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友達と…夕日が見たい
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第二死
私が目を覚ますと目の前には天井が見えた。
ここは…。見慣れた天井。もう何度も見てきた。飽き飽きするほど。
小鳥の鳴き声が私を守ってくれてる。そんな気がした。
申し遅れました。私は 森崎 加奈。
このお話の二人目の主人公です。
身長は百合ちゃんと同じくらいだから少し高い。体重は、いえませーん!成績は良い方。
「加奈ちゃん。目が覚めたのね。」
そう言って看護師さんが部屋に入ってくる。
点滴を取り替えに来たみたい。
「昨日倒れてからずっと今日の朝まで寝てたから、先生も心配してたのよ。早く良くならなくちゃね。」
「いや、もう治らないし。」
私が半ば冗談でそう言ったら、看護師さんは黙ってしまった。点滴を外してまたつける時にやっと口を開けた。
「加奈ちゃん。お見舞いに来てくれた子最後まで心配して帰ってったよ。集中治療室の扉の前でずっと座って待ってたんだもの。スマホも触らなかったし、ずっとお祈り?してたみたい。無事でわかったらほっとした顔をして帰って行ったわ。あの子も顔真っ青だったから先生に心配されて一応診察してったけどね。ふふ。百合ちゃんっていうんでしょう?」
「なんで知って…。」
「私が昨日の面会担当だったのよ。面会の人にはちゃんと名前書いてもらわなきゃだし。はい!おっけー。じゃ、大人しくしてるのよ。」
そう言って看護師さんは出て行った。
悪いことしちゃったかな。
もう治らないし。そんなこと言われたらいくら看護師さんも傷つくよね…。
半ば冗談。だから半分は本当で半分は冗談。
治らないのは、本当。
治るのは、冗談。
こうなっちゃう。治るわけがない。
何度も発作で倒れるし、私には生きる目標が無い。私は学校に行けてないからその分、目標ができない。別に学校に行きたいとも思わない。小学校から何度も休んで入院して、そこまで楽しい思い出があったわけでも無いし、中学校に上がってからは一度も行けてないから行きたい理由が無い。
私の願いはただ1つ。
ただ百合ちゃんに会いたい。
百合ちゃんは、生まれた時の病院が同じでお母さん同士が仲良くなった。
家も近くで、保育園の頃からの大の仲良し。
入院してからお見舞いには毎日来てくれてた。
友達想いで優しくて思いやりのある少し大人っぽい子。一度も喧嘩をしたことがないが、きっと喧嘩したら先に謝ってくれるような子。
私が一番本気で親友だと思った子だ。
私にも友達は沢山いたけれど、百合ちゃんと行動を共にするのが楽しくて、百合ちゃんの友達とは必ず仲良くなって、おしゃべりを楽しんだ。帰るときはいつも決まって百合ちゃんと二人。
中学に上がって百合ちゃんは丸々1年間お見舞いには来なくなった。
毎日来てくれた日々とは180度違う日々。
そんな日々が絶え間なく続いていた。
私が苦しい時も百合ちゃんは楽しい学校生活を送っていたんだ。私を忘れてしまうほど。
でも、百合ちゃんは一年ぶりに私に会いに来てくれた。百合ちゃんの心にはまだ私はいたんだね。それが嬉しくて涙をこらえるのに必死だった。
百合ちゃんは変わらず優しくて、気遣う姿は昔と変わらない。
でも、私の知らない友達を作って楽しく笑っている百合ちゃんを想像すると、もう、私とは関わらなくて良いよ。そう言いたくなった。私のせいで楽しく送れなくなるのなら百合ちゃんの人生に私はいらないんだ。
百合ちゃん。貴方には幸せになってもらわなきゃいけないの。貴方が私の人生の全てだったから。
「加奈ちゃん。昨日は百合ちゃんが来てくれて嬉しかったわね。」
お母さんは今日も変わらず美しい着物を着て静かに微笑んでいる。お母さんは、今年で34歳。お父さんは45歳。次女には1歳にも満たない凛がいる。
私は、お金持ちの家に生まれた。
由緒ある森崎家の本家の長女として。家政婦さんが二人いる家に。
家は大きくて和風で離れもある家。畳が連なる家。私も昔家に帰ったらまず着物に着替えていた。平安からの由緒正しかった貴族の一族。本家の当主になるはずだった私はもうすぐ死ぬんだと思う。私の代わりに真奈が務めてくれるだろう。
「加奈ちゃん…?」
「私が死んだら凛が当主になるんでしょ?なら、ちゃんと育ててあげてね。」
「な…加奈ちゃん。どうしてそんなこと言うの?加奈ちゃんは死なないでしょ?」
「お母さん。凛を守ってあげてね。姉として、長くは側にはいられないから。」
「加奈ちゃん…」
「あとね。あんまり家政婦さんに凛のこと任せちゃダメだよ。凛はお母さんが守らなきゃね。」
「かなちゃん…そんなこと言われたら…お母さん泣いちゃうよ…。」
お母さんの目からポロポロと溢れ出す涙。
お母さんが一番よく知ってるでしょう?私が治らないことは…。
私だって治したい…よ。
でも、私の体が言うことを聞いてくれないんだもの…。
私は涙が出てきて止まらなくなった。
「加奈ちゃん…。泣かないで…。加奈ちゃんが泣いたら私も、悲しくなっちゃう。」
何で神様は私にばかり試練を送るのですか。
私も、健康な体で外を駆け回りたい。
デパートへ行きたい。
友達を作りたい。
友達と遊びたい。
友達と喧嘩したい。
友達と仲直りがしたい。
友達とお揃いのものが欲しい。
友達と笑いあいたい。
