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――4月 新しい出会い――
第2話 3人の小学生
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卯月と一緒にカフェに行きそのまま町を散策しそろそろみんな帰ってくる時間になったらしく家に戻ることにした。ちなみにさっき「小桜」と呼んだところ、「それだと堅苦しいから卯月にして」と言われたためしょうがないので「卯月」と呼ぶことにした。
「今の時間だとみんな帰ってきてるかもうすぐ帰ってくらいかかなぁ。とりあえず入って入って!」
「んー、初めて会う人はやっぱり緊張するなぁ…。別に人見知りって訳じゃないんだけどなぁ…」
昔から、初めて会う人と話すときはうまく話せるだろうかとか、どう話したらいいんだろうかとか色々考えてしまい、人見知りって訳ではないけど緊張してしまう癖がある。
「三弦は昔からそうだよねぇ。今日すぐ引っ越しとはならないだろうけどみんなに挨拶はしないと!」
確かにそれはそうだ。幸いここから元の家はそこそこ近いため引っ越し業者を呼ばなくても物を移すことができそうだ。実はそろそろ引っ越そうと思っていたところだからタイミングとしてはバッチリだ。
そんな事を考えていても仕方がないので早速扉に手をかけて、ゆっくりと開いた。
「えーと、とりあえずお邪魔…します?」
「ん、いらっしゃい。ようこそ、私の家へ。みんなは…まで帰ってきてないみたいだね」
流石一軒家、なかなか広い玄関にはまだ靴が置いていないため家がさっきまで無人だという事が分かる。
玄関の真ん前には奥につながる廊下と2階に上がるための階段があるのが見える。おそらく奥がリビングで上に寝室があるんだろう。
「とりあえず三弦の部屋に先に教えとくわ。ついてきて」
卯月に連れられて2階に上がり奥の部屋に案内された。
「玄関から遠くなって申し訳ないんだけど、ここが三弦の部屋になるから。まだ中に何も置かれていないから殺風景だけど自由に使っていいから。何かあったら私に言って。まぁ、私の部屋は1階にあるから遠いんだけどね…」
「今の部屋よりも広いな…。これなら思い切って物を置けるかもしれないな…」
元々住んでいた部屋は狭く新しい椅子とか買えなかったり、テーブルがなかったりとそこそこ不便な生活をしていたからこれは嬉しい。押し入れも広いしね。
「へぇ、以外。そんなに狭い部屋に住んでいたんだ」
「俺をなんだと思ってんのよ…。俺はそこまで傲慢な人じゃないから…」
そんな話をしながら家の中を紹介してくれた。俺の部屋の前の部屋は帰ってくる人たちの部屋ともしもの時のための空き部屋になっているらしい。一通り紹介してもらい俺と卯月はリビングの椅子に腰かけた。
「と、大体こんな感じかな。おっとそうだ、ちなみにどれくらいこっちに越してこれそう?別にせかしてる訳ではないけどやっぱり、ある程度知っておきたいからさ」
「んー、そうだなぁ…。準備とかしないなら明日明後日には直ぐ引っ越せるよ部屋の退去とかの連絡は今日しちゃえばいいし、実際そんなに準備したいものもないしね。強いて言うなら椅子とテーブルとベットくらいだけどそんなの引っ越してから揃えてしまえばいいしね。どうせ在宅ワークだし」
基本的にはずっと家に居るから思い付きで何か買いに行きたいなぁって思わないと動かないから本当にいつでもいいんだよな。ベットはすぐ欲しいからあれだけど、テーブルと椅子は正直いつでもいい。
