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エピローグ
幸せな結婚式
しおりを挟む(ルビオ王子の婚約の話は、すぐに町中の噂になったーーー)
町人たちはの話題は、ルビオとアリサのカップル成立の件でここ数日持ちきりだ。
「おい、ルビオ王子が婚約したらしいぞ!」
「え、王子 の相手って一体誰だ?」
「それが、相談所のアリサだそうだ」
「アリサ? ああ、確かに毎日相談所で喧嘩しながらも仲が良さそうだったもんなぁ」
「美男美女だし素敵なカップルじゃない。私は応援するわ!」
「私も!」
町中の人に驚かれるも、ルビオの相手にアリサはピッタリだ、なんなら他にお似合いの相手なんていないと、みんなに歓迎されていた。
異世界から来たアリサが、自分の経験とスキルを使い、人々に笑顔と成婚をもたらした結果、みんながアリサの幸せを祝福してくれたのだろう。
(なんだか恥ずかしいけど、自分の幸せを祝福してもらうのって、こんなに嬉しいんだ)
自分は祝福しカップルを見送る側だったのに、いざ祝福される側になると、くすぐったい気持ちだ。
アリサはワンピースを着て、部屋を出た。
今日はギルドの定休日。
ケイトのレストランへ向かうと、本日貸切という看板が店の前に掲げてあった。
「こんにちは……うわあ、すごい!」
扉を開けてレストランの中へと入ると、目の前に大きく『アリサ♡ルビオ婚約おめでとうパーティ!』という垂れ幕が店のフロアに飾ってあり、テーブルにはたくさんの料理やスイーツが並べてある。
トマトパスタに七面鳥、ビーフシチューにカルパッチョ。カヌレにティラミス、いちごタルト。
「うわあ、私の好物ばっかり……! いいんですか?」
「もちろん! 今日の主賓はアリサなんだから、たくさん食べて楽しんでね」
「ほんとめでたいよなぁ、酒もあるぞ!」
婚約の話を聞き、ケイトとジョンのカップルが店を貸切り、婚約パーティを開いてくれたのだ。
相席居酒屋やイベントの二次会で場所を借りているだけでもありがたいのに、気の利く二人である。
店には、一組目のカップル、魔法使いローザと僧侶ハリー、そしてクレイとエマ、ケビンとレイラも招かれていた。
「ローザさん、ハリーさん! 新婚生活はどうですか?」
「お陰様で、仲良くやってます」
「アリサおめでとう、素敵な彼氏ね」
地味な僧侶は嫌だと言っていた気の強いローザも、穏やかなハリーのそばにいるからかだいぶ柔らかい雰囲気になったようだ。
「まさかルビオ王子の相手にアリサがなるとはなあ」
「アリサさんはとても素敵な女性なのに、相談所のお仕事が忙しそうで心配だったので、安心しました」
ジョンの驚きの言葉に、クレイが返答する。
自分も業務が忙しくて恋愛する暇がなかったからこそ、多忙なアリサを心配してくれていたようだ。
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