約束の未来~Re:set~

東 里胡

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第四章 許されないことだとしても

4-19

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「紅ちゃんは、どっち、って。……何かもう決めたみたいな顔してるけれど」

 頬を膨らました宵がいじけたように私をじーっと見つめている。

「ごめん、宵。私、」

 ついさっきまで固まってた決心が一気に都合の良い話に傾いてしまったことに、
申し訳なさで宵の目をまともに見れない。

「紅ちゃんが時空界に来れないってことは、オレも困るし一族もすっごい困るんだよね?」

 はあって聞こえた大きなため息に責め立てられているようで、何も言えずにいた。

「もう、いいよ」
「え?」
「紅ちゃんの好きにして」
「宵、ごめん、私」
「だって、オレもズルいことしたもん。本当ならオレの能力ちからでメイちゃんを助けてあげられることもできたのに、紅ちゃん欲しさに駆け引きしちゃった。ごめんね?」

 優しい掌が、私の頭をポンポンと優しく撫でてくれる。
 
「それだけじゃないだろ、宵。君の能力ちからでメイちゃんを助けたなら、すぐに君は追われる身になってにはいられなくなる。紅に、逢いにもなかなか来られなくなる、だからだろう?」

 あ、だから、か。
 私と一緒にいるために?
 
「碧くん言わないでよ、何か格好悪いじゃん」

 ふんっと碧から顔を背けた宵の顔が恥ずかしそうだった。
 そこに宵が私のことを思ってくれたんだ、という真実が浮き彫りになってるみたいで、なんだか心が温かくなる。

「ありがとう、宵」

 そんなに私のこと好きになってくれて。
 その言葉は飲み込んだ。
 だけど、だからこそ、罰は自分一人で受ける。
 元々時空界なんて私にとっては別世界だ。
 そこに行けなくなったとしても、何一つ失わない。
 ただ私の能力ちからを交えなければ、黒一族の時間を巻き戻す能力ちからが少しずつ弱まることだけは、許してほしい。

「別に、いいよ? 紅ちゃんの好きにしてって言ったでしょ?」

 その刹那、宵の匂いに包まれた。
 
「本当に大好きだったんだ、紅ちゃんのこと」

 強く抱きしめられてこれが最後、と思えるぐらいの優しい声に私は何度も頷いた。
 ありがとう、って何度も唱えながら。

「ひっつき過ぎ、宵!! 長い!!」

 碧に引き剥がされるように私から離された宵が苦笑してる。

「そんなに妬かないでよね、碧くんってば」

 宵の揶揄に私は目を丸くして、碧は、

「っ、そんなんじゃない!!」

 と激怒していた。

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