「なるほどね、もしかして三弦ってすごい暇してたりするの?」
「まぁ、俺は雑誌とかの小説じゃなくて単行本で出してるから基本的に納期とか決まってないんだよね、だから他の職業みたいに時間に追われてますみたいなことは時々あるかなぁくらいなんだよね」
とはいえ原案は1~2か月くらいで出すんだけどね。そこから添削があって直してを繰り返して早くて3か月、遅くても5か月くらいで次を出してるんだけどね。…今は、だけど。
そんな話をしていると、玄関の方から「ただいまー」という3つの元気な声が聞こえてきた。…2つ疑問に思ったことがある、1つが声が若い事。そこまで詳しくは分からないけどおそらく小学生高学年から中学生くらいの声。そしてもう1つが3つすべての声が女の子の声だという事。
「小桜さん!?なんか知らない靴があったんだけど!?その人だれ!?」
思った通り3人はランドセル背負い学校の制服なのか、私服ではなく学校で定められているであろう服を着ている。なんていうんだったかな…セーラー服…だったかな?いや違うな、…後で調べとこ。
「あぁ、こいつ?こいつはお前たちの新しい…お兄ちゃんだ、悪い奴じゃないから安心していいぞ」
「そういえば、卯月さんもうひとり私たちの事を面倒見てくれる人を探すって言ってたね…。もみちゃんが変なこと言うから私びっくりしちゃった」
おそらくもみちゃんと呼ばれたのが勢いよく入ってきた子のことなんだろう。あとから来た子もこくこくと頷いているのが見える。
「そ…そういえばそんな事言っていたような、いなかったような…とりあえずごめんなさい!え、えっと私は長月紅葉です。本当にごめんなさい!」
「もみちー焦り過ぎ、お兄ちゃんびっくりしてるよ?私はねぇ、文月海友って言うの~よろしくね~」
「え、私が最後!?えーと、えーと…。は、はじめまして…は、#花藤弥生__はなふじやよい__#です!ふ、ふつつかものですが、よ…よろしくお願いします!」
突然すぎて色々頭の整理が出来てないからとりあえず整理しよう…!えっと、1番最初に入ってきた子が長月紅葉、こくこく頷いていたのが文月海友、そしてびっくりしたって言っていたのが花藤弥生…と。よし、名前は覚えた。
それにしても、俺もそうだけど和風月名のひとがこんなに集まるのは、なんかすごいな。俺が如月だから2月、卯月が4月、紅葉が長月だから9月、海友が文月だから7月、弥生が3月…うん偶然なんだろうけど出来すぎでは?
「あー、えっと俺の番かな。俺は如月三弦。どのくらいの期間ここで暮らすか分からないけどみんなよろしくね。…それと弥生?不束者ですが~は、今使うような場面じゃないからね?」
「え!?そ、そうなんですか!?」
意味合い的には未熟者とか、経験が少ないとかの意味で使われるから、意味合いとしては確かに間違いでは無いんだけど如何せん俺が大人で弥生が小学生だから流石に色々とまずい。その内ちゃんと教えてあげよう。
「とりあえず3人とも着替えてきな。三弦から色々聞きたいことはあると思うけどね」
「「はーい」」
3人とも声を合わせて言い、後ろを向き2階へ上がって行った。なるほど小学生という事はここは元々児童養護施設だったようだ。一度引き受けた身、今更断ることはしないけれどこの先どうなる事やら。
卯月さんに少し時間をもらってから改めてどういう事なのか説明してもらうことにした。ある程度分かってはいるんだがしっかりと聞いておきたい。…というか自分の考えが正しいという事を証明したい。
