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プロローグ 転校初日
しおりを挟むピピピッ、ピピピッ、ピピピッ…
目覚ましの音が鳴り、俺___継原 仁は起きた。
いつもとは違う天井に見慣れない部屋、一瞬混乱したがすぐに理解した。
___今日は転校初日。色々と事情があって夏休み明けの転校となったが、まあ大丈夫だろう。
早々に新しい制服に着替えて朝食を食べ、このマンションの一室から出る。
「‥‥‥…行ってきます」
別に誰もいないのに、そう呟いた。
◇◆◇◆◇
今日から通う高校に着き、指定された下駄箱に靴を入れる。
早めに来たので、生徒の影は少ない。
前にも見た職員室に迷わず行った。
「…失礼します。今日、転校してきた継原 仁です」
職員室の戸を開けてそう言うと、背の低い女性教師が手招きをして来た。素直に女性教師の元へ向かう。
「えっと、君が転校生の継原君だよね?私は今日から君の入る1年1組担任の、花里 美弥です!よろしくね!」
「よろしくお願いします」
「転校だから不安もあるかもしれないけど、うちの生徒はいい子で個性的だから大丈夫!何かあったら相談してね?」
花里先生はそう言うが、見た目が小さ‥‥いや、可愛らしい為、あまり頼る気にはならない。
その後、少し世間話をし、ホームルームの時間が近づいていった。
現在、教室前。生徒はもう全員席に着いているらしく、廊下には誰もいない。
「先に先生が行くから、呼ばれたら来てね!」
「はい、わかりました」
先生が教室に入っていった。
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
中々呼ばれない。
というか、教室から声が全く聞こえない。
何?最近の高校って教室に防音機能付いてるの?
…ちょっと覗いてみるか。
俺は少しだけ戸を開け、隙間から中を覗く。
その途端、教室から光が溢れる。それも結構な量が。
覗いていた為、目が、目があぁぁぁ‼︎‼︎とはなったが、何かおかしいと思い、戸を勢いよく開ける。
その次の瞬間、訳が分からなかった。
突然浮遊感が俺を襲い、まるで光に包まれた空間の中に投げ出された気分だった。
そして暗転。浮遊感がなくなり、どこか地面に投げ出される。何故か痛みはあったが、怪我はしなかった。
段々と目が慣れてくる。そして視界に飛び込んだ物は…
…灰色の狼や緑の肌の小鬼、ファンタジーな世界によくあるモンスター達だった。
訳が分からなかった、その二。
もう本当に何なの?俺にこんな事して何になるの?
放棄したい頭を何とか繋ぎ止め、俺は落ち着く為‥‥
「‥‥オラァ!!」
取り敢えず近くにいた狼を、殴った。
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