妖精さん達と暮らそう 改訂版

東郷 珠

文字の大きさ
11 / 39

妖精さん達の日常

しおりを挟む
 今まで何種類かの妖精さん達を紹介しました。この子達が普段どうやって過ごしているか、気になりませんか? すっごく気になる? 仕方ありませんね。お教えしましょう。

 先ず、雪の妖精さん。
 この子は、雪が降らないと会う事は出来ません。たまに、東京でも雪が降る時は有るでしょ?そんな時に外に出ると、玄関の外で私を出待ちしてます。ヒューっと飛んできて、私にピトって張り付きます。可愛いでしょ?

 勿論用事がある時は一緒に遊ぶ事は出来ませんけど、道中は一緒にいます。とは言え、電車やバスの中には入って来ません。溶けてしまうんでしょうね。
 それと言わずもがな。往来で妖精さんとお話する時は、念みたいな感じで会話します。そうじゃないと、一人でぶつくさ独り言呟いているみたいで、変な子じゃないですか。
 流石に私も、その位わかる様に成長したんですよ。えぇ。子供の頃とは違います。

 次にお掃除の妖精さん。
 この子達は、言うまでも無いかもしれませんが、ず~と掃除をしています。二十四時間、年中無休。ブラック企業も泣いて逃げ出す仕事量じゃないかと思います。
 別に私が強制している訳では無いですよ。酷い想像は止めて下さい。

 この子達って疲れないのかしら。ふと思った私は、お掃除の妖精さん達を観察した事が有ります。
 どうやら、この子達には役割分担らしき物が有るみたいです。埃落とし班、床履き班、お風呂班、トイレ班みたいに。
 たまに自分の役割を終えて、横になって寝息を立てているお掃除の妖精さんを見かけます。ゆっくり休む事も必要です。人も妖精さんもね。でもね、『自分から休む』のと『人に言われて休む』のじゃ、全く違う反応をするんです。

「あなた達、たまにはお休みしたら?」

 面と向かってそんな事言ったら、涙をぽろぽろ零して思いっきり泣かれました。返ってすごい罪悪感です。だから仕方なく放置です。好きなだけ掃除して、好きな時に休めば良いんだわ。

 因みにお掃除の妖精さんは、掃除機の様な電化製品は使いません。使うのは箒とか雑巾とかです。なので私が用意したのは、ミニサイズの『コンパクト箒セット!』です。
 ホームセンターでせがまれて五つ程買いました。卓上用らしいのですが、手のひらサイズの妖精さんは、これで充分みたいです。

 それとミニサイズの雑巾を手縫いしました。サイズは十センチ角で作りました。三十個近く作りましたよ。お掃除の妖精さん達に感謝を込めて。手渡しした時に、ニッコリと微笑む嬉しそうな表情は忘れられません。

 お掃除の妖精さんは、私が居ない時に洗浄液を作り、せっせと掃除をします。夜中もお掃除をします。私はもう慣れましたけど。夜中にごそごそ音がしたら、お掃除の妖精さん達だなと思う様になりましたから。

 因みに定番ことGさん! 黒光りする悍ましいあいつは、お掃除の妖精さん達が退治してくれます。でも、退治したGさんをゴミ箱にそのまま捨てるのは、やめて欲しいです。開けた時にびっくりします。

 さて、次はお料理の妖精さんです。
 お料理して無い時には、何してんの? それは、私も不思議に思いました。

 どうやらこの子達は、有名洋食店や和食料理店等に赴き、レシピの研究をしてるみたいです。それ以外にも、魚河岸や農家に行って素材の目利き訓練をしている様です。TVの料理番組を熱心に見ている子もいます。
 一日の終わりには、皆で集まって情報共有している様です。勉強熱心と言うより、プロフェッショナルとはかくあるべきと、教えられている様です。