「…とまぁ、見て分かる通りここは児童養護施設だね。もちろん今でもそれは変わらないよ。あの馬鹿は仕事があるからとか言って私に押し付けてきやがったけどね。10年は帰ってこないとかいうんだよ!?おかしくない?今自分が何歳かわきまえろっての!」
卯月のお父さんがどんな仕事をしているかは知らないけど。確か卯月のお父さんは今年で47だか48歳になるんじゃなかったかな?確かに卯月そう怒るのも無理はないか。夜逃げって言ったのはおそらく卯月に連絡が来て、問い詰めようと連絡が来た次の日に行ったら、もういなかったみたいな感じかな?どちらにせよ少しかわいそうだ。
「とかいいつつ、嫌じゃないんだけどね別に。子供は好きだしね。ただもう少し早く連絡してくれてもいいじゃんとは思ったけど。本当に急だったんだから」
「そこら辺は親子らしいね。俺も今日急に連絡が来たからお互い様でしょ。…そういえば、卯月って今何をしているの?」
俺が卒業してから少しの間は卯月もまだ大学生だったから連絡も取り合っていたけど、連絡を全く取らなくなった2年前は卯月が丁度卒業したくらいだったから、俺もあまり連絡は送っていなかったからちょっと気になってしまった。
「私?私は今小学校で先生をやっているよ。もう少しで中学校に転勤になるから今の子たちとは直ぐに分かれちゃうけどね。本当なら今月から転勤する予定だったんだけど、問題が起きちゃってね…。仕方なく2か月だけ小学校の教師として教えることになったんだよね」
教師と言われて思い出したのだが、確かに卯月は高校を卒業する前に教師になりたいと言っていたような気がする。俺はまだ何も考えていなかった時期だからすごいなぁって思ってたっけ。あの時の俺もまさか小説家になるとは思っていないだろうなぁ。
「転勤とはいってもここに残るんだよね?だとしたら近くの中学…虹丘中?」
「あぁ、そうそう!私の転勤先は虹丘中。んで、私はその虹丘小の5年1組の担任をしているんだよね。5月には新しい子たちも転校してくるってのに、こんな寂しいことは無いぜ畜生…」
それは何とも言えない時期に転勤するんだなぁ…。ここから通っている弥生たちもおそらく虹丘小かな?となると今は卯月が担任なのか、隣のクラスなのか。
「てことは卯月は弥生たちの担任なの?見た感じ弥生たちも5年生だよね?」
普通に質問しただけのはずだったはずなのに、卯月は言葉を失ったかのように固まってしまった。…え?俺そんな悪い質問したかなぁ…?
「………え、なんであの子たちの学年分かったの?あの子たち何も言ってないよね?確かにランドセルを背負ってるから小学生なのは分かると思うけどさ…なんで分かったの?」
「え?えっと、声の感じと喋り方、あとは身長かな。今年の平均身長はまだ統計取れてないはずだから去年の記録から参照してるけど…ってどうしたの?」
身長や体重は小説内に出てくるキャラの見た目や設定を考える時に使えるから18歳以上はともかくそれ以下は調べてある、声周りに関しては正直なんで分かるか自分でも分からない。いつの間にか身についていた。
「三弦…あの子たちに手を出したら…許さないからね…?」
「いや、俺を誰だと思ってんだっての!?小学生に手を出すような人に見えます!?」
確かに言い当てたのはまずかったかもしれないけど、そこまで危険視されるのかぁ…ちょっと悲しいな。
「…まぁいいや。いやあの子たちは5年2組だから私の隣のクラスだね」
なるほど、隣のクラスだったのか…。何か書けそうだな…後で煮詰めてみようかな?
