スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

五章 最終決戦と【ヒルフェ】

１０

　しかし、攻撃が当たる寸前に、ーー
　「うらぁ！！」
　とノイマンが側まで来た。さらに敵との間に割って入り込んできて、自分の大剣を盾にする様にして防いでくれた。
　「ふっ！」
　ついでに、此方の目の前を強い風圧が横切ると、異変が起きた。
　今まで巻き付いていた鞭の部分が細切れになった。
　やや遅れて、俺は辺りを見渡すと、ー
　ちょうどダフネが刀を鞘にしまう動作をしているようだった。先程の強い風圧は彼女の仕業だ。
　「いやぁ、何で！？」
　とイムテの叫び声がしていた。
　ついでにガーフィールドも同じく、目の前の出来事に、驚いていた。
　「な、何だと？！」
　「オラオラ！」
　そして今度は、ノイマンが鍔ぜり合いをしながら敵を押し返していき、
　「おい！…ボケっとしてたら、邪魔だ！…ボケ！」
　と、此方に視線を向けながら悪態をつきだす。
　「…んだと、この野郎！」
　すぐさま俺も、文句を言い返していた。
　そのまま二人で罵りあってしまう。
　「…相変わらず目障りなんだよ！…とっと退けや！」
　「そっちこそ、偉そうなのは相変わらずだな！…聞いててイライラするわ！」
　「うるせぇ！…やっぱり、てめぇに貸しを作ったままは、胸くそ悪いぜ。…これで貸し借り無しにしてやる。｣
　｢…？！…してやるって、何だよ！！…この傲慢野郎が！！｣
　「あぁ！？」
　「やんのか？」
　｢｢絶対に後で、ぶん殴ってやる！！｣｣
　しかも終いには、同時に同じ言葉を発してしまっていた。
　ただ最終的に、ノイマンは此方を促しているようだった。
　俺は言葉を受け入れて、すぐに動き出すのだった。