこのような事に……わたくしが何をしたと言うのかしら?」


今迄我慢してきた涙が、ここに来てポロポロポロポロ……

 この場所は、誰も来ない古い図書室。

 今は新しい図書室がありますの。この場所は取り壊しが予定されていながら、何故か実行されないまま放置されてきた場所。今のわたくしの隠れ場所になっておりますのよ。



「お父様の御命令で第二皇子様の婚約者になった事はとても嬉しかったのです。

 逞しく凛々しい第二皇子様。お優しくて、この方なら一生添い遂げても大丈夫等夢見ていたわたくしは、なんて愚かなのでしょうか?

 お互い友人もでき、楽しくゆったり勉学に励み、より良い学園生活を過ごしていたはずでしたのに。

 あの方が転入されて来てから、総てがおかしくなってしまったのですわ。

 第二皇子様が、何故かわたくしを避けはじめました。騎士団長様の御子息や第二皇子様の周りにいらした方々も、何故かわたくしに対しての態度が冷たく変化してまいりました。

 わたくし何もしておりませんのよ!」



わたくし、最近はいつもこの場所に隠れていますの。

 外に出れば、皆様から蔑んだ目でみられたり、暴力的に変化した第二皇子様達からの、攻撃を受けてしまいますから。

 昨夜お父様からもお手紙が届き、お前みたいな奴はこの家には要らない、何処へでもいくが良い。この公爵家の敷居は跨ぐな。と書き記したお手紙と一緒に袋に入った金銭と宝石等が箱に入ってありました。

 わたくしどうすればいいかわかりませんわ。

 そもそもの原因は、救世主として、この学園に特別編入してきた。ゴールドピンクのストレートの髪と、ゴールドの瞳を持った煌びやかな少女が、第二皇子様達と仲良くなり、会った事も話した事も無いわたくしに、何故か虐められていると皆様に泣きついた時から始まりましたの。


「わたくし本当に何もしておりませんのよ。皆様何故信じて貰えないのでしょうか?」

「それはね、魔法にかかっているからだよ」


図書室の暗闇で泣きくづれて居るわたくしに、背後から声が掛かりましたの。

 驚き振り向くと、この国では珍しい真紅の髪と瞳を持った、殿方がニッコリ笑みながら立っておりました。


「貴方は、わたくしを責めませんの?」

「責めないよ、だって君は何もしてないでしょう? 何故責める必要があるの?
 
 この学園は今、総ての人が洗脳という魔法にかかって居るんだよ。

 君だけは何故か掛かっていないね。本当なら自分が虐めていると思い込み、その様に振る舞うのに、君はこの学園嫌、あの救世主が変だと思っているだろう。

 それは洗脳されて居ないと言うことだよ。魔法が効かないという事は、珍しい事なんだよ。

 俺程の魔法使いは居ないが、俺でも魔法には掛かる、魔法を無効化させると言うのは今迄に無い事だ。隠れて君に何度か掛けてたんだよ、気付かなかっただろ。

 総てを君は消してしまったからね。

 これからこの学園は、陛下の命令により王太子率いる魔術師団と騎士団の支配下に入る。

 今時点で、学園にはシールドが張ってありもう出入りは不可能だ。君は洗脳されて居た人達から、数々の仕打ちを受けたよね。精神的、肉体的にもね。

 その事を許せるかい? 許せたとして、恐怖心は消せるかい? 今でも学園の生徒もしくは第二皇子が近づくと震えが止まらないだろう。

 どうだろう、俺は一応は魔法師団長なんだよね。名前を変えて俺の嫁にならないか? 

 学園の様子を見る為に、君を色々見てきたんだ。その時は、助けてあげられなかったけど、今なら君を助けられる。

 これからの学園は、監視体制の上隔離される。

 洗脳から呪いを取り外す為に長い時間がかかるんだよ。君の不名誉な事柄も直ぐには証明されないだろう。

 洗脳で心が壊れた人間は奥底では、怨みや何かしらのものは残っているかも知れない。心の中は見えないからね。

 君は、名前と髪と瞳の色を変えて俺の所に来ないか?

 総てを一から始めてみないか? 魔法師団は変人が多いが、悪い奴は居ないぞ。

 まあ、嫁の件はゆっくり口説かせて貰うから、安心すると良い。楽しみにしていなさい。

 まずは、この場所から退避しよう」




わたくしは、魔法師団長様に抱き抱えられ、そして……わたくしは消えました。








the end
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