スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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3話 4章 前編 山の調査と修行と【ヒルフェ】

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 「それは、……。」
 その途中で、リキッドは左右を交互に見渡しだす。俺とヒナに視線を送ってきた。
 すかさずヒナが返事をする。
 「大丈夫だよ、おじいちゃん。…お仕事だもん。」
 「…俺も、…別に構わない。」
 と俺も同じく返事をした。やや投げやり気味の感じになってしまった。
 「ありがとうね~。…二人とも~!」
 するとリキッドは、途端に涙を流している。さらには此方の肩を引き寄せて、ヒナ共々を抱きしめてきたのだった。
 「えぇい!…暑苦しい!!」
 すぐに俺は思わず引き剥がし、話題を反らす。人前でされると、恥ずかしいからだ。
 「…で、この馬車は、最終的に何処に行くんだ?」
 「猫亜人族の集落があるとされる場所ですぜぇ。…此処から山を越えた向こう側、山脈地帯の谷間の川沿いにあるんでさぁ。…かれこれ、馬車なら四日間程度で到着する筈だな。」
 此方の問いに、ドンドが答えてくる。
 「…知ってるかもしれないけど、猫亜人族と都人は、ある程度の交流があったんだ。…大陸の北から西地区のギルドでは、山の案内兼護衛として雇用する事もある。…たまにギルドからの薬草採集や害獣の魔物を討伐する依頼に参加したりしていたんだよ。」
 「……そうか。…なら、猫亜人族を保護するっていう事だな。」
 と、俺はさらに問いかける。
 「…いいや。正確に集落はない。…もう家は壊されて誰もいなかったらしい。…だから其処を目指しつつ、途中で幾つかの地点で猫亜人族が居ないかを探すんだよ。…今は情報が少なく、出来る範囲でやれる事は、これが今は限界だからな。」
 しかし、ドンドは首を横に振って否定し、説明を続けてきた。
 「…ミーツの譲ちゃんも、最近は他の猫亜人族とは会ってないようだ。…此処暫くの間は、仲間がいないか山中を探し廻っていたらしい。…それと、怪我した奴の為に、薬になる薬草も探していたんだとよ。…」
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