そんなことを考えていると廊下からトタトタと歩いてくる音が聞こえて、扉が開いた。さっきの制服姿からいつも来ているのであろう私服姿になった3人が立っていた。
「すいません、遅くなりました…みゆちゃんが少し着替えるのに時間かかっちゃって」
「ふっふっふ、残念ながらいつもならもっと遅いんだぞ~?」
「いや、それ威張れることじゃないからね?みゆはもっと早く行動できるようにして?」
下に下りて来るや否や3人とも息の合った会話をしている。この3人は本当に仲がいいんだなぁと誰が見てもそう捉えるだろう。…なるほどこれも使えそうだ。
「よし、みんな揃ったね。それじゃお互い質問タイムだよ!」
なに聞かれても困る質問は特には無いからいくらでも答えてあげよう。逆に俺から聞きたいことって考えてみたけど特に見当たらないしね。
「最初は誰から質問するか決まってる?決まってないなら指名しちゃうけど」
「あー、俺は指名しないでね?俺が質問したいことは特にないから。…別に弥生たちに興味がないとかじゃないからそこは安心してね?」
そんな感じでゆるっとした感じで質問タイムが始まった。
「今の時間だとみんな帰ってきてるかもうすぐ帰ってくらいかかなぁ。とりあえず入って入って!」
「んー、初めて会う人はやっぱり緊張するなぁ…。別に人見知りって訳じゃないんだけどなぁ…」
昔から、初めて会う人と話すときはうまく話せるだろうかとか、どう話したらいいんだろうかとか色々考えてしまい、人見知りって訳ではないけど緊張してしまう癖がある。
「三弦は昔からそうだよねぇ。今日すぐ引っ越しとはならないだろうけどみんなに挨拶はしないと!」
確かにそれはそうだ。幸いここから元の家はそこそこ近いため引っ越し業者を呼ばなくても物を移すことができそうだ。実はそろそろ引っ越そうと思っていたところだからタイミングとしてはバッチリだ。
そんな事を考えていても仕方がないので早速扉に手をかけて、ゆっくりと開いた。
「えーと、とりあえずお邪魔…します?」
「ん、いらっしゃい。ようこそ、私の家へ。みんなは…まで帰ってきてないみたいだね」
流石一軒家、なかなか広い玄関にはまだ靴が置いていないため家がさっきまで無人だという事が分かる。
玄関の真ん前には奥につながる廊下と2階に上がるための階段があるのが見える。おそらく奥がリビングで上に寝室があるんだろう。
「とりあえず三弦の部屋に先に教えとくわ。ついてきて」
卯月に連れられて2階に上がり奥の部屋に案内された。
「玄関から遠くなって申し訳ないんだけど、ここが三弦の部屋になるから。まだ中に何も置かれていないから殺風景だけど自由に使っていいから。何かあったら私に言って。まぁ、私の部屋は1階にあるから遠いんだけどね…」
「今の部屋よりも広いな…。これなら思い切って物を置けるかもしれないな…」
元々住んでいた部屋は狭く新しい椅子とか買えなかったり、テーブルがなかったりとそこそこ不便な生活をしていたからこれは嬉しい。押し入れも広いしね。
「へぇ、以外。そんなに狭い部屋に住んでいたんだ」
「俺をなんだと思ってんのよ…。俺はそこまで傲慢な人じゃないから…」
そんな話をしながら家の中を紹介してくれた。俺の部屋の前の部屋は帰ってくる人たちの部屋ともしもの時のための空き部屋になっているらしい。一通り紹介してもらい俺と卯月はリビングの椅子に腰かけた。
「と、大体こんな感じかな。おっとそうだ、ちなみにどれくらいこっちに越してこれそう?別にせかしてる訳ではないけどやっぱり、ある程度知っておきたいからさ」
「んー、そうだなぁ…。準備とかしないなら明日明後日には直ぐ引っ越せるよ部屋の退去とかの連絡は今日しちゃえばいいし、実際そんなに準備したいものもないしね。強いて言うなら椅子とテーブルとベットくらいだけどそんなの引っ越してから揃えてしまえばいいしね。どうせ在宅ワークだし」
基本的にはずっと家に居るから思い付きで何か買いに行きたいなぁって思わないと動かないから本当にいつでもいいんだよな。ベットはすぐ欲しいからあれだけど、テーブルと椅子は正直いつでもいい。
