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第6章 街コンカップリングパーティ
次こそカップリング!
しおりを挟む(数日前に行った3人への個人的指導を活かして、街コンで結果を残してくれるといいのだけれど……!)
次は街コンを開催しようと、数日かけて準備をしたアリサは、店の前で呼び込みをしていた。
「参加者の方、こちらでーす!」
ギルドの近くにある小さなカフェを貸切り、街コン会場にすることができた。
そのカフェは、ケビンが毎朝コーヒーを買っていくほど常連なことと、最近結婚相談所きっかけでデートをするようになった男女の来店が多く、繁盛しているからと、快く会場提供に承諾してくれた。
結婚相談所の知名度も、少しずつ口コミで広がっていて嬉しい限りである。
イベントが始まる小一時間ほど前、こじらせ三人衆をカフェの店内へと早めに呼び出し、説明と注意事項を告げていた。
「みなさん、今日行うのは街コンです。
カフェを貸切り、そこに参加者の男女を集めて会話をしていただきます」
「今までのと何が違うのだ?」
もう城下町に来るのに慣れたのか、私服のルビオが相変わらず長い足を組みながら問う。
「エグゼクティブパーティは、立食で自由に会話を楽しむもの。
相席居酒屋は着席し、ひと組とじっくり食事を楽しむものでした。
街コンは、男女で着席し、参加者全員と強制的にお話しできるシステムになっております」
自分から話しかけることが苦手な三人には、全員の女性と短時間ではあるが話せるように組み込まれている街コンがピッタリだと思ったのだ。
「男女向かい合って座り、司会が声をかけたら隣の席へと男性が移動し、順番に全員の異性と話せる仕組みになっています。
15人対15人だった場合、一人と話せるのは、せいぜい十分程度ですね」
アリサが街コンのシステムを説明する。
ぐるぐると回り、全員と効率的に話せるという、人間回転寿司のような仕組みに、婚活業界に勤めるアリサは最初驚いたものだ。
「なるほどな……。しかし、話せる時間が少ないと、あまり相手のことがわからないのでは?」
ケビンは斬新な街コンのシステムに、人見知りの自分がうまくできるか早くも不安そうだ。
「ええ、そのために、短時間でも共通点や話題を見つけることができる、このプロフィールカードを使います!」
全員にプロフィールカードを配り、開始前に書いてもらうのだ。
結婚相談所の登録の際に書いてもらう紙と同様、名前・年齢・出身地・仕事・趣味・特技・好きなタイプ・好きな食べ物・デートに行きたい場所などを書き込む。
そして、自分のプロフィールカードを向かいに座った異性に渡し、お互い交換するのだ。
趣味や好きな食べ物が一緒だったり、出身地が近かったりと、話しながら探る前必要なく、一目で判るようになっている。
そのため、最初の数十秒で相手の人となりがすぐわかり、短い時間でも印象に残る会話ができるという寸法だ。
「確かにこのカードを書けば、相手のことがすぐわかりますね。
でも、大勢の女性をそんなに一度に覚えられるでしょうか」
クレイがプロフィールカードを眺めながら、不安そうに呟く。
「参加者の方には、街コン中に番号札を全員胸元につけていただきます。
そして簡単な番号が降ってあるメモとペンをお渡しします。
相手の番号のところに、簡単なメモを取るといいでしょう」
人数が多くて覚えきれないというのも確かにその通りなので、わかりやすいように男女共に胸元に数字が書かれた番号札をつけるのだ。
そして、話した相手の番号に、「26歳 商人 釣りが趣味」「29歳 剣士 酒が好き」などメモをとり、後でカップリングタイムに使うのである。
ただし、身体的特徴や、○×△のような評価を書かないのが決まりだ。万が一相手の目に触れた際に不愉快になるためである。
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