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始まりの音
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桜の木が色づき、満開を迎える4月某日
ここは朝ヶ丘中学校。
今日は新たな門出を迎える始業式。
クラス替えで校内がざわめき立つ。
そんななか…1人校舎の敷地内を歩く女子生徒。
「すっかり春だなぁ…中学校生活1年が終わり、あっという間に2年目を迎えちゃったなぁ」
兎咲(うさき)ひより。中学校2年生。
成績まぁまぁ。運動大好きの普通の中学生。
「あれ…こんな所に桜の木があったんだ」
ひよりは体育館裏の静かにそびえ立つ桜の木の下に立ち、ゆっくりと見上げる。
「すごい…1本だけしかないのにすごい存在感…陽も優しく照らしてくれるから気持ちいい!お気に入りの場所になりそう!」
ひよりが桜を見上げながら、独り言を呟いていると、足元にバスケットボールが転がってきた。
「ん…?バスケットボール…?」
「あーごめんなさーい取ってくださーい」
「あ…はい」
クリーム色の髪の毛に半袖Tシャツの男子が手を挙げて走ってきた。
ひよりは走ってきた男子にバスケットボールを手渡しした。
「ありがとう」
「いえ…」
「わぁ…!すげーキレイな桜!俺、桜大好きなんだよね!きみ、これ見てたんだ?」
「は、はい。」
「いいとこ見つけたね!今まで見てきた桜の中でいちばんきれいだ!この街に来てよかった…」
「え?」
「俺…」
「おーい!始業式始まるぞー!!!」
「おうっ!じゃあね!」
「あっちょっと!」
引き止める間もなく、その男子はバスケットボールを持って走り去って行ってしまった。
(行っちゃった…)
「名前…聞けなかった。でも…かっこいい人だったなぁ…何年生なんだろ?」
ひよりは歩き出し、校舎内に戻った。
ー2年2組ー
「ちょっとひより!どこ行ってたのよ!」
杉崎逢夢(あむ)。ひよりの幼なじみ。
ひよりの良き理解者。
「もうすぐ始業式始まるってのに!」
「ごめん、校内の散歩してたらちょっとね…」
「何よ、ちょっとってー!」
「いや、それは…」
「…?あー、さては…」
「何よ…」
ひよりは頬を少し染めながら、逢夢から距離を取ろうと後ずさる。
「ひよりさーん?名探偵逢夢ちゃんを舐めてもらっちゃあ困りますなぁ~」
「だ、だから何よ…!」
逢夢はニヤニヤしながら人差し指を、ひよりの鼻先にちょんっと当てる。
「ず、ば、り!恋しましたね?」
「な…そ、そんなんじゃ…」
「いーや!それは恋してる表情よ?今は完璧恋じゃなくても、一目惚れしてこの先恋に進展するわね~」
「…はぁ、逢夢には嘘つけないわね」
「やっぱり!校内敷地を散歩中にいい出会いがあったのね~!どんな人?」
「えっと…」
ピンポンパンポーン
ひよりが話始めようとした矢先、アナウンスが鳴り響いた。
''2.3年生に連絡します。9:05より体育館にて始業式を行います。身なりを整え、体育館に集合してください。繰り返します…''
「ほら、ひより、始業式行こ」
「うん、そうだね」
ひよりと逢夢は教室を出て、体育館へと向かった。
ここは朝ヶ丘中学校。
今日は新たな門出を迎える始業式。
クラス替えで校内がざわめき立つ。
そんななか…1人校舎の敷地内を歩く女子生徒。
「すっかり春だなぁ…中学校生活1年が終わり、あっという間に2年目を迎えちゃったなぁ」
兎咲(うさき)ひより。中学校2年生。
成績まぁまぁ。運動大好きの普通の中学生。
「あれ…こんな所に桜の木があったんだ」
ひよりは体育館裏の静かにそびえ立つ桜の木の下に立ち、ゆっくりと見上げる。
「すごい…1本だけしかないのにすごい存在感…陽も優しく照らしてくれるから気持ちいい!お気に入りの場所になりそう!」
ひよりが桜を見上げながら、独り言を呟いていると、足元にバスケットボールが転がってきた。
「ん…?バスケットボール…?」
「あーごめんなさーい取ってくださーい」
「あ…はい」
クリーム色の髪の毛に半袖Tシャツの男子が手を挙げて走ってきた。
ひよりは走ってきた男子にバスケットボールを手渡しした。
「ありがとう」
「いえ…」
「わぁ…!すげーキレイな桜!俺、桜大好きなんだよね!きみ、これ見てたんだ?」
「は、はい。」
「いいとこ見つけたね!今まで見てきた桜の中でいちばんきれいだ!この街に来てよかった…」
「え?」
「俺…」
「おーい!始業式始まるぞー!!!」
「おうっ!じゃあね!」
「あっちょっと!」
引き止める間もなく、その男子はバスケットボールを持って走り去って行ってしまった。
(行っちゃった…)
「名前…聞けなかった。でも…かっこいい人だったなぁ…何年生なんだろ?」
ひよりは歩き出し、校舎内に戻った。
ー2年2組ー
「ちょっとひより!どこ行ってたのよ!」
杉崎逢夢(あむ)。ひよりの幼なじみ。
ひよりの良き理解者。
「もうすぐ始業式始まるってのに!」
「ごめん、校内の散歩してたらちょっとね…」
「何よ、ちょっとってー!」
「いや、それは…」
「…?あー、さては…」
「何よ…」
ひよりは頬を少し染めながら、逢夢から距離を取ろうと後ずさる。
「ひよりさーん?名探偵逢夢ちゃんを舐めてもらっちゃあ困りますなぁ~」
「だ、だから何よ…!」
逢夢はニヤニヤしながら人差し指を、ひよりの鼻先にちょんっと当てる。
「ず、ば、り!恋しましたね?」
「な…そ、そんなんじゃ…」
「いーや!それは恋してる表情よ?今は完璧恋じゃなくても、一目惚れしてこの先恋に進展するわね~」
「…はぁ、逢夢には嘘つけないわね」
「やっぱり!校内敷地を散歩中にいい出会いがあったのね~!どんな人?」
「えっと…」
ピンポンパンポーン
ひよりが話始めようとした矢先、アナウンスが鳴り響いた。
''2.3年生に連絡します。9:05より体育館にて始業式を行います。身なりを整え、体育館に集合してください。繰り返します…''
「ほら、ひより、始業式行こ」
「うん、そうだね」
ひよりと逢夢は教室を出て、体育館へと向かった。
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