スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

四章 後編 交戦する戦闘と、戦う意味と【ヒルフェ】

６

　すると蛇神結社の奴らは、二手に分かれると、彼等の方にも集団で迫っていく。
　皆も標的とされたようだ。
　「うおりぁぁ！！」
　「っふ！！」
　しかし、すぐさまダフネが迎撃して対処している。自前の刀を振るいつつ、次々と蹴散らしている。
　同じくドンドも、敵を返り討ちにしていた。一人を投げ飛ばして地面に叩きつけると、相手の手から離れた武器を即座に拾い上げ、次の敵と鍔競合いを繰り広げる。
　｢よし、私も！！｣
　さらにアスターも動きだし、加勢に加わろとしている。すかさず掌に魔力を込めだしている。
　だが次の瞬間には、ダフネとドンドが大声で怒鳴りながら、制止を呼び掛けていた。
　｢｢あんたは、後ろで控えてろ！！…王族なんだから！｣｣
　｢…いや、しかし。…｣
　とアスターは不満を漏らすも、渋々ながらヒナ達の前を陣取り、護衛に専念しだす。
　それでも尚も、蛇神結社は何度も襲いかかってきて、同じ行動を繰り返す。
　対して此方は、　後手後手の対応に回ってしまうも、なんとか踏み止まって形勢を保っている。だが今にも、押しきられそうである。
　未だにダフネとドンドは、背後のアスター達を庇いながら戦い続けており、思う様に動けないままだ。
　さらにキリエも武器を構えつつ、ヒナを背にして、敵を近づけさせない様に威嚇しながら、立ち回っている。
　｢ほら、来たら火傷するぞ。｣
　ついでにアスターも、火の魔法を掌で留めながら、相手の接近を牽制している。
　「皆、大丈夫かい？」
　その間に、リキッドは兵士に連れられながら、ようやく皆と合流を果たした。
　しかし、それと入れ替わる形で、今度はミーツが蛇神結社達へと目掛けて、突進していった。
　「おい！！？…待てよ！！」
　と俺が大声で呼び止めるも、全く意味はない。
　彼女は怒りを露にしており、素早く軽い身のこなしで相手に接近する。すぐに殴り掛かって攻撃しては一人を倒し、再び次の標的へと突撃してを繰り返していた。