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男爵令嬢【BADEND】※閲覧注意
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暴力的な表現が多々あります。
閲覧にはご注意ください。
念の為、R15とさせていただきます。
投稿するか迷いましたが、こんな終わりもあるのかと思います
■□■□■□■□■□■□■□■
「お父様っ、あの件はどうなってんの?」
父親が帰ってきたのを確認し、適当な理由をつけ急いで部屋を飛び出し、止める執事を振り切り父親の部屋に飛び込む。
「勝手に入ってくる奴があるか。早く部屋に戻れ!出てくるな!」
振り返り際に怒鳴られるけど時間がないのよ。
「時間がないのよ。あいつらに気づかれたら・・・」
・・・気づかれたらどうなるか。
一人が二人を呼び、二人が三人を呼んで、あたしは。
「駄目だ」
「何でっ?」
「お前が居なくなったら誰があの三人の八つ当たりを受けるんだ。解雇も許されんのだ。元々お前のせいなのだから責任をとれ!」
「嫌よ。何だっていいから家から出してよ」
─コンコン
「誰だ?」
「シルヴェストです」
き、気づかれた?
咄嗟に父親の疲れた顔を見たけど非情にも裏切られた。
「入れ」
「失礼します。・・・おやローズ様、ここにいらしたのですか?アーシェスが居ないと騒いでいるよ。早く帰らないとガドウィンの機嫌も悪くなる」
感情が全くこもらない無表情のシルヴェストに告げられ、勝手に体がガタガタと震える。
「寒いのですか?火でも点けますか?」
「嫌っ。ごめん、ごめんなさい。寒くないの。大丈夫よ」
また火で背中を焼かれたくない。
焦げた髪は切られて短いまま、あの時の恐怖が蘇えって震え出す。治癒魔法を使っても痛みも爛れもすぐに引かないで何日も寝込んだ。
痛みよりあの三人につきっきりで看病される方が怖い。
「そうですか。旦那様、頼まれていた仕分けた手紙は書斎にあります。わたしが判断できぬ物は中央です」
お父様に話し掛けているのに視線を感じる。目を合わせないようにするだけで精一杯になる。
「分かった。わたしは食事を摂る。ローズはシルヴェストと部屋に戻れ」
「お父様っ!」
何で助けてくれないの?
親なのに娘を見捨てるの?
「ローズ様、旦那様を煩わせないで下さい。本当にお前は自分勝手で我儘な女だな。行くぞ。─では失礼します」
「痛っ」
強引に腕を掴まれ、引きずりだすように部屋から出される。
廊下ですれ違う者はいない。
使用人は学園に入学する前よりあきらかに減っていた。
今は平民に成り下がったけど、そうでなければ未来の宰相や騎士、宮廷魔道士だったかもしれない三人に父親は逆らえない。
あいつらは基本好き放題に過ごしている。
しかも、これは王様が命令したからって辞めさせれないって。わたしが原因だから面倒見ろって。何でよ、勝手に自滅した奴が悪いんじゃない。
恩赦によってあの監獄みたいな修道院から家に帰って、前は失敗したけど今度は上手くやろうと思ってたのに。
帰ったら、あいつらが居た。
平民落ちして、家にいるなんてあの女は言わなかった。
あの女は王子と結婚して自分だけ幸せになって、どうしてあたしだけ不幸にならないといけないの?あたしはヒロインだよ。
「お前が考え事をするとは百年早い。勝手に部屋を出ていいと誰が言った馬鹿女」
シルヴェストはあたしに歩調を合わせる気は無い。
転びそうになろうがお構いなしで、腕に痣が出来ても治療魔法があるから気にしない。
偉そうにあたしを罵る事ばかり。人を馬鹿にした顔か、無表情だ。
何でこいつがクールなイケメンと思ってたんだろう。嫌味でネチネチした顔だけの男。
屋敷の奥があたしの部屋になった。正妻が死んだらしい部屋。他殺ではなく心臓発作だったらしいけど、それ以降使われないようになった部屋にあたしは押し込められてる。
その近くが一応こいつらの部屋。だけど、あたしを監視する為か一人か二人は確実にあたしの部屋に居座る。今も居るはず。
あたしはあいつらの捌け口になった。
修道院でも、教会でも、どっかの貴族の家でもいいから、ここから出たい。誰も助けてくれない。
何でたかが婚約者のいる男と仲良くなっただけでこんな目に合わないとなんないの。あたしは悪くない。引っかかる方が悪い。
「ローズっ」
部屋に着き扉を開いたシルヴェストが、腕を更に引いて強引にあたしを中にいれた。
腕にはきっと痣が出来ていると思う。まだ魔法を使っては駄目だ。いつも、きっともっと嫌なことがおこるから。
忙しなく部屋を歩いていたアーシェスが近寄る。
「どこ行ってたの?トイレにもお風呂にもいなかった。・・・ねぇもしかしてシルヴェストと?」
「違う。違うよ。シルヴェストはお父様の部屋で会ったの」
「ローズは父親とそういう関係なの?僕らじゃ満足出来ないの?三人じゃ足りないの?僕は、僕にはもうローズしか残ってないのに・・・ローズはまだ他の男が欲しいの?」
「違う。お父様とは話してただけ。何にもない。だって親子よ」
「本当に?」
「本当よ」
アーシェスの目が怖い。こいつはあたしから離れない。どこでも着いてくる。トイレや風呂まで着いてこようとするから何とか頼み込んで入って来ないようにしてもらった。だけど、こうして一定時間に戻らないと騒ぎ出す。
閲覧にはご注意ください。
念の為、R15とさせていただきます。
投稿するか迷いましたが、こんな終わりもあるのかと思います
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「お父様っ、あの件はどうなってんの?」
父親が帰ってきたのを確認し、適当な理由をつけ急いで部屋を飛び出し、止める執事を振り切り父親の部屋に飛び込む。
「勝手に入ってくる奴があるか。早く部屋に戻れ!出てくるな!」
振り返り際に怒鳴られるけど時間がないのよ。
「時間がないのよ。あいつらに気づかれたら・・・」
・・・気づかれたらどうなるか。
一人が二人を呼び、二人が三人を呼んで、あたしは。
「駄目だ」
「何でっ?」
「お前が居なくなったら誰があの三人の八つ当たりを受けるんだ。解雇も許されんのだ。元々お前のせいなのだから責任をとれ!」
「嫌よ。何だっていいから家から出してよ」
─コンコン
「誰だ?」
「シルヴェストです」
き、気づかれた?
