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赤の章
赤十一話【R18】
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「大きな町もいいものだろう、アキレスよ」
帰り道、デンファーレ王はアキレスに聞いた。その声は陽気だった。アキレスは明るく答えた。
「ああそうだな。楽しかった」
デンファーレ王は笑った。
「私の国が影響を及ぼす範囲なんか限られたものだ。西大陸全体から見れば小さなことだ。領地を拡げても国は大きくならないかも知れない。が、こんな大きな町があるのだから、国を持つ者として領地を栄えさせようとする意気込みは持って当たり前ではないか」
そこにある衝突を気にしない。たぶんそれが問題になるのだろう。アキレスはこの王の魅力と欠点を同時に想った。
「私はあなたの思いに何ができるのだろうな」
アキレスはブラックベリのように割り切って王の手足になることはできなかった。それどころか下手をしたら国を二分してしまう。王を支えたいと思うが、金の流れで物事が決まっていくことに加担するのは苦しかった。
「何を言ってる、アキレス」
王は笑いを止めて、アキレスを見た。
「そばにいてくれるだけで良い」
「ありがとう。私はあなたがそれでいいのなら約束しよう。いつも隣にいると」
デンファーレ王はそっと馬車の窓を閉め、アキレスにキスをした。長く、互いが心を預けるように。
デンファーレ王は唇を解くと、ランタンの灯りを付けた。炎は蝋燭のように淡く車内を照らした。アキレスはハンカチでそっと口を拭いた。
「城に着くまで待てるか?」
アキレスは答えず、静かにデンファーレ王の肩に頭を預け、腕を抱いた。そして揺らめくランタンの炎を見つめた。
「王は優しいと思う」
アキレスは呟くように小さく言った。
「それは私が知っていればいいと思う。それでいいだろうか?」
「アキレスの思う通りで良い」
アキレスの見せた独占欲にデンファーレ王は温かく応えた。
「城まで長いな」
アキレスはぼそりと言った。
「馭者を急かすわけにもいくまい」
デンファーレ王は応えた。
「王は床を共にする時、私のやり方で満足してくれる。王が悦ぶ所が私は好きだ」
デンファーレ王は睦言に静かに耳を傾けた。アキレスの鼓動が聞こえ、共鳴した。
アキレスは言った。
「城に着いたら続きを話そう」
小さな城だった。デンファーレ王家とも縁が深く、デンファーレ王がメリルからの帰り道の時は必ず寄る城だった。
城主は気の良い夫婦だった。食事をご馳走になった時、デンファーレ王は赤バラ王家のスカーレット・ポルカのことやカトレア王のこと、聖騎士銀行で聞いた話などを城主に話した。城主は旅の者の話を喜んで聞いていた。アキレスはこの城主は薄暗い密約などのない信用できる者だと思った。
アキレスは入浴を済ますと、部屋で王を待った。王はアキレスに先に風呂を譲り、後から入った。普通城の浴場は王家の者が入る所と僧侶や王城守護魔術師などの城仕えの者達が入る場所と分かれていた。城仕えの者の風呂は大浴場だった。男女は時間を決めて交替で使う。城仕えの者で一人で入りたい者は、夜遅くに風呂を使う。ブラックベリなどは、深夜に一人で風呂を使っていた。城では客を迎えると、王家の浴場を客に貸す。もてなしの一つだった。ちなみにスウェルトの城では、デンファーレの花を浮かべている。
アキレスは王を待つ間、燭台の火を消し、闇の中に混ざってしまいたい心を感じた。その隣に王がいれば、アキレスは多幸感に包まれるだろう。しかしそれでは王の顔が見えないか、と気付きふっと笑った。その一時だけでも王を幸せにできることが、アキレスの悦びだった。
王はいつものように、綺麗な髪を潤わして戻って来た。王が椅子に座ると、アキレスは温かなタオルで王の薄紫色の髪を拭く。丁寧に、優しく。髪はいつものように、整髪剤の香料のいい匂いがした。水気を落とすと、アキレスは櫛を通す。滑らかで、触り心地が良かった。この髪質は天性のものだ、とアキレスは思う。髪が整うと、アキレスは櫛を置いた。