「なるほどね、もしかして三弦ってすごい暇してたりするの?」
「まぁ、俺は雑誌とかの小説じゃなくて単行本で出してるから基本的に納期とか決まってないんだよね、だから他の職業みたいに時間に追われてますみたいなことは時々あるかなぁくらいなんだよね」
とはいえ原案は1~2か月くらいで出すんだけどね。そこから添削があって直してを繰り返して早くて3か月、遅くても5か月くらいで次を出してるんだけどね。…今は、だけど。
そんな話をしていると、玄関の方から「ただいまー」という3つの元気な声が聞こえてきた。…2つ疑問に思ったことがある、1つが声が若い事。そこまで詳しくは分からないけどおそらく小学生高学年から中学生くらいの声。そしてもう1つが3つすべての声が女の子の声だという事。
「小桜さん!?なんか知らない靴があったんだけど!?その人だれ!?」
思った通り3人はランドセル背負い学校の制服なのか、私服ではなく学校で定められているであろう服を着ている。なんていうんだったかな…セーラー服…だったかな?いや違うな、…後で調べとこ。
「あぁ、こいつ?こいつはお前たちの新しい…お兄ちゃんだ、悪い奴じゃないから安心していいぞ」
「そういえば、卯月さんもうひとり私たちの事を面倒見てくれる人を探すって言ってたね…。もみちゃんが変なこと言うから私びっくりしちゃった」
おそらくもみちゃんと呼ばれたのが勢いよく入ってきた子のことなんだろう。あとから来た子もこくこくと頷いているのが見える。
「そ…そういえばそんな事言っていたような、いなかったような…とりあえずごめんなさい!え、えっと私は長月紅葉です。本当にごめんなさい!」
「もみちー焦り過ぎ、お兄ちゃんびっくりしてるよ?私はねぇ、文月海友って言うの~よろしくね~」
「え、私が最後!?えーと、えーと…。は、はじめまして…は、#花藤弥生__はなふじやよい__#です!ふ、ふつつかものですが、よ…よろしくお願いします!」
突然すぎて色々頭の整理が出来てないからとりあえず整理しよう…!えっと、1番最初に入ってきた子が長月紅葉、こくこく頷いていたのが文月海友、そしてびっくりしたって言っていたのが花藤弥生…と。よし、名前は覚えた。
それにしても、俺もそうだけど和風月名のひとがこんなに集まるのは、なんかすごいな。俺が如月だから2月、卯月が4月、紅葉が長月だから9月、海友が文月だから7月、弥生が3月…うん偶然なんだろうけど出来すぎでは?
「あー、えっと俺の番かな。俺は如月三弦。どのくらいの期間ここで暮らすか分からないけどみんなよろしくね。…それと弥生?不束者ですが~は、今使うような場面じゃないからね?」
「え!?そ、そうなんですか!?」
意味合い的には未熟者とか、経験が少ないとかの意味で使われるから、意味合いとしては確かに間違いでは無いんだけど如何せん俺が大人で弥生が小学生だから流石に色々とまずい。その内ちゃんと教えてあげよう。
「とりあえず3人とも着替えてきな。三弦から色々聞きたいことはあると思うけどね」
「「はーい」」
3人とも声を合わせて言い、後ろを向き2階へ上がって行った。なるほど小学生という事はここは元々児童養護施設だったようだ。一度引き受けた身、今更断ることはしないけれどこの先どうなる事やら。
卯月さんに少し時間をもらってから改めてどういう事なのか説明してもらうことにした。ある程度分かってはいるんだがしっかりと聞いておきたい。…というか自分の考えが正しいという事を証明したい。
「…とまぁ、見て分かる通りここは児童養護施設だね。もちろん今でもそれは変わらないよ。あの馬鹿は仕事があるからとか言って私に押し付けてきやがったけどね。10年は帰ってこないとかいうんだよ!?おかしくない?今自分が何歳かわきまえろっての!」
卯月のお父さんがどんな仕事をしているかは知らないけど。確か卯月のお父さんは今年で47だか48歳になるんじゃなかったかな?確かに卯月そう怒るのも無理はないか。夜逃げって言ったのはおそらく卯月に連絡が来て、問い詰めようと連絡が来た次の日に行ったら、もういなかったみたいな感じかな?どちらにせよ少しかわいそうだ。