 道具の手入れも手を抜きません。上京の際に両親に持たされた道具を、綺麗に磨き上げます。特に包丁は念入りに砥ぎます。
 
「ごめんね。今度もっと凄い包丁を買ってあげるよ」

 私の言葉に、この子達は首を横に振ります。どうやら、両親が買ってくれた包丁に愛着が有る様です。なんか嬉しいですね。

 この子達は、創作料理にも余念が有りません。熱い料理バトルでも繰り広げられているのでしょうか? 複数の子が、バチバチと火花を散らせながら視線をぶつけ合い、出来上がった料理を持ってくる事が有ります。
 味見役が私で良いんでしょうか。私の微妙な表情を読み取って、勝敗が決まる様です。凄いですね。料理の腕を競い合って高めているんですよ。この熱いノリは見習いたくはありませんけどね。

 次はお勉強の妖精さん。
 この子はひたすら読書かネット検索をしています。
 
「あのね。勝手に図書館に行ったら駄目よ。読みたい本は私が借りてきてあげる」

 私はこの子に、言い聞かせた事が有ります。当たり前じゃないですか。『夜中にフワフワ浮かぶ本』それって何の都市伝説ですか!
 
 そのおかげで私はこの子を連れて、毎週図書館巡りをさせられる羽目になりました。難しい専門書から雑学本まで、借りるジャンルは問わない様です。但し、借りた本は何度も徹底的に読み返します。
 検討も怠りません。古い情報と新しい情報を選り分けて、考察を繰り返している様です。
 
 ネットの情報も同様に、ちゃんと選別している様です。
 ネットにはあらゆる情報が転がってますから、情報の新旧だけでは無く、正誤も含めて検討し情報収集する姿は、頭が下がる思いです。

 さて、そろそろ四大元素の妖精さんの日常です。この子達は、フリーダムです。

 火の妖精さんと水の妖精さんは、大抵鬼ごっこしてます。実はこの子達、結構仲良しさんです。遠目で見ているとラブラブカップルの様にも見えます。
 お風呂にお湯を溜める時は、タッグを組みます。お料理の妖精さんのお手伝いをする時も有ります。
 
 風の妖精さんは家中を飛び回ったり、日向でお昼寝したり自由気ままです。
 私が居ない時は、外にお出かけする事も有るみたいです。一見自由に見えて、一番空気の読める妖精さんです。だから、火と水の妖精さんがヒートアップして、湿気が溜まりかけると、さり気なく湿気を外に逃がしてくれます。

 なかなか会いに行けない土の妖精さんは、この間すっかりやさぐれてました。なので、ホームセンターで大きめのプランターと土を買ってきて、その中に埋めときました。プランターは、取りあえずベランダに放置です。
 私だって忙しい時は有るんですよ。公園に遊びに行く暇がない位に時間が無い時もね。ベランダに居てくれれば、毎日顔を合わせますから、それで笑顔になってくれるなら、良いんじゃないですか?

 次は氷の妖精さんの出番です。
 この子は、常に冷凍庫の中に居ます。冷凍庫の中で踊ってます。たまに寝てます。寝てる姿も可愛いです。
 
「氷作って、お願い」

 そうお願いすると、デフォルメキャラの氷を作ってくれます。飲み物に入れるのが勿体ない出来栄えです。氷を作るしか出来ない妖精さんですけど、良いんです。だって可愛いんだもん。

 さあ、今度はお仕事の妖精さん。
 この子が普段何をしているのか。私自身が一番疑問な妖精さんです。だって、私がアルバイトで困った時にポンと現れる妖精さんですよ。

 この子は、色々な企業や仕事の現場に行って、あらゆる分野のノウハウを研究しているそうです。
 凄いと思いません? この子が居れば、人生勝ち組間違いなしですよ。そうは言っても、そのノウハウを私が活かせなければ、意味は有りませんけど。

 予防医療の妖精さんは、敢えて言わなくても良いかな。
 だって、大抵私の周りを飛んで、お口をモグモグさせてるんですから。それこそ不思議要素満載ですが、この子はこれで良いんです。おかげで、私も風邪をひかなくなった訳ですし。

 音楽の妖精さんは、お料理の妖精さんに近い日常を送ってる様です。
 CDショップやら、コンサートやら、ライブやら、録音スタジオやら、世界各地を飛び回り、あらゆるジャンルの音楽を吸収して帰って来ます。
 帰って来たら練習をするようです。練習は私の居ない時にこっそりとしている様です。それで、私の前でいざ本番らしいです。

