俺の価値って0円なのか?〜最強の矛を携え、ステータスにある『最強』のスキルがまさかのチートだったので最弱からダンジョンを蹂躙し無双する〜

カレーハンバーグ

文字の大きさ
38 / 38
出会い

『最強』は最強だった

しおりを挟む


 ✡貴史たかし視点




 京子の昔話を聞いて俺は笑った。

「はははっ。なんだよ、京子って天然なんだな」

「天然って言わないで! 好奇心が旺盛なだけよ……」

 でもなんか安心する。
 京子は年上だし何でも出来るのは心強いけど、少し天然な方が一緒にいて楽しい。

「ちょっと気になったんだけど、お爺さんはなんでそんなスキル玉を持ってたんだ? お父さんが会社員なら、お爺さんも冒険者じゃないんだろ?」

「私も気になってその時にお父さんに訊いてみたんだけど、お爺ちゃんは昔からレア物が好きらしいの。別にスキル玉が特別好きではないらしいんだけど、レアだと聞いたら何でも買う癖があったみたい。良くも悪くもなら買うんだって」

 人の趣味に口を出すのはナンセンスだ。だけど一つ言わせてもらえるなら、悪いレア物は隠しておいてほしいなぁ……。

 ここで俺はサッと右手を高々と挙げた。

「質問! スキル玉ってどうやって手に入れるんですか?」

「本当に貴史たっくんは何も知らないのね……。まぁ、スキルに興味がなかったんだから、しょうがないか。──あのね、スキル玉はエネビ玉と同じでモンスターを倒したらドロップするのよ。エネビ玉との違いは、エネビ玉は必ずドロップするのに対して、スキル玉はドロップしたりしなかったりするの」

「そうかぁ。だから、俺がゴブリンを倒した時にエネビ玉はドロップしたけど、スキル玉はドロップしなかったんだ」

 京子の説明が続く。

「B級以下のモンスターなら、スキル玉のドロップ率は30%。B級なら25%。A級だと10%。S級は5%らしいわよ。私も本で読んだだけなんだけどね。だいたいそれ位って書いてあったわ。──ついでにだけど、そのモンスターが保有してるスキルがドロップするの」

「結構低い確率なんだなぁ。U級なら1%とかかな? そんなモンスターが保有してるスキルがドロップされたら、奇跡だ。──でも、職業に付与されるスキルなんかは、モンスターが保有してることってあるのかな? もしモンスターが保有してないスキルが欲しくなったら? この場合、スキルがドロップすることはないから、自分は保有出来ないのか……」

 京子が口角を上げた。

「スキルは入れ替えが出来るんだけど、スキル玉を握って入れ替えたいって念じると、手に握ってたスキル玉のスキルと元から保有してるスキルが入れ替わるのね、そうすると手に握ってるスキル玉に元のスキルが入るのよ。職業に付与されるスキルはモンスターが保有していないのが多いから、あまり聞かない使い勝手の良いスキルは超レアってこと。だから高く売れるらしいわよ。スキルショップっていうのが都会にはあるらしくて、そこで売り買いできるんだって。──余談だけど、病気や事故、寿命で亡くなった人のスキルは消えてしまうけど、殺人ならモンスター同様ドロップするとかしないとか?」

 うん。眠たくなったてきた。

「聞いてる?」

「き、聞いてるよ。最後の方は怖いから耳を閉じてたけど……スキルショップか、行ってみたいなぁ。──っで、そろそろ俺のスキルはどんな感じなのか教えてくれる?」

 京子が自慢気に胸を張った。

貴史たっくんのスキルは、もう私の頭の中に情報があるからすぐに見れるわよ。心の準備はいい?」

 京子が自慢気にしている意味は分からないが、俺は生唾を飲み込んだ。

 最強じゃなくて最悪だなんて言われ、名前が格好いいだけで全く使えないお飾りだと思っていた俺のスキル『最強』。

 俺の中では、もう何も期待していなかった。

 その『最強』という名のスキルの謎が京子によって解明され、今まさに開示される。

 京子に俺のスキルはチートだと言われ、どんなスキルなのか気になってしょうがない。

 俺は緊張で手にかいた汗を服で拭いながら、京子に返事をした。

「う、うん。お願いします……」

「じゃあいくわよ、『情報漏洩じょうほうろうえい』!」

 京子がスキルを発動させると、空間に俺のスキルの情報が浮かび上がった。


 ━━━━━━━━━━━

 スキル ─ 最強

 詳 細

 ・自分に害のあるもの全てを吸収して強さに変換する

 (傷や病気等身体に異変が生じても強さに変換する過程で治るが、五感は機能するので苦しさや痛み等は感じる。寿命には抗えない)

 ・倒した相手のスキルをコピーする

 (但し情報を読み取るスキルはコピー出来ない)

 ━━━━━━━━━━━


 俺は開いた口が塞がらなかった。

 京子がそんな俺の肩に手を置いて、こう言葉にする。

貴史たっくんは呪われてなんかいないわ。まだ体は子供だけど、頑張って鍛錬して大人になれば、地球上で貴史たっくんに勝てる人なんていなくなっちゃうわよ。──なんで泣いてるの?」


 ── 泣いてる? 俺が? 


 指で目の下を拭ってみると、確かに濡れている。

 でも悲しいんじゃない。

 自分のスキルの情報を見て嬉しいとは思うが、今のこの感情を表現するには言葉が違う。

 安堵。

 そう、今はこの言葉がしっくりくる。

 俺は呪われてなんかいなかった。
 そして、文字の意味が逆でもない。最強じゃなく最悪だとしたら、こんなスキルにはならないはずだ。

「俺のスキルは何かをするために発動させるものじゃなかったのか……。──京子……ありがとう。まだ10歳だけど、10年生きてきた中で今日が一番幸せだよ」

 横に座っている京子の両腕が俺の首に回る。

貴史たっくん、良かったね。スキルの情報を見ただけで知らずに涙が流れるなんて、かなり辛い思いをしてきたんじゃない? 貴史たっくんの職業が『神』でスキルは『最強』。私、『最強』の詳細を見て思ったことがあるの。神だから最強だし、神にステータスなんか無いのよ。だから、貴史たっくんの価値は0円。だって最強の神、そう、最強神に値段なんか付けられないでしょ?」

 京子の話を聞いていると、ずっと何かが喉に詰まっているような状態や、ずっと胸の中をギュッと握られているような息苦しさ、足元から血の気が引き言いようのない不安に駆られている感覚から開放されていくのが分かる。

 そして、また涙が頬を伝う。俺は、頬を伝う涙を拭いながら思った。


 ── 不安がないってこんなに楽なんだ……。よ~し、この職業とスキルに見合う身体を作ってやる。──って、こんなことを考えられるようになる日が来るとは思いもしなかった。京子には感謝しないと。そうだ!


「俺の目標が決まったよ」

 俺の首元に回っている京子の腕に手を添えてそう言葉にした。

 京子が俺の首に腕を回したまま訊き返してくる。

「どんな目標?」

 その問に、俺には珍しく力強い声で京子に答えた。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...