21 / 64
魔法が使える娘 (マシェリー)
しおりを挟む
サンタフェリカ学園に入学してから、1年が経ちました。
今日は新学期!
2年生になった初日ですのよ。先程メアリーに手伝って貰い、薄い黄色のブラウスとブルーのサロペットワンピースで合わせて貰いましたの。組み合わせで雰囲気が結構変わるので、楽しいですわ。
この1年、お父様お母様フェンリーと離れて暮らし、淋しい時もありましたがメアリー、エマ、エドウィン様、レオナルド様やクラスメイト達のおかげでどうにか乗り切れましたの。勿論! 夏休暇や冬休暇等、大きなお休みはお屋敷に帰っておりましたわよ。
わたくしも今日から2年生ですので、遅刻は避けたいのですが、何故かエマが迎えに来てくれるはずなのに、寮の部屋で待っても来ないのです……おかしいですわね。
「ごめんごめん、ちょっと遅くなった!」
エマが息を切らせながら駆け込んできましたわ。
「仕方ないですわね。さぁ学園へ急ぎましょう!」
2人少し早足で歩いて行きながら。
「ねぇ マシェリー聞いて聞いて! レオナルド様が5年生に進級で、今日の新学期から生徒会長でしょ。副会長がパトリック・カロナイナ様で、グリーンの髪で濃い茶色の瞳の落ち着いた方でね。素敵なのよ! お父様は王宮内で魔法学の専門部所の所長をされてる方でさ、後の書紀.会計は、レオナルド様の腰巾着のルイス様とヘンリー様なのが、気に入らないけどね。
補佐の方は、4年生の優秀な方を数名リストアップされて選ばれてるんだけど、これが今年度の生徒会メンバーなんだけどね。そのメンバー 数人が、今朝からヤバイ事になってんだけど! ちょーっと時間もヤバイから教室でね!」
遅刻しそうなので、もう少し速度を上げて走りましたが……後からあんな話を聞くことになるなんて……思ってもいませんでしたわ。
どうにか教師が来る前に、教室に着きましたわ。エマとエドウィン様共、同じクラスでとても嬉しいです。今も、わたくしの机にもたれ掛かり、小声で話していますもの。
「ねぇねぇさっきの続きね! 今年の1年の中で、魔法が使える娘が居るらしいわよ。なんでも平民で、母親と二人暮しで細々と暮らしてたんだけど、魔法を使って周りの人々を助けてたんだって、そしたら聖女様って噂になってね。
有名になってわかった事が、その娘ファーマン男爵が昔、使用人に産ませた後、行方不明になってた母娘だったんだって。直ぐに引き取って魔法が使えるって、大々的に言いふらしているみたいよ。魔法が使えるのは本当みたいで、今さっきもレオナルド様の前で切り傷を治してみせてたわ。まぁそれだけなら良いんだけど、何気にベタベタベタベタ触るのよね。別に勝手にすればって感じなんだけど、あの娘って男限定で甘えまくってんのよ。観ていてあまり良い気分じゃないわね。
私、あーゆうタイプ苦手なんだよね。えっ!?………どうしたのマシェリー顔色悪いわよ?真っ青なんだけど大丈夫? じゃないよね! 先生には言っとくから保健室か部屋に行こう!」
「エマ…………わたくし……部屋に戻っていますわ……」
必死で笑顔を作りましたが、全身がいきなり不調をきたしたのを、知らないふりをしてどうにか部屋迄と頑張って帰ろうとしていると。
「おい、俺が部屋まで連れていくから背中に乗れ。お前歩けないだろ、お姫様抱っこが良いか?」
エドウィン様が声を掛けて下さいました。助かりました。自分でも歩ける自信が無かったので。
「背中でよろしくお願いします」
「エドウィン様、マシェリーの事よろしくね。私も後で行くから!」
廊下に出るとわたくしを、背負っているエドウィン様は、皆様の注目の的でしたが、わたくしはその時そんな余裕もなく、ただただ恐怖で身体か震えるのを止めるのでいっぱいいっぱいでした。
「おい、何があった?ただの体調不良ではないだろう」
「……………………………………………………………………………」
「まぁいい、もし何か言いたい事や相談があるならいつでも言え」
わたくしは返事もできず、ただただエドウィン様の背中に顔を隠して居ました。微かに、ドアを開ける音と、安心する居心地の良い匂いがフワッとわたくしを包み込みました。
「マシェリー様! どうされたのですか!? とにかく中へ、エドウィン様ベッド迄お願いします!」
わたくしをベッドに座らせ、メアリーが寝かせてくれましたが、わたくしは人形の様に皆様の声に反応するだけしかできません。とにかく震えが治りません……
「……じゃあ俺は帰る。マシェリーさっき言ったこと忘れるんじゃないぞ」
,,パタン,,
「お嬢様……」
「メアリーごめんなさい。1人にしておいて……」
「わかりました。お嬢様」
………………どうしましょう………
今日は新学期!
