スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

四章 後編 交戦する戦闘と、戦う意味と【ヒルフェ】

１９

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　やがて辺りの景色が映り変わる。
　森の木々は、瞬く間に後ろへと行き過ぎる。
　俺達を乗せた馬は、ぐんぐんと前に進んでいく。
　「なぁ、…奴らは何処にいるんだ？」
　と、俺は周りを見回しながら、独り言の様に質問の言葉を投げ掛ける。
　するとヒナは、黒魔石のペンダントを首にかけながら、続け様に祈る様な仕草をしだすと、
　「…あっち」
　と呟いてから、ずっと先にある山の方向を指で指し示した。
　すぐにキリエは手綱を操り、馬の進路を変えて、進ませる。
　ふと俺は、再び疑問を口にした。
　「…その首飾りは、どうやって相手の場所を認識するんだ？」
　「うんとね。…これに自分の魔力を込めていくと、もう一つの首飾りが内臓する魔力の波長を感じるの。…それを今、あたしが付けている首飾りに届くと、頭の中に映像が浮かんで見える様になるの。」
　と再びヒナは答えると、また祈る様な仕草を繰り返し、自分の成すべく事に集中しだしたようだ。
　「魔力か。…いったい、どんな事をすればよいのだろうか。」
　その直後に、俺は自らの掌を見つめながら、考え事に没頭していく。自ずと思考は、自らの魔力の事を考えていた。ある程度の動かし方は理解できるも、未だに発動の方法は解らず、何かの切っ掛けが必要だと感じていた。