「終わったな」
「そうか」
デンファーレ王は立ち上がり、ベッドに座った。アキレスも同じく隣に座った。夫婦の会話はキスから始まり、少しづつ少しづつ陶酔していった。キスはアキレスの首を伝い、胸を通った。アキレスは紅潮し、デンファーレ王はじっと攻めた。
「……王よ、交替しよう」
アキレスは王の心の高まりを見て、言葉を掛けた。
「そうか。アキレスが嫌でなければ」
「私はあなたの悦ぶ所が見たい」
アキレスは王が望む場所を優しく愛でた。王は恍惚とし、悦楽に浸った。幸福そうだった。その顔は自分以外誰にも見せることはない、との思いがアキレスを愉しませた。アキレスは口の中に苦いものを受け取った。そしてそれをごくりと飲み込んだ。デンファーレ王はアキレスの頭を撫でた。
「そろそろ続きをしたいが、構わないだろうか?」
アキレスはささやくように聞いた。
「アキレスの好きなようにして良い」
王はゆったりと寝そべった。アキレスは言われた通り、自分の好きなようにした。馬に乗るのである。最初に床を共にした時、王は聞いた。
「アキレスよ、私のペースは嫌か?」
「……王は優しくしてくれる。心配ない」
「そうか。私はやって欲しいことがある」
王は笑った。そしてこの態勢を教わった。
アキレスは自由に陶酔と興奮を愉しみ、その感情をデンファーレ王が追う。驚くほど気が合った。
王は眠りに就くのも早い。アキレスは多幸感に満たされてその横で微笑んだ。
王は床ではどちらかと言えば受け身の方が愉しそうだった。その秘密を知るのは、アキレスだけだった。
アキレスはデンファーレ王と床を共にした後の朝も好きだった。一糸まとわぬ細身の白き肌は美しく、いつも見惚れてしまう。王と目が合うと、アキレスはさっと手元を見る。王は正装をしている時は王者の風格があるが、それで飾らなくても魅力があった。
デンファーレ王は服に袖を通した。そして窓に止まっていた伝書鳩に二人分のコーヒーを所望した。アキレスも服を身に着けた。侍女が客室にコーヒーを持ってきた。デンファーレ王はそれを受け取り、一つをアキレスに渡した。コーヒーは旅の香りがした。
デンファーレ王がアキレスに語りかけた。
「私がまだ十代に満たなかった頃は、アフェランドラに空間を渡ってメリルまで伴をしてもらっていた。お目付け役でもあった。旅は楽で良かったが、こたびも魔術師に移動を頼めば良かったか?」
「いや。私は旅はゆっくりがいいと思う」
アキレスはいつもと違う味のコーヒーを一口味わった。
「同じだな」
デンファーレ王は同意した。
馬車の旅は昼に食事を兼ねて休憩する以外は止まらなかった。ペガサスよりもゆっくりだが、アキレスはこの長い旅が楽しかった。
「王は子どもの頃からメリルに来ていたのだな。その時の話を聞きたい」
アキレスは旅のつれづれにデンファーレ王に昔話を頼んだ。
「長くなるがいいか?」
「旅に丁度良いだろう。頼む」
アキレスはにっこり笑った。デンファーレ王は語った。
デンファーレ王は七才で戴冠した。その時から親政だった。王の仕事は領地の管理、物品購入や売却の報告の受付、城の内外の僧侶との打ち合わせ、外交、それと城に来た客への挨拶だった。記憶力が良く、王に渡す書類のごまかしなどはすぐに見破った。
デンファーレ王は王子の時からチェスで賭けを行うことを知っていた。王家の伝統だった。親政を始めて最初のチェスの時、デンファーレ王は賭けを取りまとめるメリルの町を視察することに決めた。チェスの賭けは国の財産を増やす手段の一つだった。
「私も先王と同じくチェスの間、メリルの様子を見に行ってくる」
「では、我がお供しましょう」
王城守護魔術師のアフェランドラが護衛に名乗り出た。デンファーレ王は頷いた。この重臣は王の護衛に慣れていた。
「城のことは私にお任せ下さい、王よ」
同じく魔術師のスクアローサが畏まって応えた。
「宜しく頼む」
