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君の秘密を教えて

君の秘密を教えて 第一話

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 気が付けばもう外には朝日が昇っていて、朝日が部屋の中に差し込んでいる。
 俺と瞬ちゃんは日の光に照らされて、お互いの心が其処にあることを確かめ合っていた。
 瞬ちゃんのベッドの上で転がりながら甘ったるい優しいキスをする。
 
「祐希、好き……………」
 
 瞬ちゃんがそう囁きながら唇に唇を重ねる。
 俺はキスの合間の息継ぎにその言葉の返事を返した。
 
「俺も……俺も好きだよ………」
 
 瞬ちゃんは俺が好きだと囁くといっぱいいっぱいの顔をする。
 でも今日の瞬ちゃんのその表情は幸せそうだ。
 好きと囁いて好きと返ってくることは幸せな事なんだと思う。
 瞬ちゃんが俺の身体に乗り上げて、俺の口の中深くに舌を滑らせる。
 その時に瞬ちゃんがまたベッドの方に身体を預けた。
 何時もだったなら俺の上に乗り上げて、大体其処からエッチな事をしている筈だ。
 
「どうしたの瞬ちゃん?」
 
 俺が瞬ちゃんに問いかければ、瞬ちゃんは顔を真っ赤に染めて目を逸らす。
 そしてほんの少しだけ言いづらそうにこういった。
 
「や…………あんまりすると、シタくなるから………。
まだお前に無理掛けたばっかだし…………」
 
 なにそれ滅茶苦茶可愛い。
 誘い文句としては十分な程の愛らしさに、思わずいたずら心が芽生える。
 瞬ちゃんの身体の上に乗り上げてわざと瞬ちゃんを見下ろして見せる。
 すると瞬ちゃんが顔を真っ赤に染めたまま一瞬凍り付いた。
 
「祐希!!お前こないだあれだけしたろ!?」
 
 瞬ちゃんが慌てながらそう言うのを見下ろしながら、俺はニヤニヤ笑って見せる。
 そして飛び切り甘ったるい声色でこういった。
 
「もう欲しいって言ったら、シテくれる?」
 
 たじろぐ瞬ちゃんの上で着ているワンピースを脱ぎ捨てる。
 今日着ている下着は真っ白な総レースだ。
 際どい所に穴が開いていて、正直あんまり着ている意味はない。
 今まで以上にエロい下着を目の前にして、瞬ちゃんが言葉を失っている。
 暫しの沈黙の後瞬ちゃんがこういった。
 
「あのさ…………まさかお前この下着のままで、待ってたの………?」
 
 此処に来る前に秀人と話した時に、告白のついでに好きな人が喜ぶようなものをあげろとアドバイスされた。
 瞬ちゃんの好きそうなもので俺があげられるもの。
 それを考えた結果、エッチな事でしか思考が働かなかったのだ。
 
「うん………このまま来ちゃった………」
 
 そう囁いて舌を出して見せれば、俺の下にいる瞬ちゃんが小さく舌打ちをする。
 それから俺の身体をベッドに倒して、ほんの少しだけ怒ったような表情を浮かべた。
 
「お前………俺のいない時に襲われてもこんななら文句言えないだろ………!?」
 
 あれ……?瞬ちゃん、喜んでいない……?
 瞬ちゃんが俺の手首を押さえつけて、俺の胸元の突起を唇で挟む。
 先端に舌を這わせた瞬間俺の身体がゾクリと震えた。
 
「あ…………!!!」
 
 小さく嬌声を漏らした俺の耳元で瞬ちゃんが囁く。
 
「祐希、お仕置きだ……」
 
 意地悪に笑う瞬ちゃんを何だか久しぶりにみた気がする。
 俺はその表情を見ながら、ぶっちゃけ期待してしまっていた。
 
***
 
「ん………しゅんちゃ………!!!こんなのどこで、いつかったのっ……!?!?」
 
 部屋の中でバイブレーターの音が響き渡る度に、俺は何だか物凄く恥ずかしい気持ちになる。
 今俺の中には先端が少しだけ膨れ上がった玩具が入っている。
 それがさっきから異様な位に俺の好きな所を刺激する。
 
「いや………いつか使おうと思って買ったんだよな」
 
 まさか使うタイミングが恋人同士になった瞬間とは、どれだけ瞬ちゃんは堪え性が無いのだ。
 これじゃあ絶対に女の子にはモテないだろう。
 
「ふ………ふつういま使う……?」
 
 これでも一応二人の両想い記念日であろうに。
 思わず俺がツッコミを入れれば呆れた顔の瞬ちゃんが嘆く。
 
「局部穴あきのパンツで家から露出してくる変態に言われたくない」
 
 ………あ、そう言われてしまうと結構耳が痛い。
 瞬ちゃんがバイブの取っ手部分を手にして、俺の中に出し入れするような要領で動かす。
 その簡単な動作だけで身体が一気に震えだした。
 
