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22)初めての行事
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「君の魔法が原因で君のことを認識できなかった…?」
一体どういう魔法なのだろうか。基礎魔法の中に「透明魔法」というものを聞いたことがあるが、あの魔法はかなり難易度が高く、ずっと使い続けるには難しいと思うのだが。
「わ、私の魔法は水魔法の派生の霧魔法ですわ。自分自身を霧のようにすることで影を薄くし、て、いましたの…」
「それは凄いですね。ぜひ見てみたいものだ」
レナート様の持っている氷魔法は水魔法の派生として有名だが、霧魔法とは初めて聞いた。”霧”というくらいだから細かい水滴を操作して使うのだろう。繊細で扱うのが難しい魔法のはずだ。
「そっん、な…すごくなんて無いですわ…」
「あら、ヨル様ってば照れているのね!可愛らしいわ」
「かっかわ!?」
ヨル嬢の顔がみるみるうちに真っ赤になっていき、だんだん姿が薄くなっていく。
「ヨ、ヨル様!?お姿が!!」
「あ、ああ~お恥ずかしいですわ…最近はコントロールできてきたと思っていましたのに…感情の高まりがありますと無意識に魔法が発動してしまうことがありますの。治したくても体は正直ですわ…」
急に饒舌になったヨル嬢に僕とルーナ嬢は驚く。さっきまで何か話すごとに行き詰まっていた姿が別人のようだ。ヨル嬢は「ハッ」と我に返るともう姿さえも見えなくなってしまった。
(これが霧魔法の凄さか…)
そのあとはなんとかルーナ嬢が霧になったヨル嬢を見つけ出し、僕たちは教室に向かった。
ーーー
「おはよう君たち、昨日はゆっくり休めたかな?」
自分の席に座ると軽快な足取りでナタリー先生が入ってきた。昨日あんなことがあったのにどんなメンタルなんだろう。
(今日こそは普通の授業をしてくれるんだろうな)
「皆そんな疑いの目を向けないでくれよ。今日こそは普通に授業するって…っと危ない危ない。その前にすることがあるんだった」
そう言って先生は魔法を使って黒板に何かを書いていく。
「今更だけど今から君たちの自己紹介をしていくよ☆顔合わせは昨日のうちに済ませていると思うけど、実際わからない子もいるだろう?これから20人で力を合わせていくためにもそれぞれについて理解しておくことは大事だと思うんだ」
確かに、入学してから一度も自己紹介をしていない。そりゃ昨日みたいなことがあったら自己紹介どころではないだろう。
「―と、いうわけで学級委員長のクラウンくんから」
「はい。クラウン・アレクサンドロスです。主に火属性と風属性を使える。委員長としてみんなを引っ張っていけるように頑張るよ」
「私はレナート・レイニーだ。私は氷属性が得意だ」
どんどん自己紹介が進んでいく。自分も無難に自己紹介をしていく。クラスメイトはもちろん「誰だお前」みたいな顔をしてみていたがしょうがないことだ。上流階級の貴族が多い。僕みたいな貴族の下の下みたいな存在は聞いたこともないだろう。ただ昨日はなんとなく殿下が僕を推したからこのクラスの秘書になったにすぎない。
「私はサテラ・セライトと申します。好きなことは読書と観察ですわ」
(彼女が殿下の婚約者のサテラ嬢か)
昨日はナタリー先生に怒っていたから怖い印象しかなかったが、実際に人前で話をしているのを見ると落ち着いた印象だ。さすが殿下の婚約者である落ち着いていて所作のひとつひとつに気品を感じる。なぜ彼女が殿下と僕の同室を許したのか見当もつかない。婚約者の同室が僕みたいなよくわからないやつなんて普通嫌だろう。
「へ?」
サテラ嬢が僕を見るなりニコッと微笑んだのだ。一体なんの笑みなんだろうか。ぞわわわわっと鳥肌が立つ。僕は咄嗟に視線を逸らした。サテラ嬢の視線が獲物を捕らえた蛇のように巻きついて離れないからだ。
(こっわ!!貴族って全員こんな感じなのか!?)
そんなことを考えているうちに自己紹介は終わっていく。
「私はルーナ・エントスですわ」
「自分はネイロ・ジャバスと言いますー」
「わっ……ヨル…す」
ヨル嬢に関してはほとんど何も聞こえなかったし、最後はほとんど姿が見えなくなっていた。そんなこんなで全員の自己紹介が終わる。こう見るとSクラスって本当にクセが強い。いい意味でも悪い意味でもだ。
「よしっ君たちお互いのことは少しは理解できたかな?皆の自己紹介を聞いてわかったと思うけどこのクラスは沢山の個性がある。それは他のクラスのどこにも引けを取らないほど優れたものだ。僕は君たちが卒業する頃にはきっと立派な魔導士になっているだろう」
先生の言っていることは正しい。だが、この化け物級の天才たちの中に僕が入っているのがいまだに意味がわからない。僕はそこまで魔術にも剣術にも優れているわけではない。選出方法がいまだにわからない。
「と、いうわけで、今年度初の行事!!気合い入れていこう!」
そういえばこの学園は行事が多いんだ。行事は大きく分けて二つ種類がある。一つはクラス全体で参加する行事。二つ目はクラスの中から選抜して数人、または一人が参加する行事に分けられる。
「最初の行事は”屋外キャンプ”だ!」
一体どういう魔法なのだろうか。基礎魔法の中に「透明魔法」というものを聞いたことがあるが、あの魔法はかなり難易度が高く、ずっと使い続けるには難しいと思うのだが。
「わ、私の魔法は水魔法の派生の霧魔法ですわ。自分自身を霧のようにすることで影を薄くし、て、いましたの…」
「それは凄いですね。ぜひ見てみたいものだ」
レナート様の持っている氷魔法は水魔法の派生として有名だが、霧魔法とは初めて聞いた。”霧”というくらいだから細かい水滴を操作して使うのだろう。繊細で扱うのが難しい魔法のはずだ。
「そっん、な…すごくなんて無いですわ…」
「あら、ヨル様ってば照れているのね!可愛らしいわ」
「かっかわ!?」
ヨル嬢の顔がみるみるうちに真っ赤になっていき、だんだん姿が薄くなっていく。
「ヨ、ヨル様!?お姿が!!」
「あ、ああ~お恥ずかしいですわ…最近はコントロールできてきたと思っていましたのに…感情の高まりがありますと無意識に魔法が発動してしまうことがありますの。治したくても体は正直ですわ…」
急に饒舌になったヨル嬢に僕とルーナ嬢は驚く。さっきまで何か話すごとに行き詰まっていた姿が別人のようだ。ヨル嬢は「ハッ」と我に返るともう姿さえも見えなくなってしまった。
(これが霧魔法の凄さか…)
そのあとはなんとかルーナ嬢が霧になったヨル嬢を見つけ出し、僕たちは教室に向かった。
ーーー
「おはよう君たち、昨日はゆっくり休めたかな?」
自分の席に座ると軽快な足取りでナタリー先生が入ってきた。昨日あんなことがあったのにどんなメンタルなんだろう。
(今日こそは普通の授業をしてくれるんだろうな)
「皆そんな疑いの目を向けないでくれよ。今日こそは普通に授業するって…っと危ない危ない。その前にすることがあるんだった」
そう言って先生は魔法を使って黒板に何かを書いていく。
「今更だけど今から君たちの自己紹介をしていくよ☆顔合わせは昨日のうちに済ませていると思うけど、実際わからない子もいるだろう?これから20人で力を合わせていくためにもそれぞれについて理解しておくことは大事だと思うんだ」
確かに、入学してから一度も自己紹介をしていない。そりゃ昨日みたいなことがあったら自己紹介どころではないだろう。
「―と、いうわけで学級委員長のクラウンくんから」
「はい。クラウン・アレクサンドロスです。主に火属性と風属性を使える。委員長としてみんなを引っ張っていけるように頑張るよ」
「私はレナート・レイニーだ。私は氷属性が得意だ」
どんどん自己紹介が進んでいく。自分も無難に自己紹介をしていく。クラスメイトはもちろん「誰だお前」みたいな顔をしてみていたがしょうがないことだ。上流階級の貴族が多い。僕みたいな貴族の下の下みたいな存在は聞いたこともないだろう。ただ昨日はなんとなく殿下が僕を推したからこのクラスの秘書になったにすぎない。
「私はサテラ・セライトと申します。好きなことは読書と観察ですわ」
(彼女が殿下の婚約者のサテラ嬢か)
昨日はナタリー先生に怒っていたから怖い印象しかなかったが、実際に人前で話をしているのを見ると落ち着いた印象だ。さすが殿下の婚約者である落ち着いていて所作のひとつひとつに気品を感じる。なぜ彼女が殿下と僕の同室を許したのか見当もつかない。婚約者の同室が僕みたいなよくわからないやつなんて普通嫌だろう。
「へ?」
サテラ嬢が僕を見るなりニコッと微笑んだのだ。一体なんの笑みなんだろうか。ぞわわわわっと鳥肌が立つ。僕は咄嗟に視線を逸らした。サテラ嬢の視線が獲物を捕らえた蛇のように巻きついて離れないからだ。
(こっわ!!貴族って全員こんな感じなのか!?)
そんなことを考えているうちに自己紹介は終わっていく。
「私はルーナ・エントスですわ」
「自分はネイロ・ジャバスと言いますー」
「わっ……ヨル…す」
ヨル嬢に関してはほとんど何も聞こえなかったし、最後はほとんど姿が見えなくなっていた。そんなこんなで全員の自己紹介が終わる。こう見るとSクラスって本当にクセが強い。いい意味でも悪い意味でもだ。
「よしっ君たちお互いのことは少しは理解できたかな?皆の自己紹介を聞いてわかったと思うけどこのクラスは沢山の個性がある。それは他のクラスのどこにも引けを取らないほど優れたものだ。僕は君たちが卒業する頃にはきっと立派な魔導士になっているだろう」
先生の言っていることは正しい。だが、この化け物級の天才たちの中に僕が入っているのがいまだに意味がわからない。僕はそこまで魔術にも剣術にも優れているわけではない。選出方法がいまだにわからない。
「と、いうわけで、今年度初の行事!!気合い入れていこう!」
そういえばこの学園は行事が多いんだ。行事は大きく分けて二つ種類がある。一つはクラス全体で参加する行事。二つ目はクラスの中から選抜して数人、または一人が参加する行事に分けられる。
「最初の行事は”屋外キャンプ”だ!」
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