そしてデンファーレ王は旅の手筈を整え、アフェランドラと共にメリルへ行った。
帰り道、デンファーレ王はアキレスに聞いた。その声は陽気だった。アキレスは明るく答えた。
「ああそうだな。楽しかった」
デンファーレ王は笑った。
「私の国が影響を及ぼす範囲なんか限られたものだ。西大陸全体から見れば小さなことだ。領地を拡げても国は大きくならないかも知れない。が、こんな大きな町があるのだから、国を持つ者として領地を栄えさせようとする意気込みは持って当たり前ではないか」
そこにある衝突を気にしない。たぶんそれが問題になるのだろう。アキレスはこの王の魅力と欠点を同時に想った。
「私はあなたの思いに何ができるのだろうな」
アキレスはブラックベリのように割り切って王の手足になることはできなかった。それどころか下手をしたら国を二分してしまう。王を支えたいと思うが、金の流れで物事が決まっていくことに加担するのは苦しかった。
「何を言ってる、アキレス」
王は笑いを止めて、アキレスを見た。
「そばにいてくれるだけで良い」
「ありがとう。私はあなたがそれでいいのなら約束しよう。いつも隣にいると」
デンファーレ王はそっと馬車の窓を閉め、アキレスにキスをした。長く、互いが心を預けるように。
デンファーレ王は唇を解くと、ランタンの灯りを付けた。炎は蝋燭のように淡く車内を照らした。アキレスはハンカチでそっと口を拭いた。
「城に着くまで待てるか?」
アキレスは答えず、静かにデンファーレ王の肩に頭を預け、腕を抱いた。そして揺らめくランタンの炎を見つめた。
「王は優しいと思う」
アキレスは呟くように小さく言った。
「それは私が知っていればいいと思う。それでいいだろうか?」
「アキレスの思う通りで良い」
アキレスの見せた独占欲にデンファーレ王は温かく応えた。
「城まで長いな」
アキレスはぼそりと言った。
「馭者を急かすわけにもいくまい」
デンファーレ王は応えた。
「王は床を共にする時、私のやり方で満足してくれる。王が悦ぶ所が私は好きだ」
デンファーレ王は睦言に静かに耳を傾けた。アキレスの鼓動が聞こえ、共鳴した。
アキレスは言った。
「城に着いたら続きを話そう」
小さな城だった。デンファーレ王家とも縁が深く、デンファーレ王がメリルからの帰り道の時は必ず寄る城だった。
城主は気の良い夫婦だった。食事をご馳走になった時、デンファーレ王は赤バラ王家のスカーレット・ポルカのことやカトレア王のこと、聖騎士銀行で聞いた話などを城主に話した。城主は旅の者の話を喜んで聞いていた。アキレスはこの城主は薄暗い密約などのない信用できる者だと思った。
アキレスは入浴を済ますと、部屋で王を待った。王はアキレスに先に風呂を譲り、後から入った。普通城の浴場は王家の者が入る所と僧侶や王城守護魔術師などの城仕えの者達が入る場所と分かれていた。城仕えの者の風呂は大浴場だった。男女は時間を決めて交替で使う。城仕えの者で一人で入りたい者は、夜遅くに風呂を使う。ブラックベリなどは、深夜に一人で風呂を使っていた。城では客を迎えると、王家の浴場を客に貸す。もてなしの一つだった。ちなみにスウェルトの城では、デンファーレの花を浮かべている。
アキレスは王を待つ間、燭台の火を消し、闇の中に混ざってしまいたい心を感じた。その隣に王がいれば、アキレスは多幸感に包まれるだろう。しかしそれでは王の顔が見えないか、と気付きふっと笑った。その一時だけでも王を幸せにできることが、アキレスの悦びだった。
王はいつものように、綺麗な髪を潤わして戻って来た。王が椅子に座ると、アキレスは温かなタオルで王の薄紫色の髪を拭く。丁寧に、優しく。髪はいつものように、整髪剤の香料のいい匂いがした。水気を落とすと、アキレスは櫛を通す。滑らかで、触り心地が良かった。この髪質は天性のものだ、とアキレスは思う。髪が整うと、アキレスは櫛を置いた。
「終わったな」
「そうか」
デンファーレ王は立ち上がり、ベッドに座った。アキレスも同じく隣に座った。夫婦の会話はキスから始まり、少しづつ少しづつ陶酔していった。キスはアキレスの首を伝い、胸を通った。アキレスは紅潮し、デンファーレ王はじっと攻めた。
