スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

２話 二章 ギルドの屋敷のあれこれ

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　「そして、キリエ。……あなた、…いつからリキッド様に意見する程、偉くなったのですか？」
　「え？！…いや、あの、えっと。」
　「おまけに、人の非を攻めているけど？…付き人の貴女は何をしていたのかしら？…ちゃんと見てないから、先程ヒナ様が怪我をするかもしれなかったのよ。…わかってる？」
　「！！……そ、それは。………」
　「…あなたは分類上、使用人の位置付けですよ。…それなのに、ギルド及び屋敷の主であるリキッド様の決定に意義を唱えたの？…さらに、あまつさえ血縁者のヒルフェ様にも暴言を吐いていいわけないでしょう。」　
　さらに続けて、ダフネは文句をキリエにも言う。
　「……は、はい。……」
　キリエも姿勢を正しく直すと、返事をしていた。すぐさまヒナからも離れており、あまりの怖さに、顔も少し青ざめさながら両目を滲ませているようだった。　
　「言い訳は結構です。…明日まで少し、自室で頭を冷やしなさい。」
　と、ダフネが最後に告げると、出入口の扉を指し示して命令していた。
　「………。」
　それを受けてキリエは、渋々ながらも指示に従って歩いていく。だが扉を潜り抜ける時に、また俺の方を一瞥しつつ、鋭い視線を向けていた。
　やがて扉が音を立てて閉まる。
　「全く。…」
　ダフネは見届けると、溜め息を吐いていた。さらに続けて懐から懐中時計を取り出して文字盤を眺めると、
　「もうすぐ夕食時になりますね。…マア、ミィ、ムゥ、来なさい。」
　と、誰かに声を掛けて呼びつける。
　「「「は、はい！！」」」
　すると若いメイド達が揃って返事をし、再び此方への側へとやってきた。
　「あなた達は、……一度、ヒナ様をお部屋へ、……その後に夕食の準備に取りかかってください。」
　そしてダフネが速やかに指示する。
　すぐにメイド達は恭しく御辞儀してから、ヒナを連れて食堂から退室する。
　やがて部屋の中は、一気に静かになった。
　すると唐突に、ダフネが此方に向き直ると
　「私の弟子の様な者が申し訳ありません。…ヒルフェ様。」
　と言いながら、いきなり頭を下げて謝罪してきた。