スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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2話 エピローグ ようこそ始まりの街【ビーギニング】へ

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 「では、旦那様とヒルフェ様は真ん中へ。」
 「お、おう。」
 「その隣にはヒナ様で。」
 「うん!」
 「キリエも早く立ちなさい。」
 「…………は、はい。」
 「他の従業員達は、その周りに集まってください。」
 そうして俺を含め、庭にいる者達は順々に並びだす。
 リキッドを真ん中に立たせると、
 右隣に俺が立つ。
 さらに続いてヒナとキリエに、メイドの三人娘がいる。
 反対の左側にはダフネがいた。ちゃっかりと陣取っている。
 残りの従業員達が周囲に集まって、写れるだけ揃った。
 そして真正面に、アルフォンスかカメラを構え、呼び掛けてきた。
 「では撮しますので、もう少し皆さん寄ってください。」
 その言葉をリキッドは聞いて、子供の様にはしゃいでいた。俺と肩を組みだしてきて、カメラに向かって笑顔を向けていた。不意に此方へと振り返ってくると、
 「ヒルフェ君、楽しいね。」
 「はしゃぎすぎだ、バーカ。」
 「ねぇ、ヒルフェ君。」
 「なんだよ…。」
 「…これからも、沢山の写真を撮ろうね。…思い出を沢山作ろう。」
 「……。」
 「おかえり、ヒルフェ君…そして、ようこそ【ビーギニング】へ。」
 と最後に、ハッキリと呟いていた。
 俺は真正面を向いたまま、黙ってしまう。不覚にも目を合わせられずにいた。
 この街に来てからも、沢山の出来事があった。不安な事や、大変な事に、ムカつく事も、短い間ながら挙げれば切りがない。またこの先もあるだろうと思った。
 しかし、それでも心の中が暖かい感覚に包まれる。
 再びアルフォンスの声で、「もう少し寄ってください。」と言うのが聞こえると、今度はヒナも俺の腕に抱きつくのだった。
 すると、また暖かい感覚が増していく。皆が暖かいとさえ、錯覚していた。
 同時に、シャッターの音がしていた。
 その後に、俺はすぐに顔を伏せてしまう。潤んだ両目や、笑うのを堪えて引くつく口元が写っていたかもしれない。凄く気になって仕方がなかった。
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