スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

２話 四章 冒険者ランク取得試験 (前編)

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　そうして暫しの後に、ー
　ようやく試験が開始されようとしていた。
　ギルド職員の指示のもと、俺達を含む受験者は集まると、二組ずつに分かれた。
　全部で四つの列を作って並ばされる。
　すると今度は、ギルド職員が大きな箱を抱えてやってくると中から木の札が出しており、各列の先頭から順番に配っていく。
　やがて、俺にも手渡された。
　その木の札には、表面に「A」と書かれている。
　それが終わると、今度は最前列の前で此方と対面する様に、アルフォンスが立ち止まる。彼の手に円錐形で中が空洞になっている物を持っており、徐に口に宛がいだした。
　「え～、ランク取得、……」
　と、アルフォンスの声が大音量で聞こえだす。
　俺達は咄嗟に耳を手で塞いだ。アルフォンスも慌てて、手にしている物のノズルを弄り、再度また此方に向けて喋りだす。
　「失礼しました。魔道具の調子が悪いようで。…改めまして、ランク取得試験を受験する皆様、朝早くからご足労くださり、ありがとうございます。…これより、試験の説明をさせていただきます。」
　彼の説明された事を要約すると、ーー
　１、試験は全部で三項目ある。その内の二つ以上を合格すれば、冒険者と認められ、最も下のGランクを取得する事が出来る。※試験の結果によってはDからFまでの、どれかのランクを与える。
　２、項目は、武術、魔術、総合的活動能力。加点式により規定数以上に達した者は合格となる。※どれに参加するかは個人の自由である。
　３、前者の二項目は、複数または個人同士での対人戦を行う。後者はギルドの管理する崖上の森の模擬ダンジョンを舞台に、各々の能力を計る。
　４、一部の武器や防具の持ち込み、チームでの参加は自由である。※但し、人数や状況に応じて点数は配分される。
　俺は話を聞くと、理解した。
　「…では、最後に我がギルドのリキッド様から皆様に挨拶があります。…」
　続けざまに、アルフォンスは一言だけ伝えると、手を上げて合図を出した。
　その直後に、今度はリキッドがやって来た。さらに列の前に対面する様に立つと、アルフォンスから魔道具を受け取っていた。