咄嗟に父親の疲れた顔を見たけど非情にも裏切られた。
「入れ」
「失礼します。・・・おやローズ様、ここにいらしたのですか?アーシェスが居ないと騒いでいるよ。早く帰らないとガドウィンの機嫌も悪くなる」
感情が全くこもらない無表情のシルヴェストに告げられ、勝手に体がガタガタと震える。
「寒いのですか?火でも点けますか?」
「嫌っ。ごめん、ごめんなさい。寒くないの。大丈夫よ」
また火で背中を焼かれたくない。
焦げた髪は切られて短いまま、あの時の恐怖が蘇えって震え出す。治癒魔法を使っても痛みも爛れもすぐに引かないで何日も寝込んだ。
痛みよりあの三人につきっきりで看病される方が怖い。
「そうですか。旦那様、頼まれていた仕分けた手紙は書斎にあります。わたしが判断できぬ物は中央です」
お父様に話し掛けているのに視線を感じる。目を合わせないようにするだけで精一杯になる。
「分かった。わたしは食事を摂る。ローズはシルヴェストと部屋に戻れ」
「お父様っ!」
何で助けてくれないの?
親なのに娘を見捨てるの?
「ローズ様、旦那様を煩わせないで下さい。本当にお前は自分勝手で我儘な女だな。行くぞ。─では失礼します」
「痛っ」
強引に腕を掴まれ、引きずりだすように部屋から出される。
廊下ですれ違う者はいない。
使用人は学園に入学する前よりあきらかに減っていた。
今は平民に成り下がったけど、そうでなければ未来の宰相や騎士、宮廷魔道士だったかもしれない三人に父親は逆らえない。
あいつらは基本好き放題に過ごしている。
しかも、これは王様が命令したからって辞めさせれないって。わたしが原因だから面倒見ろって。何でよ、勝手に自滅した奴が悪いんじゃない。
恩赦によってあの監獄みたいな修道院から家に帰って、前は失敗したけど今度は上手くやろうと思ってたのに。
帰ったら、あいつらが居た。
平民落ちして、家にいるなんてあの女は言わなかった。
あの女は王子と結婚して自分だけ幸せになって、どうしてあたしだけ不幸にならないといけないの?あたしはヒロインだよ。
「お前が考え事をするとは百年早い。勝手に部屋を出ていいと誰が言った馬鹿女」
シルヴェストはあたしに歩調を合わせる気は無い。
転びそうになろうがお構いなしで、腕に痣が出来ても治療魔法があるから気にしない。
偉そうにあたしを罵る事ばかり。人を馬鹿にした顔か、無表情だ。
何でこいつがクールなイケメンと思ってたんだろう。嫌味でネチネチした顔だけの男。
屋敷の奥があたしの部屋になった。正妻が死んだらしい部屋。他殺ではなく心臓発作だったらしいけど、それ以降使われないようになった部屋にあたしは押し込められてる。
その近くが一応こいつらの部屋。だけど、あたしを監視する為か一人か二人は確実にあたしの部屋に居座る。今も居るはず。
あたしはあいつらの捌け口になった。
修道院でも、教会でも、どっかの貴族の家でもいいから、ここから出たい。誰も助けてくれない。
何でたかが婚約者のいる男と仲良くなっただけでこんな目に合わないとなんないの。あたしは悪くない。引っかかる方が悪い。
「ローズっ」
部屋に着き扉を開いたシルヴェストが、腕を更に引いて強引にあたしを中にいれた。
腕にはきっと痣が出来ていると思う。まだ魔法を使っては駄目だ。いつも、きっともっと嫌なことがおこるから。
忙しなく部屋を歩いていたアーシェスが近寄る。
「どこ行ってたの?トイレにもお風呂にもいなかった。・・・ねぇもしかしてシルヴェストと?」
「違う。違うよ。シルヴェストはお父様の部屋で会ったの」
「ローズは父親とそういう関係なの?僕らじゃ満足出来ないの?三人じゃ足りないの?僕は、僕にはもうローズしか残ってないのに・・・ローズはまだ他の男が欲しいの?」
「違う。お父様とは話してただけ。何にもない。だって親子よ」
「本当に?」
「本当よ」
アーシェスの目が怖い。こいつはあたしから離れない。どこでも着いてくる。トイレや風呂まで着いてこようとするから何とか頼み込んで入って来ないようにしてもらった。だけど、こうして一定時間に戻らないと騒ぎ出す。
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