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紅悪魔
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「うう~ ああ~ くっそー ああ~! うわぁぁぁぁぁぁぁぁ~~ 殺してやるから離せぇ外せ!!」
「お嬢様! お嬢様!! お嬢様!!!」
此処は、公爵家のお屋敷に隣接する離れの建物。
大きな声で叫ぼうが暴れようが、お屋敷には届かない。仮に、もしも届いたとしても、お屋敷に住む家人も使用人総てが、聞きたく無いのだろう。聞こえないふりをするのだ。
私はその中にずんずんと入っていく、入っていかなければならない、それが私のお仕事ですからね。
「失礼しますぅ~ 勝手にお邪魔しますね。
あらあらあら大変な事になってるわね。煩いから口塞いじゃおうっと。貴女専属のメイドさんね、危ないから部屋から出なさい」
中に入ると、髪を振り乱した女の子だったものが縄で手足を繋がれていた。
「貴女は……」
「あれ?聞いてないかしら? 今夜お嬢様の悪霊を祓いに来たのよ」
「祓い人……って本当に居たのですか。それにその髪と瞳は……紅い悪魔」
「メイドさん早く出て行かないと死んじゃうよ」
メイドさんは転がる様に出て行ったわ。これでやっと呼べるわね。
「出てきても良いわよ」
(なんか今回の凶々しいわね)
(ホントだねー 僕怖いよ)
(アンタの方が怖いわよ。可愛い見た目に騙されて、何人の人間がアンタの餌食になったのよ)
(僕、殺してないよ! 生気を少し頂いただけだから、たまには良いでしょ)
「貴方達煩いわよ。ほらほらお仕事よ。終わったら特別ジュース作ってあげるから、お嬢様から呪いを抜き取りなさい。
キューンはすこし頼まれて貰えるかしら?」
(良いわよ何すれば良いの?)
私はキューンの真っ白い可愛いフワフワの耳に近づいて、こしょこしょ内緒話しをしたの。
(了解です。行ってくるわね)
(僕は?何するの)
「ブルーはお嬢様から呪いを取り外すのよ」
(取り出したものは? 返す消す?)
「消して」
(了解~)
ブルーの掌サイズの身体が蒼色に輝きだして、目の前の少女が苦しみだした。
少女の額がビリビリ避け出し、そこから凶々しいモノがドロドロ滲み出てきた。
そのモノは恐ろしい顔に形作られ、少女の上に集まった。
総て出てきたその凶々しいモノは、ブルーの一掃の光によって綺麗に消え去った。
(ふぅ~ 終わったよ。ねぇ今回の手強かったよ。返さなくて良いの?)
「お疲れ様! ありがとね。今回は、怨まれる要素が大きくて恨む人達も被害者なのよ。その事はきちんと考えているわ」
(ふぅ~ん。よくわかんないよぉ怨んだらその倍返すよねいつもなら)
「返しても良いけど、返した相手は生きている方が辛いって事もあるのよ」
(持ってきたわよ)
キューンが帰ってきた。渡してくれた紙の束を胸元に差し入れて。
「ありがとう。それじゃあ帰りましょう」
2匹の使徒には消えて貰って、お嬢様は手足の束縛を外し布団を整え、ベッドに寝かせてからお屋敷を出た。
出た場所で、一人の男が待ち構えていたの。胡散臭い奴……誰これ?
「お仕事ご苦労様でした。如何でしたか? 無事に終了されたのでしょうか」
「貴方は誰?」
「私は騎士団を纏めている者です。一度貴女にお会いしたく、待っていたのですよ。会えてよかった」
その男はスマートに見えてキッチリと騎士服を着こなせているわね。
服の下はかなり鍛えているのだろう。爽やかな笑み、広い肩幅スラリとした長身で、さぞかしお嬢様方に人気の出そうな風貌だこと。
この様な男には近寄らないのが一番だわ。素通りしましょう。
その男の横を通り過ぎ様とした時、腕を掴まれた。
「待って下さい。貴女の正体は何なのですか?
言い伝えの様にずっと途切れる事無く、紅い悪魔と言われ続ける貴女。
紅い髪に紅い瞳の神秘的な美女。貴女は何者なのですか?
不思議な生き物を操り、絶対に正体が解らない。何処に住んでいるのか? 何をしているのか? どうしてその様な能力が有るのか?
