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23)屋外キャンプ
しおりを挟む”屋外キャンプ”とはその名の通り屋外に出て野外活動を行う行事だ。僕にとっては外にでて食物を育てたり、小型のモンスターを捕まえてその日の夕食にすることもあったため慣れている。しかし、この学園に通う学生たちはほとんどが裕福な環境で育った貴族たちばかりだ。
(特に女性からしたら酷な行事の一つだろう)
男性のような体の大きめな貴族は日頃から鍛錬していたり、騎士団に入るために野外に行くことに慣れているためきついと感じることはないだろう。
ただ、体の細い女性や、戦いに特化していない魔力の持ち主は普段からわざわざ外に出たりしないだろう。太陽の下は美しい女性からしたら肌を危険に晒してしまう原因なのだ。
それにこの学園の”屋外キャンプ”は普通の屋外キャンプではない。ただ、屋外に出てご飯を作って食べるだけで終わらないのだ。
「本当に楽しみだね。僕の頃は”屋外キャンプ”なんてなかったから楽しみだよ。君たちが力を合わせる姿をみられるのが楽しみでたまらないよ。その前に一度”屋外キャンプ”についておさらいをしようか」
そういうとナタリー先生は黒板を使うのではなく、魔法を使って立体的な映像と共に説明を始めた。
ーまず、屋外キャンプの目的について。キャッチコピーは「適材適所。己の力を存分に発揮せよ」だよ。
屋外キャンプはクラス対抗戦だ。クラスで一つのチームだと思ってくれていいよ。屋外キャンプではチームの中でそれぞれ役割に分かれるよ。内容は大きく分けて三つ。
一つ目は「謎解きチーム」学園はキャンプ地である”囁きの森”に”お宝”というものをいくつか隠している。それを多く集めたチームが表彰される。でも、お宝の周りには軽い罠がかけられている場合もあるから注意が必要だね。それに、他のチームとの競争だから、頭の切れるやつと地理に強い人が有利だね☆
二つ目は「食材調達チーム」キャンプは2泊3日で行われるよ。その間の食材調達は自分たちで行うんだ。”囁きの森”には豊富な植物があるから、クラスのみんなが3日間生きていけるためにも食材調達チームは重要な役割を担っているとも言えるよね☆もちろん森には魔物も出るから魔物を狩るっていうのも一つの手だよね!そう考えたら、魔物と戦うのに慣れている人がなるといいかも。
三つ目は「拠点作りチーム」その名の通り拠点を整えるためのチームだよ。さっきも言ったけど森には魔物が出るからいかに安全で見晴らしの良い場所を拠点にするかはチームのQOLにも関わってくるよ☆それと、食材調達チームが持ってきてくれた食材を調理したりもしてもらうよ。植物に詳しい人とか、キャンプを張るのが上手い人がいると良いかもね。
「以上がキャンプの説明だよ。何か質問はあるかい?」
「はーい。チームは何人ずつ分けられるんですかー?」
「うーん。このキャンプで唯一他のクラスとの競争が「お宝探し」にあるから「謎解きチーム」に人員を割いた方がいいんじゃないかなあー…おっと、僕からあんまり助言はあげられないんだった。学長から止められてたのに。僕って本当にうっかり屋さん☆」
クラスは全員合わせて20人。それを3チーム分割ると7人のチームが二つと6人のチームが一つできる。でも先生はあえて「謎解きチーム」に人員を割きたいと軽く伝えてきた。そうなると「謎解きチーム」を8人にして他の二つのチームを6人にするのが最適だろう。
「まあ、ここからの話は学級委員に勧めてもらおう。お願いできるかな?」
「わかりました。じゃあ、ここからは私が中心に話を進めていくよ」
殿下に続くように僕とレナート様が前に立つ。正直この二人と一緒に並んでいるのは違和感でしかない。でも、自分に振られた仕事は最後までやり遂げなければいけない。僕は書記だ。皆が出してくれた意見をわかりやすくまとめる役割だ。
「まず、チーム分けなんだけど「謎解きチーム」を8人。「食材調達チーム」と「拠点作りチーム」はそれぞれ6人にしようと思うんだ。今の話について異論のあるものはいるかな?」
さすが殿下だ。さっきのナタリー先生の些細な会話から大切な部分を理解しているようだ。クラスメイトたちも殿下の言葉に「うんうん」と頷いているところを見るに全員が優秀であることが伺える。
「次に、僕たち一人一人が各チームに分かれてリーダーを務めるようにしていきたいと思う」
(え?)
「きっと各チームごとに仕切る人がいた方が君たちも動きやすいと思うんだ。ただ、リーダーの言うことを聞くだけではなく、自発的に良い意見を出していってほしい」
(な、なななな~!?)
僕はそんな話聞いていないぞ!!僕がチームのリーダー!?それも6~8人の!?できるわけがない。僕はどちらかと言うと裏方というか、陰で支えるという方が性に合っているのだ。まずこのクラスでリーダーをすることがどれほどの重みなのか殿下はよくわかっていない!!
恨みの気持ちを込めて殿下を睨んでいるとふと振り返った殿下がとてつもないくらい輝いた笑顔を僕に向けた。
(ああ、この王子この状況を楽しんでやがる!!)
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