2年生になった初日ですのよ。先程メアリーに手伝って貰い、薄い黄色のブラウスとブルーのサロペットワンピースで合わせて貰いましたの。組み合わせで雰囲気が結構変わるので、楽しいですわ。
この1年、お父様お母様フェンリーと離れて暮らし、淋しい時もありましたがメアリー、エマ、エドウィン様、レオナルド様やクラスメイト達のおかげでどうにか乗り切れましたの。勿論! 夏休暇や冬休暇等、大きなお休みはお屋敷に帰っておりましたわよ。
わたくしも今日から2年生ですので、遅刻は避けたいのですが、何故かエマが迎えに来てくれるはずなのに、寮の部屋で待っても来ないのです……おかしいですわね。
「ごめんごめん、ちょっと遅くなった!」
エマが息を切らせながら駆け込んできましたわ。
「仕方ないですわね。さぁ学園へ急ぎましょう!」
2人少し早足で歩いて行きながら。
「ねぇ マシェリー聞いて聞いて! レオナルド様が5年生に進級で、今日の新学期から生徒会長でしょ。副会長がパトリック・カロナイナ様で、グリーンの髪で濃い茶色の瞳の落ち着いた方でね。素敵なのよ! お父様は王宮内で魔法学の専門部所の所長をされてる方でさ、後の書紀.会計は、レオナルド様の腰巾着のルイス様とヘンリー様なのが、気に入らないけどね。
補佐の方は、4年生の優秀な方を数名リストアップされて選ばれてるんだけど、これが今年度の生徒会メンバーなんだけどね。そのメンバー 数人が、今朝からヤバイ事になってんだけど! ちょーっと時間もヤバイから教室でね!」
遅刻しそうなので、もう少し速度を上げて走りましたが……後からあんな話を聞くことになるなんて……思ってもいませんでしたわ。
どうにか教師が来る前に、教室に着きましたわ。エマとエドウィン様共、同じクラスでとても嬉しいです。今も、わたくしの机にもたれ掛かり、小声で話していますもの。
「ねぇねぇさっきの続きね! 今年の1年の中で、魔法が使える娘が居るらしいわよ。なんでも平民で、母親と二人暮しで細々と暮らしてたんだけど、魔法を使って周りの人々を助けてたんだって、そしたら聖女様って噂になってね。
有名になってわかった事が、その娘ファーマン男爵が昔、使用人に産ませた後、行方不明になってた母娘だったんだって。直ぐに引き取って魔法が使えるって、大々的に言いふらしているみたいよ。魔法が使えるのは本当みたいで、今さっきもレオナルド様の前で切り傷を治してみせてたわ。まぁそれだけなら良いんだけど、何気にベタベタベタベタ触るのよね。別に勝手にすればって感じなんだけど、あの娘って男限定で甘えまくってんのよ。観ていてあまり良い気分じゃないわね。
私、あーゆうタイプ苦手なんだよね。えっ!?………どうしたのマシェリー顔色悪いわよ?真っ青なんだけど大丈夫? じゃないよね! 先生には言っとくから保健室か部屋に行こう!」
「エマ…………わたくし……部屋に戻っていますわ……」
必死で笑顔を作りましたが、全身がいきなり不調をきたしたのを、知らないふりをしてどうにか部屋迄と頑張って帰ろうとしていると。
「おい、俺が部屋まで連れていくから背中に乗れ。お前歩けないだろ、お姫様抱っこが良いか?」
エドウィン様が声を掛けて下さいました。助かりました。自分でも歩ける自信が無かったので。
「背中でよろしくお願いします」
「エドウィン様、マシェリーの事よろしくね。私も後で行くから!」
廊下に出るとわたくしを、背負っているエドウィン様は、皆様の注目の的でしたが、わたくしはその時そんな余裕もなく、ただただ恐怖で身体か震えるのを止めるのでいっぱいいっぱいでした。
「おい、何があった?ただの体調不良ではないだろう」
「……………………………………………………………………………」
「まぁいい、もし何か言いたい事や相談があるならいつでも言え」
わたくしは返事もできず、ただただエドウィン様の背中に顔を隠して居ました。微かに、ドアを開ける音と、安心する居心地の良い匂いがフワッとわたくしを包み込みました。
「マシェリー様! どうされたのですか!? とにかく中へ、エドウィン様ベッド迄お願いします!」
わたくしをベッドに座らせ、メアリーが寝かせてくれましたが、わたくしは人形の様に皆様の声に反応するだけしかできません。とにかく震えが治りません……
「……じゃあ俺は帰る。マシェリーさっき言ったこと忘れるんじゃないぞ」
,,パタン,,
「お嬢様……」
「メアリーごめんなさい。1人にしておいて……」
「わかりました。お嬢様」
………………どうしましょう………
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】異世界召喚 (聖女)じゃない方でしたがなぜか溺愛されてます
七夜かなた
恋愛
仕事中に突然異世界に転移された、向先唯奈 29歳
どうやら聖女召喚に巻き込まれたらしい。
一緒に召喚されたのはお金持ち女子校の美少女、財前麗。当然誰もが彼女を聖女と認定する。
聖女じゃない方だと認定されたが、国として責任は取ると言われ、取り敢えず王族の家に居候して面倒見てもらうことになった。
居候先はアドルファス・レインズフォードの邸宅。
左顔面に大きな傷跡を持ち、片脚を少し引きずっている。
かつて優秀な騎士だった彼は魔獣討伐の折にその傷を負ったということだった。
今は現役を退き王立学園の教授を勤めているという。
彼の元で帰れる日が来ることを願い日々を過ごすことになった。
怪我のせいで今は女性から嫌厭されているが、元は女性との付き合いも派手な伊達男だったらしいアドルファスから恋人にならないかと迫られて
ムーライトノベルでも先行掲載しています。
前半はあまりイチャイチャはありません。
イラストは青ちょびれさんに依頼しました
118話完結です。
ムーライトノベル、ベリーズカフェでも掲載しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる