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10)生徒vs先生
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「君たちの相手をするのはこの子達だ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
ナタリー先生がそう言った瞬間地面が音を立てて揺れる。普通に立っているのもやっとなレベルだ。
「何だこいつら!?」
僕は揺れに足を取られないようにする事に必死で状況を飲み込めていなかった。誰かの叫ぶ声にハッとして前を向くと、先生の魔力によって生まれた魔物たちに囲まれていた。
「ウアアアア」
僕の目の前には大きな水の魔物がいた。周りを見渡すと水の魔物だけじゃない、土や炎の魔物など今までに見たこともないような魔物たちがこれでもかというほどいる。うちの領は魔物は出るが小さい魔物しか出ない比較的安全な場所だからこんな大きな魔物を沢山見たのは初めてだ。なんて、感傷に浸っている場合ではない。どうにかしてこの状況を乗り越えなければいけない。
「な、何ですのこの魔物たちは!私の魔法が通りませんわ!!」
「こんなのどうやって倒すんだよ!」
生徒たちは魔物に対して攻撃魔法を行っているが、あまり攻撃が通っている感じがしない。魔物の数と力に皆はパニックになりかけていた。
「皆落ち着け、近くにいる者と固まるんだ。決して一人で戦おうとするんじゃない。近接が苦手な者は後ろから支援を」
「厄介な敵は私とレナートが相手をしよう。無理に戦う必要はないよ」
二人の声かけにより、周りの空気が少し変わった。一人、また一人と集まりだし連携をとり始めたのだ。さすがSクラスというべきだろうか優秀である。僕はというとしっかりと出遅れてしまった。
「ナハト様!見つけましたわ」
「ルーナ嬢!」
僕を見つけてくれたのはルーナ嬢だった。いつもは下ろしている髪を上に括っている。可愛いな、などと考えている場合ではない。
「ねえ、ルーナ嬢これって…」
「情報のすり合わせの前に目の前の魔物を倒しますわよ」
「うん、確かにそうだね」
僕たちは目の前の水の魔物に対して杖を向ける。幸運なことに水属性の魔物と土属性の僕らは相性がいい。お互い攻撃魔法は得意ではないが倒せない相手ではない。
「ルーナ嬢は後ろから魔物の動きを封じてくれるかい?僕は魔物の核を壊すよ」
「任せてくださいまし」
合図を送った瞬間、ルーナ嬢は地面を杖で叩き魔物の足元を土で固める。動きが鈍くなった魔物に対して僕は杖に魔力を込め、魔物の核があるであろう場所に突っ込む。
「ー土よ、爆発しろ」
狙いは良かったらしく、魔物は塵となって消えていった。魔物は魔力の供給源である核が壊されるとその身を保つことができなくなり塵のようなものになり消えるのだ。倒せたはいいがやっと一匹。周りはその何十倍もの魔物がいる。
「ルーナ嬢、この調子で魔物たちを倒していって僕たちに勝機はあると思うかい?」
「いいえ、思いませんわね。多分周りも少しずつ気づいてきているようですわ」
「そうだね。私もそう思うよ」
「王子殿下!?」
いつの間にか目の前に現れた殿下にびっくりする。できれば急に現れるのはやめてほしい。心臓がいくらあっても足りない。まあそうだろう。今目の前にいる魔物を倒したとしても召喚者であるナタリー先生は無傷だ。先生の魔力量は王宮魔導士が数十人いても敵わないほど膨大だという。そのため、大元である先生を止めない限り魔物は永遠に湧いて出てくるのだ。
「ルーナ嬢、今この場にいる敵の数と先生までの距離はわかるかい?」
「任せてくださいまし。ただ、それまでの時間稼ぎを頼めますこと?」
「もちろん」
ルーナ嬢の得意魔法は索敵だ。どこにどのくらいの敵が配置されていて、どこかに綻びがないかを探すのに長けている。非常に優れたスキルだが本人は「可愛くないから嫌だ」と言っている。だが、戦地で使うものではないため無防備になってしまう。索敵が終わるまでは彼女を守る必要があるのだ。
「王子殿下、クラスメイトを一つに集めることってできますか?」
「王子殿下はやめてくれよ。クラウンって呼ぶって君が言ったんじゃないか」
「こんな状況で勘弁してください」
「ふふ、揶揄ってごめんよ。で、なんか策があるんだね?」
こんな状況になっても殿下は自分のペースを見出すことはない。大変憎らしいが今は殿下の皆をまとめる力が必要だ。こっそり殿下に近づき作戦を伝える。
「面白いね、難しいけどこのクラスの力があれば不可能ではない気がするよ」
すると殿下は耳に手を当てると伝達魔法で皆に情報を共有する。続々と人が殿下の周りに集まり出す。
『今、ルーナ嬢がこの状況を打開するために索敵魔法を使っている。魔物に邪魔されないように彼女を守るんだ』
たちまち皆はルーナ嬢を囲むように陣取る。昨日顔合わせをしたクラスとは思えない連携能力だ。
『前は僕とレナート、ウォルターが食い止める。他のものは魔力を温存し備えていてくれ』
前は魔力量の多い3人が頑張ってくれている。僕は土魔法で魔物が近付きにくくなるように壁を立てて時間稼ぎに勤しんでいた。この授業が始まって30分くらい立っていた。騎士団で普段から体を鍛えていたりする人以外にはかなり苦しい時間だった。かくいう僕も疲労感が溜まってきている。これ以上の長期戦は難しいだろう。
『終わりましたわ!周りの周りの数、戦力をだいたい絞れました』
『ありがとう、ルーナ嬢。皆疲れているかもしれないけどあと少しだけ頑張ろう。私を信じてついてきてくれるかな?』
「おおおおおおおおおお!!!」
疲れているはずなのに殿下の言葉一つで場の士気が上がる。さすがとしか言いようのないカリスマ性だ。これで全ての準備が整った。さあ、打倒ナタリー先生。反撃開始だ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
ナタリー先生がそう言った瞬間地面が音を立てて揺れる。普通に立っているのもやっとなレベルだ。
「何だこいつら!?」
僕は揺れに足を取られないようにする事に必死で状況を飲み込めていなかった。誰かの叫ぶ声にハッとして前を向くと、先生の魔力によって生まれた魔物たちに囲まれていた。
「ウアアアア」
僕の目の前には大きな水の魔物がいた。周りを見渡すと水の魔物だけじゃない、土や炎の魔物など今までに見たこともないような魔物たちがこれでもかというほどいる。うちの領は魔物は出るが小さい魔物しか出ない比較的安全な場所だからこんな大きな魔物を沢山見たのは初めてだ。なんて、感傷に浸っている場合ではない。どうにかしてこの状況を乗り越えなければいけない。
「な、何ですのこの魔物たちは!私の魔法が通りませんわ!!」
「こんなのどうやって倒すんだよ!」
生徒たちは魔物に対して攻撃魔法を行っているが、あまり攻撃が通っている感じがしない。魔物の数と力に皆はパニックになりかけていた。
「皆落ち着け、近くにいる者と固まるんだ。決して一人で戦おうとするんじゃない。近接が苦手な者は後ろから支援を」
「厄介な敵は私とレナートが相手をしよう。無理に戦う必要はないよ」
二人の声かけにより、周りの空気が少し変わった。一人、また一人と集まりだし連携をとり始めたのだ。さすがSクラスというべきだろうか優秀である。僕はというとしっかりと出遅れてしまった。
「ナハト様!見つけましたわ」
「ルーナ嬢!」
僕を見つけてくれたのはルーナ嬢だった。いつもは下ろしている髪を上に括っている。可愛いな、などと考えている場合ではない。
「ねえ、ルーナ嬢これって…」
「情報のすり合わせの前に目の前の魔物を倒しますわよ」
「うん、確かにそうだね」
僕たちは目の前の水の魔物に対して杖を向ける。幸運なことに水属性の魔物と土属性の僕らは相性がいい。お互い攻撃魔法は得意ではないが倒せない相手ではない。
「ルーナ嬢は後ろから魔物の動きを封じてくれるかい?僕は魔物の核を壊すよ」
「任せてくださいまし」
合図を送った瞬間、ルーナ嬢は地面を杖で叩き魔物の足元を土で固める。動きが鈍くなった魔物に対して僕は杖に魔力を込め、魔物の核があるであろう場所に突っ込む。
「ー土よ、爆発しろ」
狙いは良かったらしく、魔物は塵となって消えていった。魔物は魔力の供給源である核が壊されるとその身を保つことができなくなり塵のようなものになり消えるのだ。倒せたはいいがやっと一匹。周りはその何十倍もの魔物がいる。
「ルーナ嬢、この調子で魔物たちを倒していって僕たちに勝機はあると思うかい?」
「いいえ、思いませんわね。多分周りも少しずつ気づいてきているようですわ」
「そうだね。私もそう思うよ」
「王子殿下!?」
いつの間にか目の前に現れた殿下にびっくりする。できれば急に現れるのはやめてほしい。心臓がいくらあっても足りない。まあそうだろう。今目の前にいる魔物を倒したとしても召喚者であるナタリー先生は無傷だ。先生の魔力量は王宮魔導士が数十人いても敵わないほど膨大だという。そのため、大元である先生を止めない限り魔物は永遠に湧いて出てくるのだ。
「ルーナ嬢、今この場にいる敵の数と先生までの距離はわかるかい?」
「任せてくださいまし。ただ、それまでの時間稼ぎを頼めますこと?」
「もちろん」
ルーナ嬢の得意魔法は索敵だ。どこにどのくらいの敵が配置されていて、どこかに綻びがないかを探すのに長けている。非常に優れたスキルだが本人は「可愛くないから嫌だ」と言っている。だが、戦地で使うものではないため無防備になってしまう。索敵が終わるまでは彼女を守る必要があるのだ。
「王子殿下、クラスメイトを一つに集めることってできますか?」
「王子殿下はやめてくれよ。クラウンって呼ぶって君が言ったんじゃないか」
「こんな状況で勘弁してください」
「ふふ、揶揄ってごめんよ。で、なんか策があるんだね?」
こんな状況になっても殿下は自分のペースを見出すことはない。大変憎らしいが今は殿下の皆をまとめる力が必要だ。こっそり殿下に近づき作戦を伝える。
「面白いね、難しいけどこのクラスの力があれば不可能ではない気がするよ」
すると殿下は耳に手を当てると伝達魔法で皆に情報を共有する。続々と人が殿下の周りに集まり出す。
『今、ルーナ嬢がこの状況を打開するために索敵魔法を使っている。魔物に邪魔されないように彼女を守るんだ』
たちまち皆はルーナ嬢を囲むように陣取る。昨日顔合わせをしたクラスとは思えない連携能力だ。
『前は僕とレナート、ウォルターが食い止める。他のものは魔力を温存し備えていてくれ』
前は魔力量の多い3人が頑張ってくれている。僕は土魔法で魔物が近付きにくくなるように壁を立てて時間稼ぎに勤しんでいた。この授業が始まって30分くらい立っていた。騎士団で普段から体を鍛えていたりする人以外にはかなり苦しい時間だった。かくいう僕も疲労感が溜まってきている。これ以上の長期戦は難しいだろう。
『終わりましたわ!周りの周りの数、戦力をだいたい絞れました』
『ありがとう、ルーナ嬢。皆疲れているかもしれないけどあと少しだけ頑張ろう。私を信じてついてきてくれるかな?』
「おおおおおおおおおお!!!」
疲れているはずなのに殿下の言葉一つで場の士気が上がる。さすがとしか言いようのないカリスマ性だ。これで全ての準備が整った。さあ、打倒ナタリー先生。反撃開始だ。
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