花葬館-ラナンキュラスの檻-(カーネーション)

ねころび天青

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『甘やかしルート』

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 あなたはそっと微笑んで、
 差し出されたティーカップを、白手袋の手ごと包むようにして受け取る。

「ありがとう。……カーネーションは、本当に優しいのね」

 そう言葉をかけると、
 白いカーネーションの瞳が一瞬だけ揺れたように見えた。
 けれど、それはすぐにいつものような穏やかな微笑みへと戻る。

「……わたくしは、ただ貴女様が穏やかでいられるようにと、それだけを」

 まるでそれが、唯一にして絶対の使命だと言わんばかりに。
 けれどその言葉の裏には、“それ以外のすべて”を棄てたような――
 少しだけ痛ましいほどの一途さがある。

 あなたが紅茶を口に含むと、ふわりと優しく香る花々の記憶。
 けれどその味の中に、何かほんのりとした不自然さが混ざっている気がして、あなたは一瞬、カップを見つめた。

 そんなあなたの視線に気づいたのか、白いカーネーションが静かに頭を下げる。

「……今朝は、特別な一日ですから。
 貴女様に、何ひとつ不快があってはならないと思いまして、少しだけ……気が立たぬよう、安らぎの魔素を加えました」

「……魔素?」

「ええ。貴女様の身体に害はありません。
 ほんの少し、心が穏やかになる程度のものです。
 ……もっとも、もし不快であれば、わたくしは今すぐに自分の首を刈り取ってお詫びを――」

「や、やめて!」

 あなたは思わず声を張り上げていた。
 手にしたティーカップがかすかに震える。

 すると彼女は、まるで嬉しそうに微笑んだ。

「ふふ……お嬢様は、やはりお優しい。
 わたくしのようなものに、そんなふうに心を砕いてくださるのですね」

 白いカーネーションは、すっとベッドの傍に跪き、両手をあなたの膝の上へ置いた。

「……わたくしに、愛を与えてくださるのですか?」

 その言葉には、思い込みにも似た、危ういほどの信仰が宿っている。
 まるで、そうでなければ自分という存在が崩れてしまうかのように。

 あなたは――

 --

 選択肢:

 1. 

「うん。あなたは、大切な人だから」→ 愛情深まりルート(6ページへ)

 2.  

(沈黙する)→ 愛の偏執に傾くルート(7ページへ)
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