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第四章 許されないことだとしても
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「それでは開廷します。被告人『一ノ瀬紅』は前に出てください」
裁判官三人と検察官らしき人物、頼りの弁護人は見当たらない。
広い傍聴席には人影もおらず、証人は多分私の横に立つ碧と宵だけ。
一方的なものであるのは法を学んでいなくたって理解できる。
裁かれるためだけに開かれる裁判。
私への判決を下すためだけに、今宵現れたのだ。
「それでは、これから被告人に対する人命寿命関与事件について審理します。検察官は起訴状を朗読してください」
「公訴事実 被告人は本日午後十八時六分、〇〇区一丁目交差点において、本来ならばそこで寿命を終えるはずであった幼児 桜庭芽生の命を時間巻き戻し能力を用いて延命したものである。延命罪、刑法 第二百五十二条 第一項以上について審理願います」
まどろっこしい長い説明の割には罪状は延命罪、それが罪だっていうならどうぞご自由にだ。
「被告人はこの法廷で何も答えないでいることもできるし、発言することもできます。ただし被告人が発言した内容は、それが被告人に有利なことも不利なことも、すべて証拠となりますので注意してください。今、検察官が朗読した公訴事実について被告人にお尋ねしますが、内容はそのとおりですか?それともどこか違うところがありますか?」
穏やかな口調、気取った物言い、まるで昔の鉄仮面のような顔していた碧みたいでいけ好かない。
「異議はありません、事実そのとおりです」
ドラマならここで弁護人が登場したり被告人が異議を申し立てるところだと思うけれど、私のしたことの一部始終はわかっているんだろうし、もう逃げも隠れもしない。
というか、そんな場所はない。
「では証人、碧前へ」
アジュール?
前に出た碧のもう一つの名前だろうか?
きっと時空界では、碧はそう呼ばれているのか。
「宵も一緒でも構いませんか? どうせ本来の形式をとってもいないようですし構わないでしょう?」
オーブと呼ばれた宵は、振り返った碧を見て微笑んでいる。
お互いに時空界での名前を知っていたんだ。
「宣誓書も省きます、が二人とも嘘偽りは申しません」
碧の横に並んだ宵は、見様見真似で碧と同じように右手を揚げた。
碧のお父さんである裁判官は二人を見まわして、いいでしょう、と頷いた。
裁判官三人と検察官らしき人物、頼りの弁護人は見当たらない。
広い傍聴席には人影もおらず、証人は多分私の横に立つ碧と宵だけ。
一方的なものであるのは法を学んでいなくたって理解できる。
裁かれるためだけに開かれる裁判。
私への判決を下すためだけに、今宵現れたのだ。
「それでは、これから被告人に対する人命寿命関与事件について審理します。検察官は起訴状を朗読してください」
「公訴事実 被告人は本日午後十八時六分、〇〇区一丁目交差点において、本来ならばそこで寿命を終えるはずであった幼児 桜庭芽生の命を時間巻き戻し能力を用いて延命したものである。延命罪、刑法 第二百五十二条 第一項以上について審理願います」
まどろっこしい長い説明の割には罪状は延命罪、それが罪だっていうならどうぞご自由にだ。
「被告人はこの法廷で何も答えないでいることもできるし、発言することもできます。ただし被告人が発言した内容は、それが被告人に有利なことも不利なことも、すべて証拠となりますので注意してください。今、検察官が朗読した公訴事実について被告人にお尋ねしますが、内容はそのとおりですか?それともどこか違うところがありますか?」
穏やかな口調、気取った物言い、まるで昔の鉄仮面のような顔していた碧みたいでいけ好かない。
「異議はありません、事実そのとおりです」
ドラマならここで弁護人が登場したり被告人が異議を申し立てるところだと思うけれど、私のしたことの一部始終はわかっているんだろうし、もう逃げも隠れもしない。
というか、そんな場所はない。
「では証人、碧前へ」
アジュール?
前に出た碧のもう一つの名前だろうか?
きっと時空界では、碧はそう呼ばれているのか。
「宵も一緒でも構いませんか? どうせ本来の形式をとってもいないようですし構わないでしょう?」
オーブと呼ばれた宵は、振り返った碧を見て微笑んでいる。
お互いに時空界での名前を知っていたんだ。
「宣誓書も省きます、が二人とも嘘偽りは申しません」
碧の横に並んだ宵は、見様見真似で碧と同じように右手を揚げた。
碧のお父さんである裁判官は二人を見まわして、いいでしょう、と頷いた。
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