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第四章 許されないことだとしても
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「最初にお父さんに出逢ったのは確か紅と同じ年ごろだった気がするわ」
……確か?
「そう、高一か高二、どっちだったっけな」
アハハと呑気に笑う母にため息が出た。
「二度目に出逢った時にはお父さんは私のことなんか全然覚えてなかったんだけど。でも私はずっとお父さんのことが忘れられなかったから」
「お母さんの言っていることがよくわかんないの、まず最初の出会いから教えてくれる?」
そのまま話させておいたらただのノロケ話になりそうなほど母が少女のように浮かれだしたので話を巻き戻す。
「あの時、朝の通勤ラッシュの時間帯にね、私本を読みながら電車を待ってたのよ。集中してたから周りは見えてなかったの。そうしたら後ろからドンっと押されて気付いたらホームから落っこちてたの」
え、そんな怖い話を笑顔でのほほんと話せる母って何者!?
「電車は来なかったの? ホームの下の避難場所に隠れられたの?」
矢継ぎ早な質問に母は笑いながら首を振る。
「落ちた時は痛かったわよ、とってもとっても。打ち付けたようなもんでしょ、落下したんだもの。膝から下もそうだけど手だって痺れるぐらいに痛くって。それに向こうからやってくる電車が警笛鳴らしてどんどんその光が大きくなるのも見えるでしょ? ああなちゃったら人間恐怖で1ミリも動けないの、死ぬんだなって思って目を瞑ったの。だってもう今、紅が座ってる場所くらいに電車が迫ってたんだもの」
私と母の距離はテーブルを挟んで約1メートル?
それで何で無事なの!?
動けなかったはずの母がどうやって生還できたの!?
私の頭の中の疑問符はある人物の登場により全てクリアとなる。
「もうダメだって目を瞑った瞬間に、誰かが私を抱きしめてくれた感触がしたの。感じたことのないくらいの轟音と風が通過していってね。聞いたことないほどの電車のブレーキ音がしたの。で、目を開けたら、目の前にすごくキレイな男の人の顔があって」
ああ、そうか、それなのね?
「『大丈夫か? 無事か?』と訊ねられて頷いたら微笑んでくれた。赤い髪色と赤みがかった瞳、それがあなたのお父さん」
……ふふふ、なんて笑ってる母だけど、ね?
多分それだと思うんだよ、父が時空界を追放された理由。
人間の寿命には関わってはいけない。
お父さんが禁忌を犯したのは、母を助けてのことだったんだ。
……確か?
「そう、高一か高二、どっちだったっけな」
アハハと呑気に笑う母にため息が出た。
「二度目に出逢った時にはお父さんは私のことなんか全然覚えてなかったんだけど。でも私はずっとお父さんのことが忘れられなかったから」
「お母さんの言っていることがよくわかんないの、まず最初の出会いから教えてくれる?」
そのまま話させておいたらただのノロケ話になりそうなほど母が少女のように浮かれだしたので話を巻き戻す。
「あの時、朝の通勤ラッシュの時間帯にね、私本を読みながら電車を待ってたのよ。集中してたから周りは見えてなかったの。そうしたら後ろからドンっと押されて気付いたらホームから落っこちてたの」
え、そんな怖い話を笑顔でのほほんと話せる母って何者!?
「電車は来なかったの? ホームの下の避難場所に隠れられたの?」
矢継ぎ早な質問に母は笑いながら首を振る。
「落ちた時は痛かったわよ、とってもとっても。打ち付けたようなもんでしょ、落下したんだもの。膝から下もそうだけど手だって痺れるぐらいに痛くって。それに向こうからやってくる電車が警笛鳴らしてどんどんその光が大きくなるのも見えるでしょ? ああなちゃったら人間恐怖で1ミリも動けないの、死ぬんだなって思って目を瞑ったの。だってもう今、紅が座ってる場所くらいに電車が迫ってたんだもの」
私と母の距離はテーブルを挟んで約1メートル?
それで何で無事なの!?
動けなかったはずの母がどうやって生還できたの!?
私の頭の中の疑問符はある人物の登場により全てクリアとなる。
「もうダメだって目を瞑った瞬間に、誰かが私を抱きしめてくれた感触がしたの。感じたことのないくらいの轟音と風が通過していってね。聞いたことないほどの電車のブレーキ音がしたの。で、目を開けたら、目の前にすごくキレイな男の人の顔があって」
ああ、そうか、それなのね?
「『大丈夫か? 無事か?』と訊ねられて頷いたら微笑んでくれた。赤い髪色と赤みがかった瞳、それがあなたのお父さん」
……ふふふ、なんて笑ってる母だけど、ね?
多分それだと思うんだよ、父が時空界を追放された理由。
人間の寿命には関わってはいけない。
お父さんが禁忌を犯したのは、母を助けてのことだったんだ。
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