友達と一緒に夕日を見たい。
私の…森崎加奈の将来の夢です…。
私が目を覚ますと目の前には天井が見えた。
ここは…。見慣れた天井。もう何度も見てきた。飽き飽きするほど。
小鳥の鳴き声が私を守ってくれてる。そんな気がした。
申し遅れました。私は 森崎 加奈。
このお話の二人目の主人公です。
身長は百合ちゃんと同じくらいだから少し高い。体重は、いえませーん!成績は良い方。
「加奈ちゃん。目が覚めたのね。」
そう言って看護師さんが部屋に入ってくる。
点滴を取り替えに来たみたい。
「昨日倒れてからずっと今日の朝まで寝てたから、先生も心配してたのよ。早く良くならなくちゃね。」
「いや、もう治らないし。」
私が半ば冗談でそう言ったら、看護師さんは黙ってしまった。点滴を外してまたつける時にやっと口を開けた。
「加奈ちゃん。お見舞いに来てくれた子最後まで心配して帰ってったよ。集中治療室の扉の前でずっと座って待ってたんだもの。スマホも触らなかったし、ずっとお祈り?してたみたい。無事でわかったらほっとした顔をして帰って行ったわ。あの子も顔真っ青だったから先生に心配されて一応診察してったけどね。ふふ。百合ちゃんっていうんでしょう?」
「なんで知って…。」
「私が昨日の面会担当だったのよ。面会の人にはちゃんと名前書いてもらわなきゃだし。はい!おっけー。じゃ、大人しくしてるのよ。」
そう言って看護師さんは出て行った。
悪いことしちゃったかな。
もう治らないし。そんなこと言われたらいくら看護師さんも傷つくよね…。
半ば冗談。だから半分は本当で半分は冗談。
治らないのは、本当。
治るのは、冗談。
こうなっちゃう。治るわけがない。
何度も発作で倒れるし、私には生きる目標が無い。私は学校に行けてないからその分、目標ができない。別に学校に行きたいとも思わない。小学校から何度も休んで入院して、そこまで楽しい思い出があったわけでも無いし、中学校に上がってからは一度も行けてないから行きたい理由が無い。
私の願いはただ1つ。
ただ百合ちゃんに会いたい。
百合ちゃんは、生まれた時の病院が同じでお母さん同士が仲良くなった。
家も近くで、保育園の頃からの大の仲良し。
入院してからお見舞いには毎日来てくれてた。
友達想いで優しくて思いやりのある少し大人っぽい子。一度も喧嘩をしたことがないが、きっと喧嘩したら先に謝ってくれるような子。
私が一番本気で親友だと思った子だ。
私にも友達は沢山いたけれど、百合ちゃんと行動を共にするのが楽しくて、百合ちゃんの友達とは必ず仲良くなって、おしゃべりを楽しんだ。帰るときはいつも決まって百合ちゃんと二人。
中学に上がって百合ちゃんは丸々1年間お見舞いには来なくなった。
毎日来てくれた日々とは180度違う日々。
そんな日々が絶え間なく続いていた。
私が苦しい時も百合ちゃんは楽しい学校生活を送っていたんだ。私を忘れてしまうほど。
でも、百合ちゃんは一年ぶりに私に会いに来てくれた。百合ちゃんの心にはまだ私はいたんだね。それが嬉しくて涙をこらえるのに必死だった。
百合ちゃんは変わらず優しくて、気遣う姿は昔と変わらない。
でも、私の知らない友達を作って楽しく笑っている百合ちゃんを想像すると、もう、私とは関わらなくて良いよ。そう言いたくなった。私のせいで楽しく送れなくなるのなら百合ちゃんの人生に私はいらないんだ。
百合ちゃん。貴方には幸せになってもらわなきゃいけないの。貴方が私の人生の全てだったから。
「加奈ちゃん。昨日は百合ちゃんが来てくれて嬉しかったわね。」
お母さんは今日も変わらず美しい着物を着て静かに微笑んでいる。お母さんは、今年で34歳。お父さんは45歳。次女には1歳にも満たない凛がいる。
私は、お金持ちの家に生まれた。
由緒ある森崎家の本家の長女として。家政婦さんが二人いる家に。
家は大きくて和風で離れもある家。畳が連なる家。私も昔家に帰ったらまず着物に着替えていた。平安からの由緒正しかった貴族の一族。本家の当主になるはずだった私はもうすぐ死ぬんだと思う。私の代わりに真奈が務めてくれるだろう。
「加奈ちゃん…?」
「私が死んだら凛が当主になるんでしょ?なら、ちゃんと育ててあげてね。」
「な…加奈ちゃん。どうしてそんなこと言うの?加奈ちゃんは死なないでしょ?」
「お母さん。凛を守ってあげてね。姉として、長くは側にはいられないから。」
「加奈ちゃん…」
「あとね。あんまり家政婦さんに凛のこと任せちゃダメだよ。凛はお母さんが守らなきゃね。」
「かなちゃん…そんなこと言われたら…お母さん泣いちゃうよ…。」
お母さんの目からポロポロと溢れ出す涙。
お母さんが一番よく知ってるでしょう?私が治らないことは…。
私だって治したい…よ。
でも、私の体が言うことを聞いてくれないんだもの…。
私は涙が出てきて止まらなくなった。
「加奈ちゃん…。泣かないで…。加奈ちゃんが泣いたら私も、悲しくなっちゃう。」
何で神様は私にばかり試練を送るのですか。
私も、健康な体で外を駆け回りたい。
デパートへ行きたい。
友達を作りたい。
友達と遊びたい。
友達と喧嘩したい。
友達と仲直りがしたい。
友達とお揃いのものが欲しい。
友達と笑いあいたい。
友達と一緒に夕日を見たい。
私の…森崎加奈の将来の夢です…。
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