俺の価値って0円なのか?〜最強の矛を携え、ステータスにある『最強』のスキルがまさかのチートだったので最弱からダンジョンを蹂躙し無双する〜

カレーハンバーグ

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出会い

それはつまんない

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 この女の子は、俺の名前を知っている。
 噂を聞いて知っているんだとは思ったが、一応聞いてみることに。

「俺の名前を知ってるなんて、どこかで会ったことある?」

 女の子が首を左右に振る。

「ん~ん、会うのは初めてよ。噂で名前を聞いたことがあるの。価値が0円の神竜貴史しんりゅうたかしって子は呪われた子だって」

 
 ── の、呪われた子? 噂で聞いたんだとは思ったけど、凄い噂が流れてるんだな……。お前は呪われてるって言われた事はあるけど、まさかそんな噂が広まってたなんて……何か腹が立ってきたぞ。


「俺は呪われてなんかない! ──ない……と思う。た、たぶんだけど……。ステータスなんてどうでもいいんだ! 勝手に変な噂を流さないでくれよ!」

 少し頭にきたので女の子にきつく当たり、前を向いて早く家に帰ろうとペダルに足をかけた。

 自転車を動かそうと足に力を入れた……が、全く進まない。

「──んーーっっっっ、あれ?」
 
 ペダルをいくら踏み込んでも自転車が動かない。振り返ると、女の子が荷台を掴んで引っ張っていた。

「行っちゃ駄目!」

「行っちゃ駄目って……何やってるんだよ、離してくれよ! じゃないと呪いが伝染るぞ!」

 腹が立っていたので、わざとひねくれた物言いをしてやった。ペダルを踏むのを止めて後ろを見ると、女の子が俯き声を出した。

「ごめんなさい。意地悪を言うつもりはなかったの……。そういう噂を聞いたことが有るって言いたかっただけで……」

 素直に謝られるとは思わなかったので、ひねくれた物言いをした自分が恥ずかしくなってきた。

「あ~いや……俺もひねくれた物の言い方して……ごめん」

 頭を掻きながらそう言葉にし、そっと自転車から降りた。
 女の子が頭を上げお互いの目と目が合う。お互いに見つめ合ったまま、どちらも口を開くことなく気不味い空気が漂った。


 ── やっぱり背が高いなぁ。


「──あの……私、朝川京子あさかわきょうこっていいます。昨日12歳になったとこなの」

 この変な空気を変えようとしたのか、女の子がいきなり自己紹介を始めた。

 背が高いので年上だろうとは思っていたが、実際に年上だと分かってしまうと、そんな人に改まって挨拶されていることに緊張してしまう。

「あっ、ど、どうも。──俺は……って知ってるか。朝川さんは年上だったんですね。俺は昨日10歳の誕生日だったから」

 朝川さんが頷く。

「年下なんだ……こんな状況で外に出てたから、年上だと思ってた。ただ背が低いだけなのかと……。──私の方が年は上みたいだけど、敬語はやめてね。せっかく会えたのに話し難くなるのも嫌だし。──ずっと窓の外を見てなかったら会えなかったかもしれないって思うと、偶然って本当にあるのね……それに誕生日が同じ日なんて、ほんとに偶然って面白いね」

「ただ背が低いってのは傷つくけど……うん、確かに。誕生日も偶然だけど、今日ここを俺が通って朝川さんに会えたことは、ほんとに偶然だ」
 
 朝川さんが首を傾げた。

「今日ここを通る予定じゃなかったってこと?」

 今日ここを通ることになった事情を説明した。

「なるほど、神竜しんりゅう君が強くなりたいと思ってなかったらここを通ってなかったのね。それに、私がご飯を食べてるとか、他の用事で部屋を離れてて外を見てない時とかに、貴方がここを通っても今日会えてなかったんだ……じゃあ私達が会えたのって運命ね。うん、これはもう運命よ。──それはそうと、朝川さんって止めてくれる?」

 名前を呼んだだけだが、何か気に触ったのかな?

「止めてって、朝川って名前なんだよね?」

「名字にさん付けで呼ばれると、なんか距離が遠い感じがするじゃない? だから、京子きょうこって呼んで!」


 ── 初めて会った女の子で、しかも年上。呼び捨てで名前を呼ぶのはどうだろう? でも、呼べと言われてるんだからしょうがないか。


「距離が遠いか……。確かに仲のいい友達をさん付けで呼ばないもんな。分かったよ、じゃあ普通に喋って、名前も京子って呼ぶからよろしく」

 京子が笑顔になった。

「じゃあ私は貴方のことを何て呼べばいい?」

神竜しんりゅうでいいよ」

 京子がそれを聞いて即答する。

「それはつまんない。──ん~、そうね……神竜貴史しんりゅうたかしよね……貴史たかし……貴史たっくん。うん! 貴史たっくんって呼びやすい! そう呼んでもいい?」

 
 ── なんて呼べばいいって聞いといて、「それはつまんない」は無いよな。


貴史たっくんなんて呼ばれたことないけど……いいよそれで」

「じゃあ決まりね。それで……あの、えっと」

 京子が下を向いて、指を絡ませて遊びながらもじもじしている。


 ── さっきまでハキハキしてたのに、どうしたのかな?

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