【完結】婚活アドバイザーが異世界で結婚相談所を開いたらこじらせハイスペ王子たちがご来店されました〜絶対にご成婚していただきますっ!〜

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第7章 趣味コン:魔物狩り

異世界趣味コンは…

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「このフィルタウンは、若い冒険者の方が多いのですよね。
 男女でパーティを組み、魔物を倒す、魔物コン! 
 命懸けでの戦いで生まれる、連帯感、団結力、吊り橋効果!」

 両手を広げ、名案だと言わんばかりにプレゼンするアリサ。


「年齢は二十代の若者限定に縛りをつけることにより、老練の方ではなくフレッシュな人材に。
 週末にすることで人をより集め、自己責任の一言を入れることで、何かあっても炎上せずコンプラも守る、と」


 ブツブツと、細かいイベントの設定を言い連ねる。

 人に集まってほしい、けれど集まり過ぎても困る。

 エグゼクティブパーティのように苦情が来ないように、最初から注意書きをしておく。

 盛り上がってほしいけど、混乱は招きたくない、絶妙な塩梅を考えるのも、婚活アドバイザーの腕の見せ所だ。


「魔物狩りを、婚活につなげるとは……すごい発想ですね」


 クレイが驚きながら、顎に手を置き悩んでいる。


「ふん、私たち二人に合わせたのかもしれんが、現実問題、人が集まるとは思えんな」


 ルビオも眉間に皺を寄せ、訝しげである。


「命の心配がないように、ある程度レベルの高い冒険者限定で、場所は……呪いの森にしましょう。
 ここから近いし、魔物も初心者でも倒せると思います。やってみる価値はあると思うんですけどね」


 もちろん怪我をしたら婚活どころではないので、レベル1の初心者でも問題ない、ゲームのチュートリアルで行く呪いの森という場所に設定する。

 転生した初日に気になったこと。この町は若い男女の冒険者が多いのに、みんな体中傷だらけで、暗い顔だった。

 恋人や家族がいて、守るべき家族がいればきっとモチベーションも上がり、はつらつとした表情になるのではないか。


(相席居酒屋も街コンカップリングパーティも、あまり冒険者の参加が全然いなくて、店員さんや町人ばかりなのが気になっていたのよね。
 冒険者と、ルビオさんクレイさんの二人を同時に出合わせることができるし、魔物コンはピッタリだわ)


 アリサはきっと上手く行くはずだと、胸を張って頷いた。

「また、時間の無駄にならねばいいがな」

 自分の理想の高さを棚に上げ、嫌味を言っているルビオに、


「あら、王子お得意の魔法剣術を使えば、どんな女性もきっと王子にメロメロですよ。
 腕の見せ所ではないですか?」


 と、ヨイショしながら、少し煽るように笑いかける。

 ルビオはゲームの中でも珍しい、魔法と剣技を一体化させた技を使えるのだ。

 炎が燃える剣や、稲妻が走る剣など、見た目も派手かつ強い、王族しか使えないレアなスキルである。

 提案に同意してもらえるかと思ったが、ルビオは腕を組み、アリサを真っ直ぐに見つめた。


「……なぜ私のスキルを、一介の庶民のそなたが知っている」

「え」


 それは、毎日長い通勤時間にゲームアプリをやり込み、土日のイベント期間には課金してガチャ引きまくっていたヘビーユーザーだから、王子のスキルぐらい覚えてるわよ、なんて言えない。

 必殺技は隠しておくものなのだろう。
 ルビオの青い目が疑念に染まっている。


「呪いの森の魔物が弱いというのも、冒険者でもないのによく知ってますね」


 クレイも不思議そうに首を傾げている。


「はは、まあまあ。
 敏腕婚活アドバイザーの、情報収集能力をなめないでくださいよっ!」


 冷や汗をかきながら誤魔化すアリサの表情をじっと見つめ、不審そうにしていたルビオだったが、


「……ふん。まあいいだろう。
 魔物コンとやら、参加するのも悪くない」


 最終的にはなんとか納得してくれた。


「ルビオ王子が出られるのでしたら、私もお供します」

「良かったです! 
 それでは早速、参加者を集めるために宣伝しますね。
 日時が決まりましたらまたお伝えします!」


 次こそはこの二人に合う素敵な相手が見つかるに違いないと、意気込んだ。
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