「うぁっ……!!!ダメ………!!!それだめ……ぇ……!!!」
 
 一突き一突きの威力が高すぎて頭が自然とぼうっとする。
 今多分俺の顔は物凄くだらしないと思う。
 瞬ちゃんが楽しそうに俺の顔を覗き込んで、ご機嫌な表情を浮かべている。
 そしてまるで煽るかの如くにこういった。
 
「祐希は俺のと玩具、どっちが気持ちよくなんのかな?」
 
 俺の身体の中を玩具で遊ばれる度にガクガク足を震わせる。
 さっきからずっと声が止まらなくて、喉を枯らしてしまいそうだ。
 正直これはこれで嫌いではないけれど瞬ちゃんの熱が恋しい。
 
「っ………はぁ……っ!!しゅんちゃんのが……ほしい……」
 
 俺がそう言いながら瞬ちゃんの着ているTシャツの裾を掴むと、瞬ちゃんが満足気に笑う。
 そして俺の中で暴れ回っている玩具を勢いよく抜いた。
 
「んあっ!!!!」
 
 俺のものからトロリと何かが溢れて、身体がゾクリと冷えた気がする。
 ほんの少しだけシーツを少量の白濁が汚したのに気付いて、軽くイったのを自覚した。
 でもこんな身体のままで瞬ちゃんが入ってきたら、俺はまたこの間みたいにおかしくなってしまう。
 
「祐希」
 
 瞬ちゃんが俺の身体を起こして、向かい合うように抱きしめる。
 もう瞬ちゃんのものにはゴムが付けらえていて、何時でも俺の中に入ることが出来そうだ。
 瞬ちゃんは吐息交じりに俺の耳元で囁く。
 
「これ欲しいなら、自分で入れて………?」
 
 もうセックスは瞬ちゃんとしているけれど、流石にこの大きなものを自分から入れるのは怖い。
 恐る恐る入り口に宛がって体重をかければ物凄い異物感がした。
 
「んう………あっ、これきつ………!!!」
 
 瞬ちゃんのが熱くて大きくて、下手に動けばいつイってしまうか解らない。
 そんな余裕のない俺の顔を自分に向けて、瞬ちゃんが俺の唇に唇を重ねた。
 瞬ちゃんの唇の柔らかさを感じながら更に飲み込んでゆけば、急に俺の好きなところが擦れる。
 目の前がチカチカして頭がおかしくなってしまう。
 
「玩具より俺ののが反応良いな……!!!」
 
 瞬ちゃんがそう囁いた瞬間に身体を激しく揺さぶられる。
 それだけで俺の中がキュウキュウ締まって、余計に気持ちがいい場所が擦れた。
 
「っぁあああああ!!!!だめぇえええ!!!!イクからぁぁぁぁぁ!!!!!」
 
 悲鳴みたいな喘ぎ声が出た瞬間に、涙が勝手に溢れてきてしまう。
 グチャグチャに乱れて喘ぐ俺を見守りながら、瞬ちゃんは何だかとても幸せそうだ。
 こんなに嬉しそうな瞬ちゃんの顔を見たのは初めてだ。
 起きている事さえ出来ずにベッドの上に身体を投げ出す。
 並みの運動をしたってこんなに汗が出る事は無い。
 
「しゅんちゃんのいじわる………どすけべ……」
 
 俺はそう囁きながら激しく乱れた息を整える。
 すると瞬ちゃんは俺の脚を自分の肩に乗せて、甘い言葉で囁く。
 
「……お前の事どうしても、もっとイカせたくなっちゃってさ」
 
 瞬ちゃんが俺の身体を揺さぶりながら、舌を深く絡めるキスをする。
 この腕が好き。このキスが好き。全てが愛しくて仕方ない。
 今にもイってしまいそうな身体のままで、譫言みたいに瞬ちゃんに囁く。
 
「あ……!!すき………だいすき……!!だいすきっ…………!!!」
 
 瞬ちゃんはそんな俺の耳に舌を這わせてからこういった。
 
「あいしてる……」
 
 身体が思いっきり跳ねた瞬間に俺のものから白濁が溢れてゆく。
 そして俺はこの日も瞬ちゃんの腕の中で、グズグズに溶けてしまったのだ。
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