「……王よ、交替しよう」
アキレスは王の心の高まりを見て、言葉を掛けた。
「そうか。アキレスが嫌でなければ」
「私はあなたの悦ぶ所が見たい」
アキレスは王が望む場所を優しく愛でた。王は恍惚とし、悦楽に浸った。幸福そうだった。その顔は自分以外誰にも見せることはない、との思いがアキレスを愉しませた。アキレスは口の中に苦いものを受け取った。そしてそれをごくりと飲み込んだ。デンファーレ王はアキレスの頭を撫でた。
「そろそろ続きをしたいが、構わないだろうか?」
アキレスはささやくように聞いた。
「アキレスの好きなようにして良い」
王はゆったりと寝そべった。アキレスは言われた通り、自分の好きなようにした。馬に乗るのである。最初に床を共にした時、王は聞いた。
「アキレスよ、私のペースは嫌か?」
「……王は優しくしてくれる。心配ない」
「そうか。私はやって欲しいことがある」
王は笑った。そしてこの態勢を教わった。
アキレスは自由に陶酔と興奮を愉しみ、その感情をデンファーレ王が追う。驚くほど気が合った。
王は眠りに就くのも早い。アキレスは多幸感に満たされてその横で微笑んだ。
王は床ではどちらかと言えば受け身の方が愉しそうだった。その秘密を知るのは、アキレスだけだった。
アキレスはデンファーレ王と床を共にした後の朝も好きだった。一糸まとわぬ細身の白き肌は美しく、いつも見惚れてしまう。王と目が合うと、アキレスはさっと手元を見る。王は正装をしている時は王者の風格があるが、それで飾らなくても魅力があった。
デンファーレ王は服に袖を通した。そして窓に止まっていた伝書鳩に二人分のコーヒーを所望した。アキレスも服を身に着けた。侍女が客室にコーヒーを持ってきた。デンファーレ王はそれを受け取り、一つをアキレスに渡した。コーヒーは旅の香りがした。
デンファーレ王がアキレスに語りかけた。
「私がまだ十代に満たなかった頃は、アフェランドラに空間を渡ってメリルまで伴をしてもらっていた。お目付け役でもあった。旅は楽で良かったが、こたびも魔術師に移動を頼めば良かったか?」
「いや。私は旅はゆっくりがいいと思う」
アキレスはいつもと違う味のコーヒーを一口味わった。
「同じだな」
デンファーレ王は同意した。
馬車の旅は昼に食事を兼ねて休憩する以外は止まらなかった。ペガサスよりもゆっくりだが、アキレスはこの長い旅が楽しかった。
「王は子どもの頃からメリルに来ていたのだな。その時の話を聞きたい」
アキレスは旅のつれづれにデンファーレ王に昔話を頼んだ。
「長くなるがいいか?」
「旅に丁度良いだろう。頼む」
アキレスはにっこり笑った。デンファーレ王は語った。
デンファーレ王は七才で戴冠した。その時から親政だった。王の仕事は領地の管理、物品購入や売却の報告の受付、城の内外の僧侶との打ち合わせ、外交、それと城に来た客への挨拶だった。記憶力が良く、王に渡す書類のごまかしなどはすぐに見破った。
デンファーレ王は王子の時からチェスで賭けを行うことを知っていた。王家の伝統だった。親政を始めて最初のチェスの時、デンファーレ王は賭けを取りまとめるメリルの町を視察することに決めた。チェスの賭けは国の財産を増やす手段の一つだった。
「私も先王と同じくチェスの間、メリルの様子を見に行ってくる」
「では、我がお供しましょう」
王城守護魔術師のアフェランドラが護衛に名乗り出た。デンファーレ王は頷いた。この重臣は王の護衛に慣れていた。
「城のことは私にお任せ下さい、王よ」
同じく魔術師のスクアローサが畏まって応えた。
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そしてデンファーレ王は旅の手筈を整え、アフェランドラと共にメリルへ行った。
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