「とかいいつつ、嫌じゃないんだけどね別に。子供は好きだしね。ただもう少し早く連絡してくれてもいいじゃんとは思ったけど。本当に急だったんだから」
「そこら辺は親子らしいね。俺も今日急に連絡が来たからお互い様でしょ。…そういえば、卯月って今何をしているの?」
俺が卒業してから少しの間は卯月もまだ大学生だったから連絡も取り合っていたけど、連絡を全く取らなくなった2年前は卯月が丁度卒業したくらいだったから、俺もあまり連絡は送っていなかったからちょっと気になってしまった。
「私?私は今小学校で先生をやっているよ。もう少しで中学校に転勤になるから今の子たちとは直ぐに分かれちゃうけどね。本当なら今月から転勤する予定だったんだけど、問題が起きちゃってね…。仕方なく2か月だけ小学校の教師として教えることになったんだよね」
教師と言われて思い出したのだが、確かに卯月は高校を卒業する前に教師になりたいと言っていたような気がする。俺はまだ何も考えていなかった時期だからすごいなぁって思ってたっけ。あの時の俺もまさか小説家になるとは思っていないだろうなぁ。
「転勤とはいってもここに残るんだよね?だとしたら近くの中学…虹丘中?」
「あぁ、そうそう!私の転勤先は虹丘中。んで、私はその虹丘小の5年1組の担任をしているんだよね。5月には新しい子たちも転校してくるってのに、こんな寂しいことは無いぜ畜生…」
それは何とも言えない時期に転勤するんだなぁ…。ここから通っている弥生たちもおそらく虹丘小かな?となると今は卯月が担任なのか、隣のクラスなのか。
「てことは卯月は弥生たちの担任なの?見た感じ弥生たちも5年生だよね?」
普通に質問しただけのはずだったはずなのに、卯月は言葉を失ったかのように固まってしまった。…え?俺そんな悪い質問したかなぁ…?
「………え、なんであの子たちの学年分かったの?あの子たち何も言ってないよね?確かにランドセルを背負ってるから小学生なのは分かると思うけどさ…なんで分かったの?」
「え?えっと、声の感じと喋り方、あとは身長かな。今年の平均身長はまだ統計取れてないはずだから去年の記録から参照してるけど…ってどうしたの?」
身長や体重は小説内に出てくるキャラの見た目や設定を考える時に使えるから18歳以上はともかくそれ以下は調べてある、声周りに関しては正直なんで分かるか自分でも分からない。いつの間にか身についていた。
「三弦…あの子たちに手を出したら…許さないからね…?」
「いや、俺を誰だと思ってんだっての!?小学生に手を出すような人に見えます!?」
確かに言い当てたのはまずかったかもしれないけど、そこまで危険視されるのかぁ…ちょっと悲しいな。
「…まぁいいや。いやあの子たちは5年2組だから私の隣のクラスだね」
なるほど、隣のクラスだったのか…。何か書けそうだな…後で煮詰めてみようかな?
そんなことを考えていると廊下からトタトタと歩いてくる音が聞こえて、扉が開いた。さっきの制服姿からいつも来ているのであろう私服姿になった3人が立っていた。
「すいません、遅くなりました…みゆちゃんが少し着替えるのに時間かかっちゃって」
「ふっふっふ、残念ながらいつもならもっと遅いんだぞ~?」
「いや、それ威張れることじゃないからね?みゆはもっと早く行動できるようにして?」
下に下りて来るや否や3人とも息の合った会話をしている。この3人は本当に仲がいいんだなぁと誰が見てもそう捉えるだろう。…なるほどこれも使えそうだ。
「よし、みんな揃ったね。それじゃお互い質問タイムだよ!」
なに聞かれても困る質問は特には無いからいくらでも答えてあげよう。逆に俺から聞きたいことって考えてみたけど特に見当たらないしね。
「最初は誰から質問するか決まってる?決まってないなら指名しちゃうけど」
「あー、俺は指名しないでね?俺が質問したいことは特にないから。…別に弥生たちに興味がないとかじゃないからそこは安心してね?」
そんな感じでゆるっとした感じで質問タイムが始まった。
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