子供の頃から、知りたくて貴女を探してきました。やっと! やっと今日出逢えたのです」
キモいわこの男! 粘着質のある奴嫌いなのよ私。
掴まれた腕をやんわりと外し、その場で空に浮かび上がった。素知らぬふりでそのまま夜中の空中散歩を楽しんだわ。
下から何事か叫んでいたけど、しーらない。
私の正体ねぇ……探せるものなら探してみなさい。楽しみに待ってるわよ。
ある屋敷の主人の、今迄犯した悪行の数々を纏めた証拠が、取り締まる然るべき方の机の上に、ある朝静かに置かれてあった。
the end
「お嬢様! お嬢様!! お嬢様!!!」
此処は、公爵家のお屋敷に隣接する離れの建物。
大きな声で叫ぼうが暴れようが、お屋敷には届かない。仮に、もしも届いたとしても、お屋敷に住む家人も使用人総てが、聞きたく無いのだろう。聞こえないふりをするのだ。
私はその中にずんずんと入っていく、入っていかなければならない、それが私のお仕事ですからね。
「失礼しますぅ~ 勝手にお邪魔しますね。
あらあらあら大変な事になってるわね。煩いから口塞いじゃおうっと。貴女専属のメイドさんね、危ないから部屋から出なさい」
中に入ると、髪を振り乱した女の子だったものが縄で手足を繋がれていた。
「貴女は……」
「あれ?聞いてないかしら? 今夜お嬢様の悪霊を祓いに来たのよ」
「祓い人……って本当に居たのですか。それにその髪と瞳は……紅い悪魔」
「メイドさん早く出て行かないと死んじゃうよ」
メイドさんは転がる様に出て行ったわ。これでやっと呼べるわね。
「出てきても良いわよ」
(なんか今回の凶々しいわね)
(ホントだねー 僕怖いよ)
(アンタの方が怖いわよ。可愛い見た目に騙されて、何人の人間がアンタの餌食になったのよ)
(僕、殺してないよ! 生気を少し頂いただけだから、たまには良いでしょ)
「貴方達煩いわよ。ほらほらお仕事よ。終わったら特別ジュース作ってあげるから、お嬢様から呪いを抜き取りなさい。
キューンはすこし頼まれて貰えるかしら?」
(良いわよ何すれば良いの?)
私はキューンの真っ白い可愛いフワフワの耳に近づいて、こしょこしょ内緒話しをしたの。
(了解です。行ってくるわね)
(僕は?何するの)
「ブルーはお嬢様から呪いを取り外すのよ」
(取り出したものは? 返す消す?)
「消して」
(了解~)
ブルーの掌サイズの身体が蒼色に輝きだして、目の前の少女が苦しみだした。
少女の額がビリビリ避け出し、そこから凶々しいモノがドロドロ滲み出てきた。
そのモノは恐ろしい顔に形作られ、少女の上に集まった。
総て出てきたその凶々しいモノは、ブルーの一掃の光によって綺麗に消え去った。
(ふぅ~ 終わったよ。ねぇ今回の手強かったよ。返さなくて良いの?)
「お疲れ様! ありがとね。今回は、怨まれる要素が大きくて恨む人達も被害者なのよ。その事はきちんと考えているわ」
(ふぅ~ん。よくわかんないよぉ怨んだらその倍返すよねいつもなら)
「返しても良いけど、返した相手は生きている方が辛いって事もあるのよ」
(持ってきたわよ)
キューンが帰ってきた。渡してくれた紙の束を胸元に差し入れて。
「ありがとう。それじゃあ帰りましょう」
2匹の使徒には消えて貰って、お嬢様は手足の束縛を外し布団を整え、ベッドに寝かせてからお屋敷を出た。
出た場所で、一人の男が待ち構えていたの。胡散臭い奴……誰これ?
「お仕事ご苦労様でした。如何でしたか? 無事に終了されたのでしょうか」
「貴方は誰?」
「私は騎士団を纏めている者です。一度貴女にお会いしたく、待っていたのですよ。会えてよかった」
その男はスマートに見えてキッチリと騎士服を着こなせているわね。
服の下はかなり鍛えているのだろう。爽やかな笑み、広い肩幅スラリとした長身で、さぞかしお嬢様方に人気の出そうな風貌だこと。
この様な男には近寄らないのが一番だわ。素通りしましょう。
その男の横を通り過ぎ様とした時、腕を掴まれた。
「待って下さい。貴女の正体は何なのですか?
言い伝えの様にずっと途切れる事無く、紅い悪魔と言われ続ける貴女。
紅い髪に紅い瞳の神秘的な美女。貴女は何者なのですか?
不思議な生き物を操り、絶対に正体が解らない。何処に住んでいるのか? 何をしているのか? どうしてその様な能力が有るのか?
子供の頃から、知りたくて貴女を探してきました。やっと! やっと今日出逢えたのです」
キモいわこの男! 粘着質のある奴嫌いなのよ私。
掴まれた腕をやんわりと外し、その場で空に浮かび上がった。素知らぬふりでそのまま夜中の空中散歩を楽しんだわ。
下から何事か叫んでいたけど、しーらない。
私の正体ねぇ……探せるものなら探してみなさい。楽しみに待ってるわよ。
ある屋敷の主人の、今迄犯した悪行の数々を纏めた証拠が、取り締まる然るべき方の机の上に、ある朝静かに置かれてあった。
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