 健気ですね。でも、演奏を聴いてくれるのが、嬉しいんでしょうね。演奏にはなるべく拍手で答える様にしてます。その時の笑顔は、やりきったと言うか満足と言うか、とてもいい笑顔をしてくれます。
 
 これが、今まで紹介した妖精さん達の日常です。
 大抵引き籠っているのが、お掃除、お勉強、火、水、氷の妖精さん。ほとんど外出してるのが、お料理、お仕事、土、音楽の妖精さん。雪の妖精さんは期間限定なので置いといて、フリーダムな風の妖精さんの行動はいまいち掴めません。予防医療の妖精さんも謎行動が多いですね。

 それぞれの妖精さんは、他の妖精さんの邪魔はしません。追いかけっこする火と水の妖精さんは、お勉強の妖精さんの読書を邪魔しません。お勉強の妖精さんは、お掃除の妖精さんの邪魔にならない様に読書します。
 ちゃんと、家の中でも住み分けが出来ていますし、協力もし合います。

 賢く可愛い妖精さん達。わいわい賑やかな妖精さん達との暮らし、いつかあなたも体験出来るといいですね。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

星降る夜に落ちた子

千東風子
児童書・童話
 あたしは、いらなかった?  ねえ、お父さん、お母さん。  ずっと心で泣いている女の子がいました。  名前は世羅。  いつもいつも弟ばかり。  何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。  ハイキングなんて、来たくなかった!  世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。  世羅は滑るように落ち、気を失いました。  そして、目が覚めたらそこは。  住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。  気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。  二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。  全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。  苦手な方は回れ右をお願いいたします。  よろしくお願いいたします。  私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。  石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!  こちらは他サイトにも掲載しています。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい

藤永ゆいか
児童書・童話
過去のある出来事から、空手や合気道を習うようになった私。 そして、いつしか最強女子と言われるようになり、 男子が寄りつかなくなってしまった。 中学では恋がしたいと思い、自分を偽って 学校生活を送ることにしたのだけど。 ある日、ひったくり犯を撃退するところを クラスメイトの男子に見られてしまい……。 「お願い。このことは黙ってて」 「だったら、羽生さん。 俺のボディーガード兼カノジョになってよ」 「はい!?」 私に無茶な要求をしてきた、冴えないクラスメイトの 正体はなんと、大財閥のイケメン御曹司だった!? * * * 「ボディーガードなんて無理です!」 普通の学校生活を送りたい女子中学生 羽生 菜乃花 × 「君に拒否権なんてないと思うけど?」 訳あって自身を偽る隠れ御曹司 三池 彗 * * * 彗くんのボディーガード兼カノジョになった 私は、学校ではいつも彼と一緒。 彗くんは、私が彼のボディーガードだからそばにいるだけ。 そう思っていたのに。 「可愛いな」 「菜乃花は、俺だけを見てて」 彗くんは、時に甘くて。 「それ以上余計なこと言ったら、口塞ぐよ?」 私にだけ、少し意地悪で。 「俺の彼女を傷つける人は、 たとえ誰であろうと許さないから」 私を守ってくれようとする。 そんな彗くんと過ごすうちに私は、 彼とずっと一緒にいたいと思うようになっていた──。 「私、何があっても彗くんのことは絶対に守るから」 最強女子と隠れ御曹司の、秘密の初恋ストーリー。

【運命】と言われて困っています

桜 花音
児童書・童話
小6のはじまり。 遠山彩花のクラスである6年1組に転校生がやってきた。 男の子なのに、透き通るようにきれいな肌と、お人形さんみたいに、パッチリした茶色い瞳。 あまりにキレイすぎて、思わず教室のみんな、彼に視線が釘付けになった。 そんな彼が彩花にささやいた。 「やっと会えたね」 初めましてだと思うんだけど? 戸惑う彩花に彼はさらに秘密を教えてくれる。 彼は自らの中に“守護石”というものを宿していて、それがあると精霊と関われるようになるんだとか。 しかも、その彼の守護石の欠片を、なぜか彩花が持っているという。 どういうこと⁉

処理中です...